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YUI~優衣~  作者: 丹
3角関係
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新妻(?)登場

誰が登場するのかもうお分かりでしょう?お約束ですが見て見て下さいね。

彼女は新妻のように白いフリルのエプロンで…。


ちょっと待て、俺の思考おかしいだろ?


何で優衣を新妻なんかに例えた?



「おかえ、りっ!!食べる?食べる??」

ときゃぴきゃぴ騒ぐので、開いた口がふさがらない。


何だこの女…って言うか、鍵どこから手に入れた!?


俺はドアをがちゃっと閉めて、彼女はきょとんとしている。

別に手を出そうと思った訳じゃない。こうなったら、何としてもでて行かせなければ。

蜜柑がこの事を知ったら…。


俺は浮気してないのに、浮気のような罪悪感を覚えた。


まだ近所にいる蜜柑にこの家から出て行くところを見られたら、俺、どうしたらいい…?



「ん?叶、どした、の?」と聴く彼女に、似合ってる白いエプロンが下に着てるキャミワンピで、より胸が強調されていた。

ワンピースから覗く白い足。見た目だけは好みなのに、中身のあほらしさに呆れてしまう。



「飯、食わせてよ」


とりあえず、何か色々途方に暮れてしまったので、ご飯を食べることにした。


それだけ言うと、優衣は子供のようなはしゃぎっぷりでご飯を手慣れた様子でつぎ始めた。


エビの身ぷりぷりのシュウマイと、銀杏入りの茶碗蒸し、ニンニクの芽と牛肉の炒め物。青椒肉絲。麻婆豆腐に木耳のスープ。


あまりの出来の良さに「あ?デリバリーだろ?」と言うと、


「デリバリーってな…」

「ああもういい。」


やっぱりデリバリーの意味を分かってないのは目に見えていた…。



「今、お前の母親に電話するから、電話番号教えろ」


また「知らない」と帰ってきそうな気がしたが、今は夜9時、ハッキリ言ってその気のない女を送ってくのがめんどい。

それに何かあったら、しっぺ返しは俺に返ってくるだろうし…。



「ママはいない。」


寂しげに笑ったのは一瞬だけ、いつものアホ面に戻って、


「パパはいるよ。」


と笑顔でしゃべり出したので、話を聞いてみることにした。



「ママはね、狼。私は赤に近い髪がオレンジでしょ?海外で、パパはママと恋に落ちたの」

「ふーん?」


意外と苦労人なのか…と思うが、ふと疑問を持つ。


「え?お前の母親、マジで狼なの??」

「う、ん。海外と言っても森の奥…だったから、ママは人間だけど、小さな時に狼に攫われて…そんな時、パパと会ったの」



そうか、そう言うことか…と何となく理解したが、舌っ足らずでは話さない。

この話はきっと何度か人に聴かれた事なんだろうと勝手に思った。


ちなみに、父親について聴いてみれば、何と大財閥のおぼっちゃんだったらしい。

今、俺、この状況、父親に殺されるんじゃ…と思って、ぞーっと背筋が氷ったのは言うまでもない。


「パパが、ね、これはもう運命だって、留学中だったお父さんはそのまま結婚して私が産まれたの。」


多分、こいつは、どういう仕組みで女と男が結ばれるか全く分かってない。

「だから、叶のことを話した、ら、一緒に楽しく住めって、ここの鍵をっ、くれたの」


「は?」


まさか親ぐるみで俺とくっつけようとしてる?

そう思い、親に国際電話をかけて確かめた。


そうすると「ああ、叶にはぴったりでしょう?良いお嬢さんじゃないか…好きにしていいと許可は得てるよ。

ハッハッ、お前も大物だなぁ、あの大財閥のお嬢さんの目に止まったんだからなぁ。」


アメリカンなノリで明るく鍵を渡したと説明を受けると、現在の状況にがくっとする。

「好きにしていい」と言うのが、父親独特な…上司にセクハラを受けたOLな気分だ。なったことないから知らんけどな。


更に後ろにいた母親さえも「叶?私は貴方が早いことパパになることを反対しないから!」ともう子供前提で話が進んでる。

何の悪意があって俺をここまではめたのか知りたい(切実)



「いい子なのは認める…けど」


その一言に自分でも驚いた。認めてしまったよ…。後ろで俺の携帯の電源を切って渡したら、携帯で遊んでる様は子供のよう。

こいつ、「女」じゃなく、「幼女」じゃないか。今流行のロリコン…?

中身がまんま少女。ちなみに聞こえてなかったらしく、邪気のないオーラでにっこり微笑まれてしまった。



「じゃあ、そーいうことで☆」とガチャッと電話が切れた。


最後に☆マークが後ろに着いてるような明るい声で言われた。


よくよく見れば、こいつの好きそうなぬいぐるみや雑貨が段々運び込まれてるのに気付くのに遅すぎた。

あいつ、宅配便の男の前であの恰好はまずいだろと慌てて玄関に出て、近くにあったコートで優衣を包んでやる。

そうすると、笑顔で笑うものだから、少し可愛く見えてきた…気がしたが、


「今日は一緒にお風呂に入って、一緒に寝よ…っね」


―何だって??



こいつ、今なんて言った?


俺、どうしたらいいんだよ。

これから毎日、新妻のような幼子のような少女と毎日暮らすことになるなんて…。

こういうの小説でよくあるシチュエーションだけど、悪いけど、本命居る身で燃えない…。


「大好き!」と抱きついたとき、胸の柔らかさが身に染みた。


俺の明日、どうなる。

次は優衣と叶がお風呂に入ります(予告)

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