1 プロローグ
【※※※※さん・・・、※※※※さん・・・】
ん、なんか呼ばれている気がする。
【※※※※さん・・・、※※※※さん・・・】
あ、やっぱり呼ばれてるわ、けどさっきまでネットゲームしてたんじゃなっかったんじゃ、俺寝オチしてたのかな。
【・・・・・ ※※※※さん(怒) ※※※※さん(怒)】
あ、なんか怒ってる気がする、対応しないと。
「あのう、何でしょうか・・・」
【やっと反応しましたね、随分前から呼んでたんですが(怒)】
「えーと、すいませんでした。」
て、ここどこだろう、真っ暗でよくわかんない、俺に声をかけてる人は中肉中背でメガネをかけてて、どことなく自分がかかってる心療内科の先生みたいだ、けど年齢はわからないなあ。
ここ病院かな?
【では早速ですが確認しますね、名前は※※※※さん53歳、家族なし、親戚なし、亡くなった両親の資産あり、引き籠りでニート、二日前の深夜脳梗塞で倒れ、一人暮らしのためそのまま死亡。それで間違いないですか?】
え‼ 俺死んでんの、じゃあ今は幽霊みたいな状態、てゆうか名前変な言い方してるし。
「あのう、俺死んじゃったんですか?あと名前がおかしいでしょう、俺の名前は・・・」
あれ?出てこない、頭の中には何となくイメージ的な感じは有るけど、口から出てこない。
「先生!名前が出ません。」
【いや、私先生じゃないから。亡くなった人のうち、色々と忘れちゃう人いるから気にしないで下さい。】
いや、気にするよ、名前なくなちゃったよ。
【じゃあ次ね、転生してもらうんだけど・・・、君あんまりいい生き方しなかったね、仕事した事なしか、コミュ障のせいで周辺の住民とほとんど会話したことなっかたみたいだね、なぜか風俗は週に1回は利用してたみたいだけど。・・・うーん、次回はクラゲかセミかな。】
ええー‼マジですか、確かに真面目な人生じゃなっかたけど、引き籠りだしニートだしコミュ障だし素人童貞だし・・・。
「先生、それ以外でなんとかなりませんか。」
【いや、だから先生じゃないから、亡くなった方を対応する只の管理者だから。】
ん、お医者さんみたいだったから先生て言っちゃったけど、先生って言われてる時、なんか嬉しそうな気がする、政治屋とか大学教授とか大物タレントとか先生って言われてると喜ぶってワイドショーで誰かが言ってた気がする、ここは一か八かだ言いまくるか。
「いや、大先生何とかお願いします」
と、コミュ障なのに色々言ってみようとしたけど上手く言えない、やっぱりダメかな。じっと見てるは(涙)
【えっとね、この世界では対応できないんだけど、異世界だったら多分空いてると思うんだよね。それで良ければ対応するよ、但しこの世界とはかなり違う世界になるし、この世界にはもう戻られないからね】
え!何とかしてくれるのかな? でも異世界かあ、クラゲやセミとかじゃなければ大丈夫かなあ、でも違う世界って何が違うの?
「先生、違うってどんな感じですか?あと人間ですか?」
【・・・もう先生でいいや、単純に言うと君が良く遊んでるファンタジーなゲームがあるでしょ、そんな世界だよ。あと人だよ】
なんで遊んでんのわかってんだろ、しかしファンタジーかあー、これはアリだな、そして人間なら下手すると英雄とかになれちゃったりして。
「先生、異世界に転生します」
【本当にいいんだね、そちらに行ったらもう私は対応出来ないからね】
「大丈夫です。」
【じゃあ、あちらの担当に連絡するから】
と、先生がなんだろう昭和時代の黒電話で会話してる、懐かしいなあ、昔あったよなあ。
あ、終わったみたいだ。
【連絡しといたから、転生したらあちらの世界で頑張ってね、とその前にこちらでちょっと調整するから。 ・・・えーと53歳だっけ、何だろう見た目は60歳ぐらいのおっさんなのに落ち着きがないあんちゃんみたいだなよね君って、じゃあ15歳にしとくか。あと素人童貞だったけ?】
「いえ、違います」
あ、なんかこっちはわかってんだよ、みたいな顔でこちらお見てるし、ダメだ、耐えきれない。
「・・・はい(涙)」
【53歳で素人童貞だから、一応魔法使いになれるな。そうしとくか】
え、なにそれ?俺が呆然としているに気付いたのか先生が
【童貞だと30を超えて魔法使い、40を超えて賢者、50を超えて大賢者になれる。ただし素人童貞の場合は50を超えて魔法使いになれる、ただしこの世界には魔力がないからダメだな、だから異世界に行かなければ使えない、おめでとう魔法使い】
・・・よくわからないが、あちらで魔法が使えるようになるらしい。
ちなみに勇者なんかになれるのかな、聞いてみるか。
【ん、勇者になりたいの?なれなくはないけど、おすすめはしないよ。】
一応なれるんだ、で、おすすめはしないとは?
【君辛いとか、頑張るとか、努力するとか嫌いでしょ】
はい、その通りです。
【あと君の基本スペックを1とすると、勇者になれる人って最初から1000ぐらいあるから。どうする、やってみるかい?】
いや、ごめんなさい、すいませんでした。普通でいいです。
【じゃあ、普通にしとくね。最後にスキルなんだけど10枚のカードから5枚選んでくれるかい、あ、内容を読まずに選んでね】
・・・何だろう、本当にゲームみたいだ。見ちゃだめかー、何とかできないかなあ、先生に電話が掛かってくるとかー、あと
【ダメだよ、ズルしちゃ】
あれ、読まれてる?なんでだ?そう言えば途中から俺話してたっけ?
【うん、喋ってないね、途中から君とは念話で話してたから、君の考えてた内容は全部わかってるよ】
・・・・・・・・・・・・・・・・諦めよう、多分風俗好きとかもバレてるんだろうな。
あ、笑いやがった。
【じゃあ選んでくれるかな】
もういいや、自分から向かって右から5枚にします。
【わかりました、じゃあこれで調整しま・・】
あれ、なんかじっと見てる、変なのあんのかな?
えっと、先生スキルとか教えてくれるのかな?
あ、ダメですか、異世界に転生したら自分で確認するのね、わかりました。
で、転生っていつになるんでしょう?
え、今から!あのー自分の家に色々と洒落にならない物があるんですが、え、誰かに整理してもらえって、先生俺が家族も友達も親戚もいないのわかってますよね、1週間、いや3日お願いします、自分で整理しますから、もう死んでるからダメ、それに幾つか持っていこうて考えたろうって、ああー、もう考えるだけでバレるし(涙) え、先生が処分してくれる、本当に?実は先生もそういうの見た あ、マジで怒られた。
【じゃあ今から転生させるから、転生したらちゃんとステータスとか確認してね、あと基本的にあちらの管理者も何もしないからね】
何もしないって、先生色々やってくれたんじゃー、あー亡くなった後か、やってくれるのは。
と、いきなり足元が消えた、えええ!何それ先生‼
【じゃあ、少しは頑張ってね】
くそー、最後はこれかーーーー、落ちた瞬間、多分気絶した(涙)