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プロローグ

初投稿ですので至らないところが沢山あるかと思います。読みにくかったらすみません。

「お、お嬢様っ…!」


熱に浮かされた私にいつも親切にしてくれている侍女の焦った声が微かに聞こえる。


部屋に入ったらいきなり仕える主が倒れていたのだからそれはそれは驚いたことだろう。


起きて返事をしなければ。


そう思うのに身体は思うように動かず私は目を閉じた。


…あれ?目を閉じたはずなのに何かが頭の中に流れ込んでくる。


それは、美しい少女と美しい男達が幸せそうに微笑んでいる映像だった。


ゾッとするほど美しい微笑みを少女に向ける様はとても絵になっていてまるで私の大好きな乙女ゲームのよう…


ん???乙女ゲーム…???


ドキリと心臓が跳ねる。


そしてそれと同時にまるで植物が根を張るかのようにいくつもの記憶が繋がり、ストんと私の頭に収まった。



皆さんこんにちは私の名前はメーシャと言います。


いきなりですが前世の記憶というものを信じますか?…え?信じない?


それなら転生というものは?


え?それも信じない??


まぁ、それが普通だと思います。


でも私、気が付いてしまったのです。


ここが前世でハマっていた乙女ゲームの世界で、私は見事乙女ゲームの世界に転生したのだと。


前世では乙女ゲームの世界に転生したい〜〜イケメンに愛されたい〜〜!と思っていたものです。


え?どんな立場の人物に転生したかって?


主人公?違います。


悪役令嬢?それも違います。


攻略対象の従兄弟。いわゆるモブです。


やったー!主人公ちゃんと攻略対象のイチャイチャが見れるのね…!ワクワク…!って思うじゃん?


でもこの子、ストーリー始まる前に亡くなってます…


攻略対象の従兄弟の手によって殺されてるんです…!


や、やばくない?私、殺人鬼(予備軍)と同じ屋根の下で暮らしてるんですけど!?


あ、ごめんなさい。落ち着きます、すみません。


私、メーシャは攻略対象の従兄弟であり、引きこもり中の根暗令嬢です。両親の死をきっかけに心を閉ざすようになり、7歳の現在もそれが続き、関わる人といえば侍女であるエマだけ。


それも、食事を部屋に運んでもらったり、入浴の用意をしてもらったりと必要最低限の事だけ。


前世で不登校こじらせて引きこもりになっていた私は、引きこもり継続中という事でした。


メーシャは黒髪をこれでもかと言うほど伸ばした状態で前髪も長く顔が全く分からない。(夜中寝ぼけながら鏡をみておばけだと思ったわ。)


何故メーシャが従兄弟と同じ家で暮らしているかというと、両親を亡くしてからお爺様が本家に引き取ってくれたのだった。


家は国で三本指に入るほど位の高い高貴な家柄で、王族とも懇意にさせていただいている。まぁ、ここはのちのち考えるとして。


お爺様は2人の娘達(私の母と、彼の母)に先立たれ、孫である残された私たちを大切に育ててくれている。

少し甘すぎるくらいに。


普通に考えて公爵家の孫が引きこもり令嬢であっていいわけが無い。


だが、お爺様は私を咎めることもなく、この生活が続けられているのだから相当孫に甘いと思う。


そして、問題の彼、ロレンは何度も言うが私の従兄弟であり、これから私を殺すであろう人だ。


年は私より3つ上で現在10歳。金色のサラサラした髪に憂いげな青の瞳を携えている。10歳にしてその美貌は際立っており、その冷たさも際立っていた。羨まぁ。


そしてまず、この乙女ゲームが普通の乙女ゲームではない。普通の乙女ゲームだったら攻略対象が殺人鬼であるはずがない……。


このゲーム、発売されてから問題となった作品だ。クソゲーとも言われ、一部のユーザーからは神ゲーとも言われ、評価が真っ二つに分かれる作品だった。


それも、コンセプトが暗闇に指す一筋の光を見つける乙女ゲーム。となっていたのだが、ユーザー間では暗闇に指す一筋の光すら塗りつぶす乙女ゲーム。と言われるほど、鬱で悲恋、憎悪に塗れた世界観だったから。


いや、私は好きだったよ?ヤンデレとか好きだし、鬱展開もメリバもドンと来いだった。主人公ちゃん大体可哀想だけどほら、ゲームだし…。


という訳でそんなゲームの攻略対象達がまともな人間なわけがない。


攻略対象=イカれてる。


この等式が成り立つわけですよ。


しかもロレンが従兄弟を殺した理由が『なんとなく』。だった。


薬物の実験をしていたらたまたま毒が出来上がったから誰かに試したかった。あ、いいところに引きこもりの従兄弟がいる。殺してもいいかな?生きてた方が公爵家の体裁が悪いよね?


こんなノリで殺されたのよ…。


ファンブック買って裏設定読んでた前世の私、グッジョブ…!


ここまで分かっていて黙って殺される訳にはいかない!!!


私は生きたい…!


そうして、ひとつの決意を固めた。


私は、必ず生き抜いて幸せな転生生活を歩んでみせる…!!!

読んでいただき、ありがとうございました。

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