魔石は光り、罪人は笑う①
ポチは解呪の球の情報を求めて工業都市カプラへ。
ポチを待ち受ける運命やいかに!
東の村を出てあれから1年が経とうとしていた。
此処は監獄グランドレット
地獄への片道切符とも言われる監獄は工業都市カプラの中にある鉱山に隣接している。
赤茶色の岩壁に囲まれた場所にあり脱獄不可能とされ
工業都市カプラの名所にもなっている。
グランドレットに収監された囚人は過酷な強制労働を課せられその過酷さから死んでしまう者も後を絶たない。グランドレット鉱山での強制労働により産出される魔石は工業都市カプラを支えている。
今日も強制労働を終え囚人達は足に鉄の玉をつけ歩いて出て来る。
工業都市カプラの街の街灯に灯りが灯る。
魔石を使った魔道具を応用したものが街の至る所に設置されており街は夜の顔に変わっていく。
監獄の中にも食堂があり全員囚人服を着て席につき食事の号令を今か今かと待っている。
全員が揃った事を確認して食堂の前方に熊のように大きい男が号令を叫ぶ。
「グハハハハハ!ワン公にカンパーイ!野郎ども!飲め飲め飲め!!」
「「「「「「ワン公サマサマだぜ!カンパーイ!」」」」」」
バシバシ!と背中を叩かれる。
「イテテテ!は、はははは」
食堂の中はドンチャン騒ぎになっていた。
「ワン公!お前ぇが来てから毎日が宴会だ!グハハハハハ!食べろ食べろ!飲め飲め!」
俺の横に座っている大男が背中をバシバシ叩きながら言ってくる
出された料理を食べながら俺はドンチャン騒ぎをしている囚人達を眺めながらここに来た時のことを思い出していた。
監獄の中には序列があり日本の江戸時代の牢獄さながらのヒエラルキーが存在していた。
熊のような大男の名はゾールといいここのボス(牢名主)だ。その下が添役、角役、二番役、等々監獄の中は囚人による完全統治がされていた。
俺は牢屋に打ち込まれゾールの前に座らされた。
「今日は2人か。お前らアレは持ってきたんだろうな?アア?」
ゾールがそう言うと添役のエドが手を出してくる。
もう1人の囚人が
「へえ!持ってきたでやんすよ。銀貨1枚でやんす。」
そう言ってその囚人マイトは俺の方をチラッと見てニヤリと笑う。
(ん?あいつ今笑ったよな?しかもあいつあの金俺から盗んだ金じゃねえか!)
「良かろう。そっちのワン公は。」
勿論そんな金は無く無言で首を傾げていると、
「何だ、ねえのか。じゃあ仕方ねえな。犬だからって容赦しねえぞ。」
そう言ってエドは二番役のトミーに「やれ。」といい、それから3日間トミーは俺を棒で叩きのめすのであった。
監獄内では攻撃系の魔法は使えないように結界魔法が張られている為使えないが回復魔法は使えるようだった。ボコボコにやられた俺が寝そべっていると、囚人の1人が近づいてきて俺に言う。
「あんた、何にも知らねえでやんすね。銀貨1枚のツルを渡さなきゃずっとボコられるのは常識でやんすよ。仕方ないでやんすね、貸しでやんすよ?」
「ふざけんじゃねえぞ、てめえ。誰のせいでこんな事になってると思ってんだ。」
「あっしが捕まったのは仕方ないでやんすがあんたが捕まったのはあっしのせいじゃ無いでやんす。」
「くそっ!あの警備兵め。」
カプラについて宿を探している時にマイトにお金を盗まれた俺はマイトを捕まえて警備兵に突き出した。
「警備兵さん!泥棒捕まえました!」
そう言って詰所を出ようとしたら
「ちょっと待って!」
と言われて待っていると犬が喋ると騒ぎになりあれよあれよと言っているうちに何故か牢屋にぶち込まれた。
この事もあって俺は無闇やたらに喋るのは控えようと警戒している。
ハァ、とため息をついたマイトは
「仕方ねえでやんすね。貸しでやんすよ。まったく。」
そう言ってゾールに何やら言いに行った。
ゾールは俺を睨み
「仕方ねえな、今回だけだからな。」
そう言ってトミーに顎で合図をするとトミーは俺を縛っていたロープをほどき明日から作業に加わるようにと告げていった。
その時俺は分からなかったが、後で聞いたところマイトが可哀想と思い銀貨1枚払ってくれたらしい。
いや!それ!ワシの金やからな!
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