とうとう決まる決断。
新たな出会い2章はここで終わりです。
私と玲は、インターホンをカチリと押した。
不安で震える私の手をぎゅうっと握りながら、「大丈夫だよ」と頭をぽんぽん叩くと、白い大きな柵の門がガーッと開いた。
本当は私は指紋認証で勝手に入れるのだけども、玲が「心配してるだろうし、勝手に入るより正当法で行こう」と言い出したので、優衣はこうして、久しぶりにインターホンを鳴らした。
門が全部開ききると、色々な外車の見える奥からパパが慌ただしく走ってくる。
「優衣!心配したんだぞ!」
「パパ…」
パパは私を抱きしめると、涙声で心配してくれたので、
許してくれた??と思うが、
思ったのは浅はかだった。
さり気なく私がパパに抱きしめられても離さなかった手を、パパはバシッと叩いて無理矢理はがした。
「あの…お話があるんです」
「君に話す話などない」
「出て行けと言われても、俺はもう優衣を離しません」
パパが思い切り私をきつく抱きしめながら、怒りを玲にぶつける。
でも、玲は至って冷静で、頭を下げて一礼をした。
「優衣さんと、結婚前提にお付き合いさせては貰えませんか?」
「玲。お前は俺の可愛い優衣に何をしたんだ?事に寄っては絶対に認めない!」
え?ええ?玲、どうするのっ!?そうパニックしてると、玲はハッキリ言う。
「俺と優衣さんは、夫婦も同然の仲です。何も隠す気はないです。だから、今すぐじゃなくても、いずれ優衣さんとは一緒に住みたいと思ってるし、俺は真剣です。」
ええ??えっ…玲は、そんなことまで優衣に差し出してくれるの?優しくて、いつも私を大事にしてくれる。その権利を全部くれるの…?
胸がとくとく音をなして玲のことが改めて好きだなぁと思った。
「いいじゃないか」
外車の奥のドアから入って着た声は、だぁれ??
「親父!」
その軽やかな身のこなし、綺麗に整った顔立ち、サラサラな髪、ああ、玲のパパだなぁ…お父さんっ!??
「私は、優衣さんと玲は付き合ってもいいと思う。」
「何言ってるんですか?零さん!!」
「南さんこそ、嫌われますよ?貴方の一人娘さんに」
零というのは=玲パパで、南というのは=優衣パパだ。
玲パパの言うとおり、優衣は滅茶苦茶パパに不信感を抱き、肩に思い切りかぶりつく。
「痛い!!優衣、何て事を!!」
「知らない!!パパのばかぁっ!!私は何て言われても!」
どんとパパを突き飛ばし、玲に思い切りしがみついた。
「玲が好きだから!!零さんとパパが反対しても!!一緒に住みたい、一生一緒に居たい!!玲を苛めるのは許さないんだからっ!!!」
キッとパパを睨んで、玲の腕をぎゅうっとしがみつくと、玲は嬉しそうに、ニコッと笑ってくれた。
その穏やかな雰囲気に、零さんは、微笑むと、パパの肩をぽんと叩いた。
「そうだね…南さん、3ヶ月一緒に住んでダメだったら別れると言うのはどうだい?」
「な、ななな、零さん!?」
戸惑いを隠せないパパに比べて、零さんは、結構アッサリしていた。もっと反対されるかとも思っていたのだけども…零さんは、パパと違って大人なんだなぁと妙に玲のパパだと言う事を実感してしまう。
「分かりました。ありがとう、親父、恩に着る」
「仕事も頑張りなさい」
ぺこり頭を下げると、優衣と玲は微笑みあう。
その様子を見たパパが「しょうがないなぁ、3ヶ月は様子見だ」
と折れた。
こうして、私たちは3ヶ月同棲することになった。
3章目では2人が同棲します(^^)




