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殺人屋敷とキープ奴隷と

 アイクは俺が勇者だと教えても、そこまで驚いた様子は無かった。

 いや、俺の事を王様だと思い込み、勇者だと信じてないのかもしれない。


 アイクと俺が勇者か王様かで話し合うこと10分ほど。

 結局俺は凄い人という事で落ち着き、やっと家を購入する段階に入った。


「ではリキト様。どのような家をお探しでしょうか?」


「そうだなぁ。二階建てで広い庭があり、部屋数がまあまああって、物置用の地下室がある家かな」


「なるほど。二階建て、広い庭、部屋数多数、広い地下室……ですね」


「あぁ、そうだ」


 アイクのリピートに俺が肯定する。

 アイクはテーブルに並べられた書類を全て手に取り、その中から1枚の紙を抜いて、俺に見せた。


「こちらなんていかがでしょう? 街の中心部にある好立地。二階建ての家で、人が500人は余裕で遊び回れる広さがあります。それに地下室もあって部屋数は20部屋ありますよ。築6年ほどですので、まだ綺麗で掃除もされています」


 俺はアイクの話を聞いて、考えた。

 

 何故、そんなにいい物件が余っているのだろうか。

 べらぼうに高いのか、それとも別の理由があるのか。

 もしくはただ俺の運が良かっただけなのか。


 俺は理由を訊いてみることにした。


「アイク。なんでそんなにいい物件が残っているんだ? 高いのか?」


「いえいえ……それがですね、実は1年前にその屋敷で住んでいた人が亡くなったんですよ」


「えぇ……何それ怖い」


「噂によりますと、当時その屋敷の主人に務めていたメイドが、主人を殺したとかなんとか……ですので皆さんその事を知ると買ってくれないのですよ。別に幽霊が出るとかじゃないですよ? お祓いだってしてますし、今までに見たって人は1人も現れてませんしね」


 アイクは笑いながらそう言った。


 俺としては幽霊が出ても別に霊感とか無い方だと自負しているので、怖くない。


 だったら、この物件は購入するべきだと俺は思う。


「で、金額は?」


「はい。金貨100枚でございます……やっぱり買ってくれませんか?」


「いや、買うよ。街の中心部にあるんだろ? その家は」


「はい! 近くには市場も冒険者ギルドもありますので、好立地の物件です!」


「じゃあ買う」


「ありがとうございます! 少々お待ちを」


 アイクは金貨100枚を俺から受け取ると、部屋を出ていった。


 金貨100枚はどれくらいの値段なのだろうか?

 金貨1枚が10万円だとするならば、100枚で1000万円。


 そう考えると、俺が買った家は現代日本の価値観からして、破格の値段なのかもしれない


 そんな事を考えていると、アイクが部屋に戻ってきた。


「えー、それではサインをお願いします」


 アイクはそう言うと、2つの紙を取り出して俺に手渡した。


「これは?」


「これは土地の管理所、そしてこちらが契約書ですね。サインをリキト様がしてくだされば、あとの手続きは全て私がやっておきますので、ご安心を」


「なるほど」


 俺は紙にサインをする。


 家を購入するなら、異世界だろうがなんだろうが手続きとか面倒臭いのが必要だよな。

 それをアイクがやってくれるのなら、ありがたい事だ。


 アイクは悪さをするような人じゃないだろうから、俺としても安心できる。


「はい、確かにサインを頂きました。――あぁ、そうでした。リキト様がキープなさった奴隷の2人はどう致しますか?」


 俺がサインをした紙をアイクに渡すと、アイクは思い出したように言った。


 あの奴隷2人とは、優しいけど厳しさを持つクールビューティ美女と、妹にしたい合法ロリの事だろう。


「そうだな、屋敷の掃除とか俺はやりたくないからな。貰うよ」


「かしこまりました。お持ちしますのでまた少しお待ちを」


 再びアイクは退室した。

 俺は新たに自分の奴隷となる2人について、考える。


 奴隷2人はミシェルと一緒に、屋敷でメイドでもさせればいいか。

 お姉さん系の美女は家事とかできそうだから、もしもミシェルと合法ロリができなかったら教えさせればいい事。


 ミシェリアは……あれ? どうしよ。


 俺は横目で、隣でずっと金貨を弄っているミシェリアを見た。

 

 此奴は何ができるのだろうか?


 ミシェリアのプロフィールを言ってみよう。

 運動神経がいい、不思議ちゃん、不器用、金貨とお肉(食べ物)が大好き、物静か(喋るのが苦手とも言う)。


(あ、此奴何もできねぇは多分)


 もしもミシェリアにメイドをやらせるなら、完璧に家事を叩き込むまで数年は掛かるかもしれない。 

 だったら、運動神経はいいんだし俺と一緒にいさせればいいか。


(うん、そうしよう)


「? ……なに?」


 すると、ミシェリアは俺を見て睨んできた。

 見るんじゃねぇよって事だろう。

 

「いや、なんでもない」


「そう……」


 その後はアイクが戻ってくるまで、静音が続いた。


 俺はアイクに奴隷2人を家に発注するように言うと、権利書を貰ってミシェルをおんぶにして、購入した人が殺されたという屋敷に直行した。 


 



 


 

 

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