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プロローグ 01

 イオリア大陸暦九七八年。

 大陸の東端、外海から切り離されて形成された潟湖(ラグーン)にのみ生息する飛竜(ドライグ)の捕獲を禁止する条約が、大陸国家間で締結された。


 ドライグは、総じて成人男性の二倍程の大きさに成長する哺乳類型爬虫類で、その牙と爪は鋭く、蝙蝠(こうもり)のそれとよく似た巨大な翼で飛翔する。

 肉食生物ではあるが、ラグーンの海水魚を好み、人間を襲うことはまずないとされている。


 条約の表向きの目的は、当時年々数を減らしていたドライグの、種の存続が脅かされることがないように。

 果たしてその真意は、うまく使いこなせば世界の勢力均衡を崩す恐れのある力の行使を、互いに抑止するためだった。


 九九〇年。

 大陸北部のレガリス公国が条約を破ってラグーンに侵攻した。


 ラグーンには、どの国にも属さず自治権を与えられたトゥーレの村があり、ドライグを操ることのできる唯一の存在であるトゥーレの民が生活していた。

 レガリスの狙いは、トゥーレを自国に編入することにより、大陸東南部のアスファリア王国と大陸中央部のハルウォル王国より、軍事的に優位に立つことだった。


 九九二年。

 トゥーレの抵抗、またアスファリア、ハルウォル両国の参戦で、レガリスはラグーンから撤退を余儀なくされた。

 戦後賠償として、レガリスは国土の一部をアスファリアとハルウォルに割譲、また多額の賠償金支払いを命じられ、国力を大きく弱体化させられることとなった。


 歴史に「ラグーン戦争」と名を残すこの戦いで、当時のアスファリア騎士団第一師団長ユリアス・ラングハートが戦死。

 アスファリアの最高勲章である煌獅子(こうじし)勲章が叙勲された。


 時は過ぎ、一〇〇二年―

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