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異世界ライフ  作者: 藤井 月
第1章
4/49

4 冒険者になろう

冒険者ギルドのギルドマスター室にはオッサンとおねいさんと俺が座っている。

オッサンは俺を見ながら

「俺はサウドラのギルドマスター、バルズだ」

は、オッサンがギルドマスター?

「坊主はどうしてここのいるかわかるか?」

「いえ、わかりません」

オッサンとおねいさんはますます怖い顔をしている。

「アマンダが坊主に何をしたか覚えているか?」

「年齢を確認するために鑑定しました」

「そうだな、坊主の名前、レベル、種族、年齢、各種能力、それと4つのスキルだ」

ん?4つのスキル?1つ少なくないか?

「鑑定レベルが6まで上がるとスキルが鑑定できるようになる、ただしそのレベルまでだ、アマンダの鑑定レベルは6だ」

「坊主は猫人族だから通常どおり器用さと敏捷性が高い、攻撃力と防御力は少し低いな、そして魔力、魔法に関する能力は通常は低い、しかし坊主の魔力は高すぎる」

んー、シャレにならない状況かな。

「それでだスキルも見た。格闘術、暗殺術、基本技能、坊主はなんで暗殺術なんてもってんだよ、どこで覚えた。そして魔法、水、雷、回復魔法の3種類・・・、人族でも3種類持ってるのはかなりのベテランか天才だ、お前は何者なんだ!」


えーと、53歳で素人童貞だから魔法使いになりました。

 て、理解してもらえるわけないじゃんか(涙)

異世界に転生しに来ました。

 これも言っちゃダメだよなあ。

先生助けて下さい。

 先生は元の世界の管理者だからムリだよね。

じゃあ異世界の管理者が助けてくれる。

 基本的に助けてくれないらしい。

神様助けて。

 異世界って神様いるの?まだ聞いてません。

・・・・・

・・・・

・・・


ダメだ、ギリギリのラインで話すしかないな。

「えーとですね、実は6日前に南部の辺境にある山と森がある地区で目を覚ましたんです、ところが自分が何故そこにいるか、また名前も思えだせない状態でした」

「自分のステータスを見ると猫人族で、いくつかのスキルや持物を持っていて、ただ食べ物も無く、このままだと死にそうになると思い、誰か助けてくれる人がいるか、村や町がないかと歩いてきて、やっとこの町に来ました、それ以上はなぜこうなっているのかわかりません」


ギルドマスターは俺のことをジッと見ながら

「坊主は何もわからずここまで来たのか?」

「はい」

「普通は辺境にあるヴォルスの森からここまで1人でくる間に魔獣やモンスターに殺される、それに食料がない状態で6日間どうしてたんだ?」

「魔獣やモンスターには襲われなっかです、食べ物は果実を見つけたりウサギとかを取って食べました」

「ウサギ?それって角が付いてるやつか」

「はい」

「それがリトルラビットと言う魔獣だ」

あー、あれ魔獣なんだ。

「魔法で倒してました」

「そうだな、魔法が使えるからな」


ギルドマスターは暫く考えているみたいだ。

「坊主、俺はお前のことを判断できない。悪いが暫く軟禁させてもらう」

「軟禁ですか!」

「ああ、ギルドは王国に対して独立しているが、ただ何でもかんでもやっていいわけじゃあねえ。お互いに協力している」

「坊主はまだギルト員になっていない、そして魔法を使える猫人なんて簡単に俺が認められない」

まあ、そりゃそうだ。

「だから領主に報告し判断してもらう」

領主!また話がでかくなってきたぞ。

「そういうわけで特別室で軟禁するからな、もしいきなり魔法をぶち込んで逃げてみろ、うちの職員は簡単にやられる連中じゃない痛い目にあうぞ、静かにしてればちゃんと飯は食わしてやる」

「わかりました」


「坊主、ここが特別室だ」

俺が連れて行かれた特別室はギルトの地下にある牢屋だった、うわあ、最悪。

中に入れられる鍵をかけられる。

「判断されるまで静かにしてろ、坊主」

はい、静かにしてます。

ああ、冒険者になんかなろうと思わなきゃよかったよ(涙)


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


冒険者ギルドのマスター、バルズは翌日サウドラ領主ダルバート男爵の館に急いで向かった。

館に到着し、執事に執務室まで案内してもらう。

「男爵様、冒険者ギルドのバルズ様が来られました」

「バルズか入っていいぞ」

「は、失礼します」

「バルズ、珍しいな館に来るとは。何かあったのか」

「はい、実は---」

と、バルズが昨日の状況について報告する。

「魔法を使う猫人の少年か、そんな事は聞いたこともないな」

「はい」

「獣人で魔法を使える者は特定の種族だけだな」

「はい、その上高レベルにならないと使えませんし、使える魔法も種族特定の魔法です」

「そうだな、それ以外に使える獣人としては、魔族の眷属になっている種族か」

「はい、ただ使える魔法は闇魔法です」

「少年が使うのは通常の水、雷、回復魔法です、闇ではありません」

「猫人族と人族とのハーフだはないのか?」

「鑑定では猫人となっております、ハーフであれば猫人(ハーフ)と出ます。それに獣人と人との間に子供が生まれる可能性は0とは言えませんがほぼ不可能です」

「ただ、両親は猫人でその上の系統の中に魔法使いがいて、その上奇跡的にハーフが生まれたとすれば納得できます」

「少年が魔法使いの孫か曽孫であれば可能ということか」

「はい、ただし奇跡的に、です」

「その少年は記憶がないと言っていたな」

「少年は名前も種族、6日前にヴォルスの森にいたこもわからかったと行ってます」

「そうか・・・、魔族が化けている可能性はないか?」

「わざわざ獣人の少年に化けて、魔法が使える事も隠さずわざわざ冒険者ギルドに登録しに来ると、あり得ないと思います」

「そうだな、私もそう思う。では、あの少年をそうするかだな」

「はい」

「バルズはどう思う」

「私は冒険者にしても大丈夫な気がします」

「気がします、か。珍しいなお前がそんな事を言うとは」

「すいません」

「まあいい、さて、どうするかだ」

バルズの話を聞いて、ダルバート男爵は少年に対して判断する。

「よし、少年に対して許可しよう」

「よろしいのですか?」

「ああ、今の段階で害はなかろう。ただし我が領地内から出させるな、魔法を使える者の数は少ない、どこの国でも欲しがるからな」

「わかりました、本人が領地内から出ないよう監視します。それでは失礼いたします」


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■



「坊主、これがお前の冒険者カードだ、無くすなよ」

結局、俺は領主の判断で冒険者になれた、ただしサウドラ領地内から出ないことが条件だったらしい。

まあ、行く当てもないから問題ないな。

しかしカードを作るのに指先から血を一滴必要なんだね。

「冒険者ギルドの詳しい内容はアマンダから聞いてくれ」

アマンダ?

ああ、あのナイスバデイな美人のおねいさんか。

「1階のカウンターにいるはずだ」

言われたとおり行ってみると、ちゃんといた。

「アマンダさん、ギルドマスターから言われてる来たんですが」

「はい、聞いてます。詳しい内容でしたね、もう、登録はしましたけど登録料は払ってなかったわね。まずは銅貨10枚かかります」

え、聞いてませんが?

どうしよう、持ってる物買ってくれるのかな。

「すいません、お金持ってないんです。獲ったウサギとかの買取は大丈夫でしょうか?」

「ああ、右側の買取所で出来ますよ。だけど今持ってないでしょ?」

「いえ、この中に入ってます」

と、自分が着けてるカバンをさした。

「えっと、それって『魔法の鞄』なの?」

「はい」

「・・・・・・まあいいわ、後で買取してから登録料払ってちょうだい、じゃあ説明するから」

アマンダさん、なんか疲れてるなあ。俺のせいじゃないよね。

「タロウくんは今Gランク冒険者、登録したばかりの人は全員Fランクです。

 ランクを上げるには、ギルドからの依頼を受けて遂行して下さい、期限がある依頼を遂行出来なかったり するとペナルティになりますので出来る内容で行って下さい。

 場合によってはランクダウン、違約金、違約金を払えなかった時は奴隷として売られます」

奴隷って、この世界にはあるんだ。

「依頼については主に、採取、討伐、護衛、調査などがあります、そして依頼自体もランクがあります。Gランクの場合はGとFの依頼しか受けられません」

「それは可能と思われるランクしか受けさせない、ということですか?」

「その通りです。低ランクはお金が欲しくて無茶をしますので」

なるほどね。

「次に冒険者同士のトラブルです、冒険者間での乱闘や暴力、脅迫などは禁止されています。」

「まあ、冒険者は体力が有り余る人が多くて、酔って騒ぐ人が多いのですがある程度は黙認してます」

いや、黙認しないでよ。

「大体こんな内容ですね、何か質問がありますか?」

「冒険者になったばかりなので、お勧めな依頼とかありますか?」

「タロウ君はレベルもランクも低いから出来れば何人かとパーティになった方がいいと思いますよ」

パーティか、知り合いなどいないし、暫くはやめとこう。

「すいません、暫くは1人で活動したいと思います」

「わかりました、では採取はどうでしょう。町の西側にある林や森、南側の草原などで薬草の採取です」

薬草かどうやって探せばいいんだろう?

「薬草って見ればわかりますか?」

「見たことあればすぐわかります、あとタロウ君は鑑定をもっているからわかるでしょう」

あ、鑑定を使うのか。

「あとは低レベルの魔獣やモンスターの討伐ですね、こちらも西側にある林や森にいます。ただし森の奥には中レベルがいますもで奥には入らないで下さい」

「わかりました、依頼を受ける時はどうすればいいですか?」

「カウンターの左側に食堂があります、その壁に貼ってありますので受ける時はカウンターまでに持って来て下さい。」

なるほど。

あれ、だけど討伐した時の数ってどうするのかな?

自己申告なわけじゃないよね?

聞いてみよ。

「カードの中にデータが残りますからそれで確認します」

なんだろう、いきなりゲームみたいになった。

「色々とありがとうございました」


よし、依頼カードを見てみるか。

左側の食堂に行くと昼間から飲んでるガラの悪いオッサン達が一杯いる、目立たないように依頼カードを確認しよう。

えーーと、あ、あったあったこれが薬草採取か、数量は10枚報酬は銅貨50枚か期限がないののもいいな、よし、これにしよう。

あれ、討伐にリトルラビット10羽ってある、今持ってるけど登録する前だからダメか、しょがない改めて獲ろう。

依頼カードを持ってカウンターに行く。

「すいません、これでお願いします」

「あ、やっぱりそれにするのね、初心者の登竜門だもんね」

と、アマンダさんが優しく笑ってる、うん美人だ。

「それで、買取は?」

あ、忘れてた。

「すいません、まだです」

あ、優しくない笑い方だ。

いそいで買取カウンターに行く。

「すいません、買取お願いします」

「あいよ」

うわあなんか怖そう、ぶっきらぼうな60歳位のオッサンだ身長は俺と同じ高さだが体重は100㎏位ありそうだ。

「これお願いします」

とカバンの中からウサギとタヌキとシカを出した。

「あんちゃん、魔法の鞄持ちか」

「はい」

少年、坊主、あんちゃんか・・・もう面倒くさいからスルーしよう。

「角、毛皮、肉の内一部持ち帰る物はあんのか」

「いえ、全部買取でお願いします」

「わかった、ちょっと待ってろ」

そうか、角とか毛皮とか買取してくれるんだ、解体した時捨てなきゃよかったよ。

「あんちゃん、リトルラビットが銅貨120枚×10羽、ワイルドバジャーが銅貨50枚×2匹、レッドディーアが銅貨250枚×2匹、合計で銀貨18枚だ、これでよければ買取るぞ」

えーと、銅貨1,800枚が銀貨18枚になるのか。登録料が銅貨10枚かかるから一部銅貨にしとこう。

「すいません銀貨17枚と銅貨100枚にして下さい」

「あいよ」

オッサンから金を貰ってちょっと聞いておこう。

「ワイルドバジャーってなんで安いんですか?」

「あれは肉が臭くて誰も食わない、使えるのは毛皮だけだ」

あーなるほどね。

オッサンにお礼を言って、アマンダさんに登録料を払おう。

そして宿屋に帰って今日は寝よう、なんか疲れた。




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