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異世界ライフ  作者: 藤井 月
第1章
7/49

7 パーティになった

ふわふわ、ふわふわ、ふわふわ、ふわふわ。

なんだろう、目が見えない。

顔に何かが乗っかてる・・・

まあ、わかるけどね。

「あーちゃん、降りなさい」

「みゃ」

降りないのね。

俺は寝たままあーちゃんを引っぺがす。

「みゃ、みゃ、みゃ、みゃ」

お前は喜んでるのか騒いでるのかわからんよ?

起きろってことだな。

しょうがない、起きるか。

1階に降りて顔を洗い、朝飯を食う。

パンと昨日の残りのスープ、サラダは面倒くさいからいいや。

昨日、果物買っておけば良かったなあ。

よし、着替えて狩りに行くか!


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


「みゃ、みゃ、みゃ、みゃ、みゃ、みゃ、みゃ、みゃ、みゃ、みゃ、みゃ、みゃ」

家から出ようとしたら、あーちゃんが俺にくっついたままで取れない。

「あーちゃん、俺は狩りに行くからお前は家で留守番してくれ」

顔を横に振ってる、嫌なのか。

「捨てるわけじゃないから、終わったら戻ってくるよ」

ダメか。

くそー、使い魔だったら会話が出来るに。

使い魔ってどうすれば出来るんだろうか、後でギルドに聞いてみよう。

埒が明かない。

「あーちゃん、現地に着いたらカバンの中に・・・」

あ、ダメか。

魔法の鞄だと多分空気が吸えない、死んじゃうな。

あ、普通のカバンだったらいいのか。

「あーちゃん、現地に着いたらカバンの中に入ってね。それもダメなら置いてくよ」

「にゃあー」

あ、納得すのね。

しょうがない、途中露店によって行こう。


「あーちゃん、中には言って」

薬草の採取が終わったので、あーちゃんを普通のカバンに入れる。

そしてリトルラビットを狩って森に向かう。

いつものようにリトルラビットの血をエサにして獲物を待つが今日はぜんぜん来ない。

それにいつもより静か過ぎる、今日はグレーウルフは無理かな。

諦めてリトルラビットをするかと考えていると。

「きゃー」

と、叫び声と喧騒が聞こえ、森の中か。

迷っている時間はない、突っ込むぞ。

いた、あれはクマか、角と牙がある魔獣だな。

1人は倒れて、もう1人はなんとか避けているが、このままではやられるだろう。

近すぎて魔法だと危険か。

あ、クマがこちらに気付いて、こちらに来る。

「ライトニングアタック」

動きは止まったが、まだ倒せない。

首を狙って。

「アクアカッター」

よし、首ちょんぱだ。

「クレア!クレア大丈夫!」

避けていた人が倒れていた人をに声をかけている。

すぐに確認する、生きてはいるが重症だ。

左肩が爪でやられて大量の血が出ている、すぐに直さないと。

「アップヒール」

1回じゃダメだな、もう1回。

「アップヒール」

よし、蒼白かった顔がなくなった。

「ありがとう、本当に助けてくれてありがとう」

もう片方の女性は美人なのに顔が涙と鼻水でじゅびずばーな状態だ。

「とりあえず、森の中だと危ない、急いで森を出よう」

あ、クマ持って帰らないと、カバンに入れよう。

ん、変な顔してどうしたのかな。

倒れたままの女性を担いで森を出て、100mほど移動する。

俺の身長と体力ではギルドまでは担いでいけない。

倒れた女性が気付くまで休憩しよう。

「僕はタロウといいます、冒険者です」

「私はステラ、こっちは妹のクレア二人とも冒険者です」

うん、どちらも防具着けてるから気付いてた。

「改めて、助けてもらってありがとう」

二人とも姉妹だから、似てるし美人さんだ。

その上ステラさんの胸がダイナマイトだ。

ダメだ、このままではオッサン化してしまう。

「二人で森の中まで入ったの?」

・・・・・・・

ステラさんは黙ってる。

多分俺よりレベル低いんだろうなあ、なんで無茶したんだろう。

まあいいや、言えないなら聞かない。

俺はクレアさんが起きるまで休憩するだけだ。

「にゃあ」

あ、あーちゃん入れっぱなしだった。

出した水飲ませよう、俺も喉が渇いたし。

俺はあーちゃんをカバンから出して、水袋から飲ませ、自分でも飲んだ。

あ、ステラさんが俺を見てる。

水持ってないのか、冒険者なのに。

黙って別の水袋を出してステラさんに渡す。

「・・・ありがとう」

あーちゃんは水を飲んだあと、俺の腿に座って二人の女性を見ながら俺に文句を言っている。

とりあえずスルーしたら爪を出しやがった、イテーよ。


今日はイイ感じの風が吹いている、涼しくていいなあー。

あーちゃんはいつの間にか寝てる。

そして何故かステラさんが俺をじっと見ている、目線が顔と猫耳に。

俺は気が付かないように目線を外す、目を合わせたらヤバい気がする。

「ん・・・」

あ、やっと目を覚ましたか。

「クレア大丈夫」

「あ、姉さん・・・、私ワイルドグリズリーにやられて」

と、自分の左肩を見て驚いている。

そりゃそうだ、血で真っ赤になってるのにケガがないもんな。

「クレア、このタロウさんが私達を助けてくれて、魔法で治療してくれたの、その上猫人なのよ、猫耳なのよ」

・・・それか。

猫耳好きか・・・

「わぁ、猫耳なのぅ」

姉妹共かい。


「ありがとうございます」

と、クレアさんは顔を赤くしている、ステラさんもな。

「それで助けてくれたお礼をしたいの」

と、ステラさん。

「いや、気になさらないで下さい」

別に今は余裕があるからいいや。

「いえ、それじゃダメなの。ただ私達冒険者なったばかりでお金はないの」

だからお金も物もいらないから。

「だから体でお礼をしたいの」

・・・

・・・

・・・

はあああ、体ってなんだよ。

「えーと、それは例えば洗濯するとかメイドみたいな感じかな?」

「いえ、文字通りの意味です」

二人とも肉食女子かい。

「いや、そういうのはちょっと」

「私達嫌いですか」

いや、美人だし、巨乳だけどいきなりそれじゃ。

「二人とも美人だから嫌いとかそういうことはないけど」

「それじゃ、ぜひ」

いや、ちょっとまってよ。

何か他のお礼にしないと・・・

えーと、えーと。

あ。

「それじゃお礼は僕のサポートにしましょう」

「サポートですか?」

「体じゃダメですか」

ステラさん、しつこい。

「僕とパーティになりましょう。そして3人で冒険しましょう」

このままでは俺が食べられてしまう、嫌いではないがいきなりはちょっと。

それにあの二人はそのままでは魔獣とかでやられそうだ、知り合った人が亡くなるのは気分的に悪い。

「お姉ちゃんどうする、同じパーティになれば彼氏になれるかな」

「クレア、私は今すぐいきたいんだけど」

姉妹はコソコソ相談してるけど、俺猫人だから聞こえてるぞ。

「それにこのままだとギルドからの依頼が1度も完了できないわよ」

「なんでグレーウルフ討伐出来ないんだろうね」

逆によくやられなかったな。

「お金ないから、もう宿屋に泊まれないし」

「多分タロウさんは余裕があるよね、それにワイルドグリズリー持ってるわよ」

・・・聞こえなきゃよかったよ。

「それじゃパーティになってサポートします」

・・・

パーティにするの早かったかなー


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


俺は微妙な顔をしてたと思う、ギルドに入っていく俺と後ろでニコニコ笑っている二人。

カウンターにいたイケメンのウイリアムに薬草の依頼を清算し、ステラ、クレアと3人でパーティになったことを伝えた。

ウイリアムは喜んでくれた。

買取カウンターに行ってリトルラビットとワイルドグリズリーを買い取ってもらう。

ワイルドグリズリーが金貨3枚になっって良かったよ。

後ろの二人は金貨3枚になったことを見て喜んでいた。

今後の打ち合わせのためにギルドの食堂で話をすることにした。

「まずは何か飲むますか」

「「エールで」」

アルコールかい、どうせ俺のオゴリなんだろうなー。

俺はコーヒーがいいんだけどないみたいだ、お茶でいいか、あーちゃんはー、あ、オレンジジュースあるのか、じゃあそれにしよう。

「明日からの僕たちのパーティについてなんだけど」

「その前にちょっと聞いていいかな」

とステラさん。

「何でしょう」

「タロウさんは今どこの宿屋に住んでるの?」

「いえ、ギルドから家を借りてます」

「へー、どんな家?」

「2階建で1階が便所とお風呂、居間と台所と部屋、2階は2部屋かな」

あ、二人ともキランと目が光った、ヤバい言わなきゃよかった。

「実は私達、今お金がなくて今日から住めないの」

「それじゃー

「だから住ませて」

・・・

お金を貸しますか、という前に住ませて、と言われてしまった。

最初から予定してたな。

はぁー、どうする。

あ、あーちゃん、彼女達を噛むなよ。

だめだな、断り切れない。

「いいですよ、部屋空いてますから」

さて、じゃあどうするかな、俺のスキルとかパーティ以外には教えたくないから、詳しい内容は家に帰ってから話すか。

「じゃあ、東通りの露店によって、詳しい事は家で決めましょう」



帰る途中で2人分のフトンと毛布、露店でリビング用のフカフカなカーペット、バスタオル、石鹸、4人分の果物、野菜を買って帰った、お陰で金貨2枚もかかった。

「ここが僕の家です、どうぞ入って下さい。」

姉妹を連れて帰ってきた。

俺は持ってきたカーペットをリビングに敷いた、やはり日本人としては家では靴を脱ぎたい。

革のブーツを履いたままでは蒸れすぎる。

「あ、二人共1階のその部屋を使って下さい。棚やタンスとかありますから」

と部屋を教えて2人分のフトンと毛布も渡した。

「あとリビングにはカーペットを敷いたので、入る時はブーツを脱いで下さい」

あ、変な顔してる。

普通そんな事しないよね、けど最終的には玄関で脱いでもらおう。

さて、まずは腹が減った。晩飯作るか。

サッサと野菜スープと焼いたリトルラビット、野菜炒め、パンを4人分の皿に載せて、リビングのテーブルに置いた。

二人はあーちゃんと一緒に俺が作ってるのを見てた。

「食べましょう、いただきます」

姉妹もあーちゃんも勢いで食べてる、俺がユックリと食べていたら、彼女たちは既に食べ終わったいた。

うわー、切なそうのこちらを見ている。

しょうがない、俺は黙ってスープとパンを追加した。

嬉しそうに彼女たち3人は食べ始めた、俺の倍以上食うなあ。

今後は7人前以上作るか、そういえば姉妹たちは料理スキル無いのか?

後で聞いてみよう。

「あー美味しかったよタロウ君、久しぶりにお腹いっぱい食べた」

と、ステラさん。

「良かった、タロウ君と同じパーティになって。今後も美味しいの食べれるんだ」

と、クレアさん。

俺、絶対早まったな・・・


食事が終わったので、やっと今後の打ち合わせになった。

「僕から話しますね」

「僕はタロウ、15歳猫人族でレベル10です、使えるのは水魔法、雷魔法、回復魔法それぞれレベル2です」

「それと僕が飼ってる子猫のあやめです、あーちゃんと呼んで下さい」

「にゃあー」

そう言えば、正式にあーちゃんを紹介するのを忘れていた。

「15歳なの?12,3歳かと思ったよ」

と、ステラさん、なんでガッカリしてんだ、さてはショタコンか。

「あーちゃんて使い魔なの?」

と、クレアさん。

「いえ、たんなる飼い猫です」

「んにゃ」

いや、否定せんでいい。

「どう見ても会話してない?」

「いえ、反応しているだけですよ。使い魔に出来るんだったらいいんだけどね」

「次は私ね」

と、ステラさん。

「私の名前はステラ、22歳でレベル5です、ここから東のカルダ村出身で5日前からこちらの来て冒険者のなりました。使えるのは弓がレベル1、剣、斧それぞれレベル2です」

「魔法は使えないの?」

「魔法の才能がある人は1万人に1人ぐらいしかないから」

そうか、魔法を使う人は少ないんだな。

「他に基本技能とかはないの?」

「畑(開拓、耕作、収穫)かな」

「じゃあ、次はクレアさん」

「名前はいいですよね、18歳でレベル4です、使えるのは弓がレベル2、テイマーがレベル1です。

基本技能には料理と採取(草原、林)です」

テイマー?それって動物とか魔獣とかを飼い馴らすやつだっけ。

ゲームでは知ってたけど、実際にあるんだ。

「テイマーなんだ、やったことあるの」

「ないです、やっても逃げちゃうから」

「どんな動物だったの」

「犬、猫、リス、小鳥、羊、ヤギ、子豚、子牛」

そうか、ダメだったか。

あ、あーちゃんで出来たりして。

俺があーちゃんに声をかけようかと思ったら、既に逃げてた。

ステラさんもクレアさんも美人だ、二人とも金髪で青い目をして。

ステラさんは見た目アマゾネスみたいで筋肉隆々、胸が大きいバスト100cm超えてんじゃないかな。

目がきりっとしている。

クレアさんは中肉中背で、たれ目で右の目元にホクロがあってちょっとセクシー。

二人とも身長165cmぐらいか、ステラさんの方がちょっと高いかも。

なんだろう、この身長差だけで俺が末っ子みたいじゃないか。

けど、二人ともこの年齢でレベル低くないか、スキルはレベル2あるけど基本のレベルが5と4だもんな。

冒険者になったばかりだからか。

「二人ともここに来てレベル5と4になったの?」

「いえ、村で狩りや農作業とかしてる時になったよ」

うーん、なんでだろう。

今の段階ではわからないなあ。

まあいいや、明日からのパーティをどうするかだ。

「スキルからすると、ステラさんが前衛で俺とクレアさんが後衛なんだけど、二人とも基本のレベルが低すぎると思う。

だから僕が魔法で弱めるから二人で仕留めてもらう。

それでいいかな」

二人ともうなずいてる。

「あとパーティが受ける依頼は基本的に午前中は薬草の採取、午後はグレーウルフの討伐だけどその前に自分たちの食糧兼討伐のエサとしてリトルラビットを狩る、それでいいよね」

「えー、リトルラビット獲るのー」

ステラさん、君たち依頼ゼロでしょう。

「リトルラビットを獲ったことあるの?」

「村で獲ってたもの」

そうか。

「リトルラビットは美味しいでしょ、さっき美味しそうに食べてんだから。

獲らなかったらご飯なしね」

ブーブー言わない。

クレアさんは文句も言わず微笑んでるよ。

「よし、明日から頑張りましょう」


「二人とも、お風呂沸いたから入って」

「お風呂ってどう入るの?」

「聞いたことはありますが、お金持ちしか入ったことしかないです」

「今までは水浴びだけかな」

「うん、そうだね」

まずは教えないとダメか。

お風呂場に連れていって教える。

「ここがお風呂、まずは外で服を脱いで、お風呂のお湯を体にかけるそしてこの布と石鹸で体を洗う、洗った後体に泡が着いてるからお湯をかける。その後お風呂に入って5分から10分、出たらこの長めの布で体のお湯を拭く。その後新しい服に着替える、これで終わり」

「だいたいわかった、じゃあやってみるね」

姉妹だから一緒に入るんだ。

「あれ、タロウ君一緒に入らないの?」

俺は答えず逃げた。

「ヘタレっぽいね」

「うん、そうみたい」

聞こえてるよ肉食女子。

「あーちゃん、その後お風呂、入るか?」

「にゃ、にゃ」


「お風呂って気持ちいいです」

「石鹸で洗うといいよー」

あ、出てきた。

お風呂上りの美人はヤバい、暴走する前にサッサとお風呂に入ろう。

「じゃ、風呂に入ったら寝るので、二人ともお先に寝てください」

なんだろう、不満そうだ。

いや、理由はわかるけどね。

風俗好きの素人童貞だっただけにいきなり対応はできん。

「おやすみなさい」

俺はしばらくは逃げる、ヘタレで構わない、肉食女子が怖いんだ。






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