世界樹召喚
理不尽な姿で理不尽な敵と戦う鬼畜物が大好きな方々には読んで欲しい笑いありバトルアリの異世界ファンタジーです。
これからこのお餅がどうなるかをお楽しみください。
何も見えない、暗い真っ暗な世界。
息ができない。
身体の感覚は無く動かしている感覚もない。
ただ感じるのは下へ下へ落ちていっているような気がするだけ。
「苦しい。」
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気が付くと草原に倒れていた。
そこは広大で見渡す限りの野原である。
立ち上がろうとしたその時、異変に気付いた。
そう、既にわっしは立っていたのだ。
あまりに低い視点に倒れていると錯覚を起こしていたのであった。
自分の姿がどんななのかを確認するため手を見てみた。
その手に指はなく白い突起が2本身体から生えたような状態だった。
「えええええ!!!!!」
その瞬間視界が暗転した。
ーそうか夢だったのか、安心した。ー
目を開くと泉に囲まれた大きな木の前に立っていた。
そこは神秘的で蛍のような光が無数に飛んでおり居るだけで力を貰えるような誰が見ても秘境と呼ばれるような場所だった。
「ぎゃあああああああ!!!!」
「嘘!嘘でしょ!世界に異変が起きた時にしか出来ない伝説の世界樹召喚が失敗するなんて!よりによってこんなお餅が召喚されるなんて、、、、世界が終わっちゃう!」
目の前でよくおとぎ話や絵本で見た事あるよな背中に4本の羽の生えた小さな妖精が騒いでいる。
しかしどうにも気になる単語があった。
ーえっお餅なの?ー
ーそうだ、確かにこの視点の低さに白い突起の手、お餅なら納得いくすが、、、、っておい!ー
目の前で騒いでる妖精を無視して急いで泉で姿を確認した。
「えええええ!!!!!お餅なんだけど!?」
あまりの衝撃に叫んでしまった。
「おいあんた!何召喚されてんのよ!大事大事な世界の命運をかけた世界樹召喚を、、、、」
「え!?なんで怒られてんの!?自分の姿お餅だし自分の事何が何だかわかんないし怒られるし意味わかんないんだけど!」
妖精は落ち込んだ感じ大きな木の方に飛んでいった。
何やら木に向かって話しかけているようだ。
ー数分後ー
大きな本を持って妖精が戻ってきた。
そしてその本を読み始めた。
「名前は、もちゆぺ。
性別は、不明。
年齢は、不明。
種族は、無し。あえて言うならお餅
魔力値は、未知数
スキルは、自由変形、変幻自在、加速する思考、未解明が1つ。
称号 世界樹の勇者」
「はぁ。認めるしかないわね。あなたに世界樹の勇者の称号が着いている以上あなたは世界樹に選ばれた勇者。しっかしもちゆぺってふざけた名前ねw」
「いやいやいや!そんな名前なの初耳なんですけど!?」
「世界樹の書に記されている以上あなたの名前はもちゆぺ。間違いなくもちゆぺよ!」
ドヤ顔で指を刺されたが納得がいかない。
「そう言えば自己紹介してなかったわね。私の名前はラピス。この世界樹の森で世界樹に従える使徒よ!そして世界樹の勇者あんたとこれから一緒に旅をする者よ!」
胸を張ってラピスは言い放って来たが、全く話についていけない。
そもそもなんでこんなとこにいるのかすらわからない。
ラピスの言葉も気になるがとりあえず経緯を思い出すことにした。
ーたしか、ソファーに寝転がってゲームをしていて激レアアイテムを手に入れたとこまでは覚えてる。そこでたしかお餅を喉に詰まらせて、、、、、ー
「思い出した!」
「いきなり何よ!びっくりするわね。私の自己紹介に驚きなさいよ!世界樹の使徒よ!」
「そうだ、お餅を喉に詰まらせて、水を取ろうとしたら水をこぼしてしまってそのまま意識が遠のいていってそこで多分死んだんだ。そして気付いたらこの場所に。」
「「しょうもな!」」
あまりのしょうもない最後に驚いてラピスともちゆぺはハモってしまった。
「そしたらあんたは、転生したらお餅の姿になってて気が付いたら召喚されていたと。」
「いやー大変だったわね。水でも飲む?」
もちゆぺは木のコップを渡された。
「ありがと、、、美味しい!!!何だこの水!めちゃくちゃ美味しいぞ!」
「そうでしょ!そうでしょ!世界樹の力の込められたお水だからね!そんじょそこらの水とは訳が違うのよ!」
「もう一杯!」
「どぞどぞ」
そして数分後
「落ち着いたとこでそろそろ本題に入りましょうか。」
「あっそうだそうだ世界がどうとか言ってたね。」
2人はいつの間にか仲良しになっていた。
「そうそう世界がねー大変なのよー。ここ100年くらいで突然生態系が崩れだしてね。世界樹が枯れ始めてるのよ。」
「世界樹が枯れると、どうなるの?」
「世界樹が枯れると世界は滅びる。枯れ始めたって事は滅びの予兆ね。だからそれを食い止めるべくこの世界樹の書を使って世界樹の勇者とともに生態系を守るのよ!」
「この世界樹の書にはね。この世界の全てが書いてあるの。この本から1種族名前が消えたらその種族は滅びた事になる。消えかかっている名前は滅びる寸前ってことね。」
「という事はその消えそうな名前の種族のとこに行って滅びそうな原因と解決策を練らないと行けないということか。」
「そういう事になるわね。ただおかしなところがもう一つあって世界樹の書に存在するのに読めない者が存在するの。」
「それはどういう意味?」
「きっとこの世界のじゃない別次元の生き物ね。もしかするとこいつらのせいで生態系が崩れ始めた可能性もあるからこいつらを調べる必要があるみたいね。」
「となるとわっし達の仕事は、生態系を守る事と世界樹の書に記されてる謎の存在の調査って事か。」
「そういう事になるわね。よし!そしたら早速旅に出るわよ!」
「えっ!?今から!?どうやって?」
「こう見えて私転移魔法得意なのよ!」
ドヤ顔でチラ見してくるがそろそろそれにも慣れてきた。
「世界樹の書に記されている消え掛けの種族に的を絞って移動先を検索するの。そしたらその場所に瞬時に飛べるって言うスーパー便利魔法よ!」
ドヤドヤっとチラ見してくる。
少しイラッとしてきた。
「どの種族を初めに救いに行くんだ?」
「ゴブリンよ。もう今にも消えそうになってるの。すぐにでも行かないと危ない気がするのよね。」
「わかった!すぐに向かおう!」
「そうと決まればいざ出陣だ!!!」
魔法詠唱の体制に入りラピスの身体から光が溢れ出す。
ーこれが、魔法、、、ー
「我ラピスの名の元に命ずる。世界樹の書に記されし種族ゴブリンその名の元に我ら2人を転移せよ! 転移魔法 妖精の揺りかご!」
もちゆぺとラピスは顔を見合わせこれから宜しくと言わんばかりににっこりと笑う。
そしてもちゆぺとラピスは転移魔法により世界樹を後にした。
次の話から冒険が始まります!
どうやって戦っていくのかとどうやって救っていくかに注目して見て欲しいです!