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YUI~優衣~  作者: 丹
一緒に暮らしましょう。
36/51

ふと思い出すのは。

久々の更新になり、失礼しました!玲目線のお話です。玲、浮気しちゃうの?近づく花音の唇に、いい匂いさえ感じてしまう。でも…。

花音と唇が触れるか、触れないかの寸前。


俺は悪魔の誘惑に負けそうになった刹那。


ふわっと、いつもと違う香水の匂いにはっとした。



優衣の、匂いは…優衣…優衣。

優衣がどう思うんだろう?と考えた。

優衣の顔が自然なぐらいに浮かんでは、毎晩毎朝出される料理を疎ましく思ったこともあった。でも、


優衣は、いつでも、俺を思ってサボったことなんてなかった。


優衣は、いつでもじゃないけれど、必死に尽くしてくれた。


20代の女の子が普通そこまでできない。

甘えが出たり、親元に帰ったり、家事サボったり。

それが、優衣の「強さ」だった。


優衣は、ずっと家の隅から隅まで綺麗にしてくれた。

優衣は、俺の着ている洋服をどんな気持ちで洗ってたんだろう。

綺麗に畳み、乾かし、時には消臭剤の香りすらする。あの俺たちの二人だけのアパート。あそこに優衣はどんな気持ちで俺を待っていたんだろう?

どんな気持ちで…食べないご飯、食べるご飯。いつだって。


気付いたら、近づいてくる唇を、俺は、肩を抱いて引っぺがした。


「ごめん、花音とはそういう関係になりたくない。


花音も大事な女友達であるけれど、優衣が一番なんだ。」


そう答えるのに必死になってしまう。


花音は、「ちぇー、この先、またこういうことあるよ、玲の事は誰よりも分かってるもの。」と拗ねた顔で口を尖らした。


「俺もそう思う…優衣は俺のこと分かってないし、むかつくし、相性も違うけど…俺も、優衣のことわかってなかった。普通のあの年の女の子が、急に恋人に拒否られたら、ショックだと思う」


「ちっちっち、優衣さんは、拒否られたことがショックと言うよりも」


「?」はてなマーク全開でキョドキョドしてしまう。


「好きな人に、好きだって信じて貰えない。愛して貰えないのが辛いのよ。誰よりも好きな人のことが知っていたいのに、こんな女にフラッとしないで頂戴ね。いつでも、不倫のお誘いはOKだからね」


花音が俺の顔に手を近づけると、


ドキ。何??と思った瞬間、



「いだっ!!」


デコピンされた。


当然だが結構痛い。


「優衣さん、もっと痛かったんだからね!」


「ごめん。」


「優衣さんに言いなさいよね」


ふぅとため息をつき、やり遂げた感の笑顔を浮かべると、彼女は嬉しそうに笑う。


「ひょっとして、試してた?」

「え?」

「俺が本当に花音に行っちゃったらどうするつもりだった?」

「それはそれで…楽しい夜を過ごすつもりだったわよ?」

「あはは」


その「あはは」は心底から笑えるのと、大丈夫だったのか?俺…と言う心配の笑み。でも、ばかばかしくなってきた。


「俺、今日帰ったら優衣に話してみるよ」


花音が指を鳴らしながら、何かを言ったのに気が付かない。


「これしきのことで諦めるもんですか」


気のせいだろう。酔ってるんだ、きっと。

花音さんは、この性格で地位を少しずつ積み上げてくタイプです(笑)花音さんはまたお邪魔虫として出てくる可能性が…ウフㇷv優衣が中々出てこなくてごめんなさい。AKIRA~玲~待て。

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