潜入作戦
城への潜入作戦が開始されます!
もちゆぺ達は王の城へ乗り込むべく作戦を考えていた。
しかし王の城にはスメルの配下が巡回をしているため見つからずに潜入するのは困難である。
「そう言えば乗り込む方法ならもう1つあるじゃん。」
「それってもしかして……」
「そうそのもしかしてだよ!」
もちゆぺはニヤリと笑った。
「毎日2人の生け贄を捧げないと行けないんだったら生け贄として堂々と中に入ればいいじゃん。」
ドヤ顔した。
あまりの間抜けな発言にアルミもアビルも開いた口が塞がらない。
「馬鹿じゃないの!?人質として乗り込んでも魔力封じの首輪を付けられて魔法は使えないし、そもそも1人2人で乗り込んで勝てるわけないでしょ!」
「いやいやスメルの所まで行ければどうにでもなるから大丈夫さ。この作戦で行こう!」
勝手に作戦を決めてしまった。
「ごめんね。こいつ強いけど馬鹿だからアホみたいな作戦しか考えれないのよ。」
ラピスは苦笑いで謝った。
「誰が馬鹿でアホで賞味期限切れだ!ちゃんとした打開策があるから任せとけ!」
そう言って胸を叩いて頷く。
「それで打開策ってどんなのなの?」
「実はな……」
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作戦当日
もちゆぺとアルミ達は生け贄になるために王の城の前に来ていた。
「そしたら作戦どおり行くぞ。」
みんなは静かに頷き作戦を実行に移した。
「門番の方々。今日の生け贄を連れてきました。」
アビルはもちゆぺとアルミを門番に引き渡しそそくさとその場を離れた。
そしてもちゆぺとアルミは首と手に魔法封じの錠を付けられ城の中へと連れて行かれたのであった。
城の中には人の姿をした魔物と歩く骨スケルトンの様なものが順内をしていた。
そんな中もちゆぺとアルミは城の案内人に奥へと連れて行かれる。
「どうにか中に入れたわね。」
「とりあえずは第一関門突破だな。」
もちゆぺのフードの中に隠れたラピスともちゆぺはバレないよう小声で話す。
「ラピスはとりあえず錠の鍵がどこにあるかとこの城の構造をしっかり見ておいてくれ。」
「わかったは。」
「しかしどこに向かってるんだろうな。」
ある扉の前で案内人は立ち止まり扉を開ける。
「着いたぞ。」
その言葉と同時に2人は中に突き飛ばされた。
「痛ってー」
周りを見渡すと沢山の獣人族の女の人達が身を寄せあっていた。
「あんた達も生け贄に差し出させたのかい?」
1人の女性が話しかけてきた。
「そうだけどこれは一体?」
「ここは毎日2人の女性が連れてこられるわ。そしてこの部屋にいる中から毎日1人スメルの所へ連れて行かれるの。」
「連れて行かれるとどうなるんだ?」
「スメルの餌になるのよ。スメルは若い女性の生き血を吸って若さを保っているの。そのためこの部屋に生け贄のための女性を集めてるってわけ。」
「そんな事のためだけに人が死んで種族が絶滅しそうになってるっていうのか?ふざけてる。絶対に許さないぞ。」
怒りが込み上げてきたもちゆぺの横でそれ以上の怒りを覚えている者がいた。
「そんな事をする為に王様達が殺されてさらし首にされたって言うのか?スメル...あいつだけは絶対に許さない。」
アルミは今すぐにでもスメルを殺したそうな目をしているがとりあえず落ち着ける。
「今日の生け贄は誰が連れて行かれるんだ?」
「あなた達が来る前に今日の生け贄は終わったは。誰が連れて行かれるかはその時にならないと分からないわ。」
「あの。だったら明日わっしが生け贄に行ってもいいか?」
「あんた馬鹿なの!?いつかは王国の兵の生き残りが助けに来てくれるかもしれないと言うのに死に急ぐ必要ないじゃない!」
「大丈夫。わっしはみんなを助けるためにここに来たんだ。だから任せてくれ!」
もちゆぺは胸を張った。
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次の日
「とりあえずわっしが連れて行かれたらラピスはここの鍵と錠の鍵を探してきてくれ。」
「了解!」
「アルミはここにいるみんなを守ってくれ!」
「わかったは。」
小さく頷くその顔は少し強ばっていた。
「任せろスメルはわっしが倒してくるから。みんなの錠を解いたらラピスの空間魔法で一緒に逃げてくれ。」
そう言って笑顔を見せた。
そしてその時がやってきた。
ゆっくりと扉が開き監視者が訪れた。
監視者は黒いローブを被りゆらゆらしている。
まるで死神のようである。
監視者はおもむろに動き出し1人の女性を引きずり始めた。
急いでもちゆぺゆぺが監視者を制止する。
「待て!わっしが今日の生け贄になる。」
監視者は引きずる手を離しもちゆぺを拘束した。
もちゆぺは振り返りアルミに任せたと合図を送る。
アルミは小さく頷いた。
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監視者に連れられ部屋の外に出たもちゆぺは監視者に連れられ城を上へ上へと歩いていた。
そしてラピスはもちゆぺのフードから飛び出し扉の鍵と錠の鍵を探し始めた。
「戦いが始まる前にみんなを逃がさないと。」
そして救出作戦が開始された。
いよいよスメルとの戦いが始まります!