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犬ですよ?  作者: たけす
転生編
1/45

転生したら犬だったので異世界を駆け抜ける!

「次のかたー。 どうぞ〜。」


俺の番だな。


「番号札お預かりしますねー。


386番さんですね。


では、順番に箱の中から選んで下さい!


どうぞ! 」


そう言われ俺は目の前の


白い箱の上に空いている穴に手を突っ込む。


あー、俺死んだらしいです。


よく覚えてないから死因とかわかりません。


今何してるかって?


順番を待つ間に見てたら、


どうやらこの列、


なんかの行き先決めているようです。


地獄とか天国とか


一喜一憂している様を眺めていたら


俺の番になったって訳です。


とりあえず箱の中のボールを掴み引き抜く。


すると進行をしている女の人が


「おおー!


金の玉が出ました〜!!


おめでとうございます!!


異世界に転生でーす! 」



まじか。


周りから


「おおー!


やったな!


おめでとう! 」


何やら死んでるのに祝福されている。


でも、そう言われると嬉しいもので、


照れてしまう。


「さあ!


次の箱に参りましょう!


どうぞ!





386番さん? どうぞ〜。」


おっと。


そうだった。


箱は二つあるんだった。


ただ、俺は二つ目の内容はよくわかっていない。


後ろも待っている様だし急いで引く。


引いた瞬間、


目の前が暗くなり死んでるけど、


魂が抜かれた様な感覚が俺を襲い、


意識が消えていく。


「あー。


異世界なのに、


んー。


残念!! 」



ん? 残念?


何が? と消えゆく意識の中思うのであった。




目が覚めると


木々の間から日差しがチラチラ照らし


木陰の中であった。


(確か、異世界行きだったような。


そもそも異世界ってなんだよ。


意味わかんねえ。)


ガサ。


ふいに物音がして俺は振り返ると


そこには、ヨダレを垂らし


今にも襲いかかって来そうなオオカミ?


オオカミにしてはデカイな。


あー、異世界ってアレか。


ファンタジーなアレか。


って事はただのオオカミじゃないな。


よし。少し牽制して戦ってみるか。


そして俺は少し気合いを入れてオオカミの魔物に


(かかってこい! )


「ワン! 」


と、言ってそこに落ちている木の棒を、


ん? 犬 ?


今どこかで吠えたような。


周りを見たが、


いないな。


「グルルルル」


オオカミの魔物は


此方を伺うように一歩前に詰めてくる。


俺はオオカミの魔物に視線を外さないように


木の棒を拾う。


あれ?拾えない。


何故だ?


そう思って木の棒を見る。


あった。


拾おうと手を伸ばすと、


同時に木の棒を押さえる犬の手。


ちょっと! やめろ。


今は遊んでいる場合じゃない。


そう思って犬のほうを見た。


何も居ない。 あれ?


ん?


まって。まって。


さっきの鳴き声も、


木を押さえたのも



俺? なのかな?



つまり俺は、


今、


犬!?








読んでくださった皆様へ。


犬ですよ?を読んでいただきありがとうございます!


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