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YUI~優衣~  作者: 丹
3角関係
4/51

混浴

3話目の予告通り…です。

「やだ、どうしたの、叶!」

その声ではっと図書室でうたた寝してた所に声をかけられた。

紫の長いストレートの髪からベビードールの香水の香りがする。


そのいつもの光景に、逆にホッとして、昨日のことは夢なんだと心で位置づける。

僕としては、香水の香りがする女性の方がホッとするし、あまりの綺麗さに光で透けた髪にほんわり癒しを感じる。

今日は、昨日あった悪夢を忘れようと、蜜柑を抱きしめた。


「どうしたの?」

冷静に宥めるような大人の声に、蜜柑の知性を思わせられた。

蜜柑は基本的に大人で、女性らしい。僕はいつも蜜柑のこういう所が好きだなぁと思う。


入学したとき、中学で1番だった僕の成績は、秀麗な美少女、蜜柑に打ち破られた。

総代で答辞を読む、綺麗な声が耳に染みた。悔しかった。自分が初めて負けて。


それと同時に、あの美少女と僕が付き合うことになるなんて思いも寄らなかったし、僕はただ綺麗だなぁと眺めてたし、

蜜柑はすごく男に言い寄られてたから、あの告白は意外だった。



「好きです」

臆面もなく、堂々と帰り道、呼び止められて言われたのがその一言だった。

「僕もだよ」

気付いたらそんな感じで、珍しく照れていて、喜んでる蜜柑を可愛いと思って、男として本気になって見ようかと思った。

僕だって自分で言うのもなんだけど、かなり色んな女性とお付き合いしてみた。

生意気だが、小学校高学年の時に、有名私立にスカウトされて、入ってみたら勉強も面白みがあって、初めて楽しい、と感じた。


次に面白いと感じたのは、告白してきた女の子達と一人ずつ付き合ってみることだった。


純粋な女の子だと思ってたら、計算高くて嫉妬深かったり。

純情とはほど遠いギャルと付き合って見たら、意外とキスするとき、震えたりとか。

女性って様々色んな種類が居て、楽しいなぁと思った。


で、僕は随分女の子に慣れて、段々女の子の「好きです」の言葉が快楽になりつつ、悦に浸っていた。

ズレを感じつつ、頭の良かった僕は、段々女の子を「僕のルックスで寄って来るだろう」などと勝手な解釈を始めて居て、

蜜柑と付き合ったのもそれが少しあった。


蜜柑は「私は貴方のそういう愚鈍で自己中心的な所も好きなの」と言ってくれるし、僕の考えは蜜柑の前ではいつもお見通し。


正直、初めて勝てない女性だと思った。


「何かあったんでしょう…?」と耳元で囁かれては、どくんっと心臓が跳ね上がる。

優衣の事を言うべきだろうか、僕は悩んだ。


「実は…」


そう言おうとして、僕は昨日の出来事を思い返した。


言えない…。


昨日、僕は優衣とお風呂に入って一緒に寝ました、何て。


優衣は昨日、案の定「先に入るから、入ってくるんじゃねーよ、この馬鹿女」と言ってシャワーを浴びていたら、

からっと言う軽い浴室のドアが開いた。


「!?」と思う半分、やっぱりなぁと顔を顰めた。

幸いだったのが、バスタオルでスタイルの良い体を包んでたことだった。


「叶っ!」とざばんと横から浴場に入り、カエルのオモチャで遊んでいる。

もう、俺に何をしろと!?と思い、慌てて腰のタオルを強く縛った。


「叶も、一緒に…!一緒に入ろう!」

「い・や・だ!出てけ、脳みそ3歳児!」

そう言うと、しゅんと胸元のタオルを握るから、胸が見えそうで見えない…。

そんな不埒な誘惑さえ横切る。


シャワーで軽く汗を流すと、俺は「お先に」とささっと着替えて、寝室の大きなベットで一人横になる。



あー、何で、あの女は俺に構う?


自分に初めて魅力がないと思った瞬間だったかも知れない…。


蜜柑と付き合って悦に浸っても、「僕」と言うのだけは直らなかった。

「僕」と言う限り、上に取り繕っているのは事実だというのに…。


蜜柑はどこまで分かってるんだろう。そう思うと、何故か俺は1人、泣いていた。


女々しくて口が悪くて、どこまでもいい子で居ようとする「自分」はどこへ行くのだろう。



気持ちよくすぅっと朝まで寝ると、何か暖かい物が手に当たる。



それは、案の定優衣だった。しかも、バスタオルのままで寝ている。

俺は本当に寝ぼけていたので、手にしっかりと優衣の体を覆うようにもう一度あまりに心地よくて寝てしまい、二度寝。

気付いたら、優衣にしては意外な反応で「さ×先に行きます」と書き直したような後まであり、朝起きたら美味しいスープが置かれていた。


優衣?どうしたんだ、お前…?



そんなトリップをしていると、蜜柑がそっと耳を撫で…

「やっぱり香川さんと何かあったのね」と言うので、またしも心拍数は上がる。


「え?何で??」


そう何気なく聴いてみたが、蜜柑はため息をついて、首を指さした。


そこには軽くひっかき傷みたいなのがあり、気付かなかった自分を恥じる。



「好きなの?」


と蜜柑の綺麗な顔が近づいて焼きもちを焼いてるのは明らかだった。


「でも、僕が好きなのは蜜柑だから」

「フフ、分かってる。」


そう笑顔で言ってくれたので、全てを話してみた。


すると、蜜柑は首を傾げて、「香川さんは今日は休みなんだ?」と聴いてきて、そういえば学校に着ていないことに気付く。


「どうしたんだろうなぁ」と言うと、「あ、香川さんじゃない?」と窓際で2人で姿を目に捉える。


すると、優衣はぱっと視線に気付いたと思えば、向こうをぷいっと向いてしまった。


??と悩んでると、「女同士で話し合ってくるわ」と、蜜柑はその後ろ姿を追った。


優衣、どうしたんだろう??

ちなみに私は殿方とお風呂に入ったことなど、ございません(笑)ちなみに活動報告は、下の方にある作者マイページをクリックすれば見られます。コメントお待ちしております。

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