その1 【幽霊探偵事務所】
しばらくは用語説明とか世界観とかなんかよくわかんない話が続いたり続かなかったり
とりあえず耐えて見ろ(超上から目線)
「ここに【幽霊探偵事務所】があるのか……」
僕が今訪れている場所、それは僕の通う森盛高校から少し離れた場所にある別の高校。可ヶ丘高校という、変わり者が集まると有名な高校である。
僕はその高校にあるという【幽霊探偵事務所】に用があってきたのだ。
幽霊探偵事務所。つい最近まで存在すら知らなかった。というか、とある『事件』のことを友人に相談し、この存在を知ったあとでも本当に存在しているのか怪しかった。
というのも、この幽霊探偵事務所というのはこの街に伝わる都市伝説のひとつなのだ。都市伝説というには歴史が浅く、つい数年前から噂される噂話のようなものと言ったほうが適切かも知れない。
それはともかくとして。この【幽霊探偵事務所】は『どんな事件』も解決してくれる探偵がいるというもの。それだけではただの凄腕の探偵の話なのだが、都市伝説と呼ばれるからにはそれなりの理由がある。
これはその数ある理由のうちのひとつ
『どんな事件も必ず解決する凄腕の探偵がいる。しかし、その探偵にどうやって出会うかは謎である。本当に困っている人が気が付くとその探偵に出会えており、そしていつの間にか事件を解決してくれて、お礼を言う前に消えている』
とまあ、そんなまるで幽霊みたいな存在。そしてその探偵に会えるかも知れない場所。探偵といえば探偵事務所。だから【幽霊探偵事務所】
これ以外にもいろいろな話があるのだけど、どれもこれも胡散臭いことは確かだ。そもそも理由がいくつもあって、というか都市伝説と呼ばれている時点で本当にそんなのがあるのかは怪しい。
だから僕は存在しているのかが怪しいと思った。思ったけど、今はそんなのでも、むしろそんなのだから頼りたいと思っている。
僕がここに来た理由。探偵という言葉に合わせていうのなら、依頼。
僕はとある『事件』を解決して欲しく依頼しに来たのだ。
その『事件』はあまりにも非現実なことで、全てが妄想だと言われてしまえばそれまでのことで……。
でも僕にとってそれはたしかに現実にあったこと、存在していたはずの存在だから。
そんな不確定な存在を探してもらうことが僕がここに来た理由。依頼の内容。
「とりあえず中に入るか」
いつまでも生徒玄関の前で立っていても仕方がない。いくら今日が日曜日で、それなのになぜか部活動でもなさそうな生徒(私服だがおそらく生徒のはず)がそこらじゅうにいて、更に変わり者の名に恥じないような変なことをしていたとしても、流石にずっとここで突っ立っているのはアレだ。
まあ、部外者が勝手に校内に侵入するのもアレなのだが。
生徒玄関で靴を履き替える。といっても僕は内履きを持参してきたわけではないので、端の方に置いてあった来客用のスリッパを勝手に使わせてもらうことにした。
「さて、どこかに案内とかないかなー」
初めて入る校舎の中。地図か何かがないと迷ってしまうだろう。もしあったとしても、必ずしも目的の場所が見つかるというわけではないのだが。
「……? あれ、わかるぞ……」
初めて入る校舎の中。目的地の場所もわからない。だというのに、何故か足が勝手に動く。廊下を進む。まるで慣れ親しんだ道を歩くかのように。
そんな感覚。普段の僕ならば「なぜ足が勝手に動くのだ」と戸惑ってしまうだろう不思議な感覚。
でも今の僕はそんな感覚に驚かない。むしろこの感覚に委ねてしまっても大丈夫だろうとさえ思っていた。
「……ここだ」
委ねた結果、目的地に着いた。別にどこかに『幽霊探偵事務所』と書いてあったわけではない。けど、ここだとわかった。
「…………」
効果音で表せというのなら、ゴクリ。
扉を開こうとしている僕の心情はそんな感じだ。もしかしたら実際に唾を飲み込んでいたかもしれない。
「……よし」
僕には何かをする前に考え込む癖があるようだ。何かが起きた時も同様に。
しかし今はここで立ち止まって考え込んでいても仕方がないので、それにここまで来といて何もしないわけにもいかないので、思い切って扉を開ける。
「し、失礼します!」
丁寧な言葉とは裏腹に乱暴に扉は開く。
思ったよりも乱暴に開き、大きな音がなり、驚いたせいでさっきまであったちょっとした勢いは削がれてしまった。
「扉は静かに開けろとは習わなかったのかねぇ」
「まあまあ。若い子、特に男の子は元気がありすぎる方がちょうどいいんですよ」
部屋の中には、小学生……いやギリ中学生くらいに見える美少女と、容姿端麗でミステリアスさを醸し出している女性が――抱き合っていた。
これが僕と彼女たちとの出会い。
そして、これから体験し目撃する不思議な力の物語の幕開け
一度に多くの文章を書く事ができないという致命的な頭なので、だいたい2000文字前後くらいの長さになると思います。
短時間で気軽に読めるね!(ただし物語に没頭することは不可能)