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YUI~優衣~  作者: 丹
一緒に暮らしましょう。
35/51

大人の時間。

優衣に強力ライバル出現??玲君は誘惑に勝てるのか?シリアスな話から一転です。(※玲目線です^^)

「何でお前に電話しちゃうんだろうな、俺」


まさか、彼女が俺の携帯番号を未だに変わらないのを見抜いてたとは。知らない番号じゃなかった。彼女から掛けたわけじゃない。


「そろそろ、優衣さんと上手く行かないと思ってた(笑)」

「なんだよそれ」


この相手こそ、俺が優衣の前に付き合った最後の彼女(※第27話みてくれ。)他の女性とぶっちゃけ体の付き合いがなかったわけじゃなかった。でも、きちんとそういう分別じゃなく、彼女と付き合ってた時は彼女だけだし、一応区別はつけてるし、優衣と付き合ってからは優衣だけ。


「ん~、玲は、優衣さんのどこが好きなのかしら?」

「え、素直なところも好きだし、焼きもちやきなところも好きだし、我儘言いそうなのに頑固なところも好きだし、可愛く拗ねちゃう子供っぽいところも好きだよ」

「ん~、それってね、私は玲の好みじゃないのよね(^^;)玲は私と何で付き合ったのか考えてみて」


難しい数学の問題を解いてるみたいな気持ちになる。優衣と居ると、俺は与える側なんだけど、彼女にはいつも教えて貰ってる側の気持ちになる。


「優衣と…正反対だからかな」


あの後、優衣の機嫌を伺ってから言い出そうとしたのだけど、「愛してる」なんてセリフが何か言いにくくて、元カノとこんな電話しちゃってる。


優衣と全く正反対な彼女は、とても魅力的だと今でも思う。


大人で、すんなり受け止めるほど心も広くて、俺の行きたい方に進めてくれる。我儘は最低限しか言わないし、彼女と居ると自分を立ててくれる女性ってこんなに気が楽なんだと思うことがあるんだ。


「ねぇ、玲。今度呑みに行きましょうよ。私、今の玲と話したいわ」

「え、でも…」

「私、今、早くも昇進の話が出てるの。奢るわよ」

「そこまで言うんなら」


これって、浮気なんだろうか…と思いつつ、優衣はあれからご飯を作り置きして手紙を残しながら、俺を避けてる。


流石に俺が蒔いた種とは言え、余計に取り繕えない。


大人の女性に相談するのも、優衣の俺には分からない心を聞けるんじゃないだろうか??


曜日と時間と待ち合わせ場所の設定をして、そのまま電話を切る。


いいんだよな?この選択は。友達なわけだし。


言い訳がましいけど、今はアドバイスが欲しい。



~~~~


「お待たせ」


彼女とは最寄駅の改札口で待ち合わせした。


大人になった彼女は、サラサラのショートカットに、綺麗な緑色のブラウスを着て、華奢なネックレスを首元にまとい、デニムのタイトスカートを着ていた。足元は…


「ダイアナの新作に、4℃のネックレスに、ケイトスペードのバッグか、羽振りいいじゃん」

「控えおろう~」

「はは~」

「さすがに、洋服は雑貨屋さんの安売りのセールだけどね」


彼女は素敵な女性へと進化していた。

俺は男なので、あんまり洋服褒められても拘りはないけど、父の教えで、女性はちょっとの変化を見逃すなと言われていたし、自分がもてると言う自覚もあるので、こういう風に完璧に見えて完璧じゃないコーディネイトをしてくる女の子って隙があって褒めやすい。


「え、腕組むのか?」


ドキッ。こう言う事をさり気なくされると、何かドキドキしてしまう。


あくまで相談に乗ってもらうだけなのに、優衣に悪い。


「いいじゃない、無礼講よ」

「それって使い方違くないか??」


あはは、と笑いあう。

こう言う女の友達っていいなぁと思う。気兼ねがなく話せるのはとてもいいところだ。そのまま、行きたかった居酒屋が彼女と同じなのも楽。


「玲は、梅酒でしょ?」

花音カノンは、水割りのソーダだろ」


何故かお酒の好みも分かってしまうものだから、元カノは侮れない。


彼女の名前は今更ながら、華岬花音はなみさきかのんと言う。


お互い仕事の愚痴を話しながら、本題の優衣との暮らしになる。


「俺はね、スマートに言えたらなって思うけど。男にとって、愛してるって恥ずかしいんだよ。今まで付き合った女にも言ったことないし」

「私だって言ったことないわよ?玲は恥ずかしさよりも、断られた時がショックなだけだと思うけど」

「ぐ…そうだね、俺はもう優衣以外と結婚するつもりはないからね」

「あら、惚気?いやぁね。


じゃあ、私は愛人でいいから、優衣さんに疲れた玲を癒そうかな。」


トロンと酔った瞳が…こてんと肩に凭れ掛かる。


「酔ってるの?そう言う冗談よくないと思うよ」


ぱっと離れて、もう一杯飲んだ。

自棄?でも、飲まないとこの空気は優衣に悪いし、本来来るべきじゃなかったと今更ながらに痛感した。


「私が優衣さんを忘れさせてあげる」


その瞬間、ぐいっと、花音が俺の腕を掴んで、抱き着いて、そのまま口元に唇を寄せた。

花音の逆襲開始!花音が優衣の事を認めて別れたわけじゃなく、この機会をじいっと待ってたんですよ(^^;)玲君しっかりしろ!

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