鉄の森の住民
ヒュンメル城陥落。
最悪の魔王の種子を持つ者ドゥルジ・ナス。
ヒュンメル城と城下町には彼女の笑い声が響く。
秘宝を求めヒュンメル城を目指すポチ。
ヒュンメルを助ける為走る影。
ここに運命が交錯する!
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ドゥルジ・ナスが感染症の病原体を撒き散らすのを確認してその場から走り去る者がいた。
シャドウムーブを唱えて逃げるように走り去る影、
ヒュンメルの城下町を抜け、ヴィーグリーズの草原を走る頃にはシャドウムーブの効果は消えていた。
影が消えて一人の少女の姿があった。少女は鉄の森を目指してひた走る。
鉄の森は昔から人が近寄らないように言い伝えられてきた森である。
鉄の森にはとても大きな狼がいて、近寄ると手足を引き裂かれ食べられるとか、大きなヘビがいて身体を締め付けられ最後には呑み込まれると伝えられ、都市伝説なんじゃ無いか?と言う者も現れたりしている。
そんな危険な鉄の森に向かって走る少女は、ヴィーグリーズを抜けて鉄の森に入った。普段人が近寄らないために鉄の森には人が通るような道は存在しない。
少女は道の無い森の中を奥へ奥へと突き進み森の中にある横穴にたどり着いた。
「はあ、はあ、はあ、はあ、た、大変だよ!」
少女は中にいる二人の兄達に声を掛けた。
「ヘルよ。お帰り。どうだった?ヒュンメルは賑わっていたか?」
少女の名前はヘル三人兄妹の末っ子だ。そのヘルに声を掛けたのは次男のヨルムンガンドだ。ヘビと人間のハーフである。
「大変とはどうした?慌てて息まできらしているではないか。」
そう言ってヘルに落ち着くように促したのは、長男である狼の姿をした怪物フェンリルだ。
姿形は違えども血の繋がった兄妹である。
「兄者!大変なんだよう!ヒュンメルがよくわからない病気で滅びるよ!なんとかしてやらないと!なんかね!手からフワフワーってのを飛ばしたら人がバタバタ倒れていくんだよ!」
「なんだ?それは?ふわふわ?バタバタ?」
ヨルムンガンドが理解しきれずに聞き返す。
「フワフワーのバタバタだよ!」
「待て待て、落ち着かんか。してそれを飛ばしている奴がいるんだな?」
フェンリルがヘルに声を掛ける。ヘルは水を飲みながら首を縦に振る。
「バタバタって殺されているのか?」
ヨルムンガンドがヘルに聞くと、ヘルは少し思い出しながら言う。
「おそらく疫病だと思う。顔から血とか出てたし、痙攣とかしてた。」
「感染症の類いか。ふむ。」
そう言ってフェンリルが考え込む。すると横から
「兄上、これはもしや、禁呪の。」
「そう見て間違い無いだろうな。古代魔法に確かあったはずだ。」
そう言いながらフェンリルは黙り込んだ。
「兄者、助けてあげられない?」
「兄上、どうしますか?」
ふたりの視線が考え込むフェンリルに注がれる。
「恐らくだが、この古代魔法を使えるのは魔界をさがしてもただ一人しかおらんはずだ。その一人とは魔王の種子を持つ強者だ。迂闊に手を出したところでこちらに分があるわけではない。」
「だからって放っておけないよ!このままだとこの森もどうなるかわかんないよ!」
「確かにそうだな。兄上、ここは我々だけで収拾だけでも行った方が良いのでは?」
そう言ってくるヨルムンガンドにフェンリルは
「あやつは危険だ。死の穢れを司る者、それが二つ名だ。名前はドゥルジ・ナス。あやつを相手するには、普通の装備では即死は免れまい。準備が必要だ。準備でき次第、ヒュンメルに向かうぞ!」
「分かりました!兄上!」
「流石兄者!大好き!」
こうして、鉄の森にいる魔物や動物は臨戦態勢の為大移動を始める。
狼を筆頭に四肢で走る者達はフェンリルに。
ヘビなどの爬虫類系の者達はヨルムンガンドに。
鳥や虫達は、ヘルに。
そして、鉄の森の大移動が始まり一ヶ月が経とうとした頃、ようやく準備が整いつつあった。
「時間がかかったな。」
「それは兄上、総動員ははじめてだからな。」
「兄者、でも、肝心の生き物が。」
そう言って3人は、この作戦に重要な意味合いを持つ生き物の姿が無い事に気がつく。
「これだけ動物が揃って1匹もいないのか!」
「兄上、以前生意気だ!ってあの群れを追い出してたじゃないですか。」
「あ。俺が原因か。」
それを聞いて全員がジト目でフェンリルを見る。
「ま、まあ、何だ!犬の1匹や2匹くらいすぐ捕まえてくるからよ!!そんな目で見るなよ!」
「でも兄者、その犬に必要な要素がないと意味がない。普通の犬じゃダメなんでしょ?」
「だ、大丈夫だって。ヘルもみんなも心配すんな!今からちゃちょっと行って、見つけてくるからよ!」
すると集まった者達が騒めき出す。
「フェンリル様自らでられるのか!?」
「ああ、勿体ない、勿体ない。」
「早く行けってんだ!」
フェンリルは耳が良い。
(何とかこの場から離れねば! ん?アンチもいるな。後でみっちり分からせねばな。)
そう思いながら、鉄の森から南にあるフロストマウンテンの方角へ探しに行くのであった。
その頃、ポチは、
「お、何だか危険な森が見えてきたなあ。」
そう呟きながら歩いている。
「あ、良さげな木の枝発見! ふふーん♪ 」
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