新たな刺客(??)
優衣のファースト××を奪って行きます。クス♪(をい)
優衣はこの顔を知っている。
懐かしい声、懐かしい瞳、懐かしさと違うしなやかな顔つき。
長身で緑の髪が綺麗。そっと触れたくなる。手を伸ばすと、
「優衣?」と変わらない声が私を癒してくれた。
彼は私の家の専属の庭師で、昔からうちの家で働いてくれていた庭師の2代目。庭を刈る姿は最近見たが、格好良く、今居るメイドさんがみんなずっきゅんvと恋に落ちて居るぐらい。
でも、優衣はちっとも恋に何て落ちるわけ無かった。
それより、叶から届いた手紙をパパからこっそり受け取って、小さく破かないようにちまちま破いてく楽しさ。
ダメだな、叶が格好良すぎて何とも思えない優衣はダメな子。
ネガティブモードに入って落ち込んでる私は、厭な意味での「大人」になってしまった。失恋して落ち込んでるクラスメイト。クラスメイトは幸せそうにドンドン結婚していくし、慰めても慰めなくとも、自分の運命の人を信じて飛び越えられる勇気さが優衣にはなかったの。
未来が開けたような気がしていた転校。
転校先は女子校で、私立のお嬢様学校。
優衣は馴染むことには簡単には慣れたけど、恋することが出来なかった。
叶、叶、叶。
そればっかり言ってるってからかわれた。
段々言わなくなるにつれて、友人が合コンを開いてくれた。
しかし、優衣はいっぱい言い寄る男の子達が、優衣の事を観てくれているか自信が無かった。
顔が可愛い。
スタイルがいい。
性格がいい。
そう言われても、私の好きな人は結婚してしまったのだ。
思い切り失恋だし、初恋で一気に結婚してしまうと、次に行けないと初めて知った。初恋は実らない。
そうどの恋愛小説を読み解いてみても、純愛貫いて好きになれて、相手も好きになってくれる可能性ってどのくらいなんだろう。
大抵の子が、段々キス以上に行く可能性の方が高い付き合いをしているのに。
私はどうなんだろう。
「優衣?」
ハッとする。叶の声。甘い声。
叶は写真撮影のためカメラを持って私を捜している。
私は戻らなくちゃ。
「戻るなよ」
ぐいっと腕を強引に引き寄せられたかと思えば、首筋にキスされた。
「いたっ!」
赤い初めての印に、クラクラする。
この人は艶っぽい。綺麗。目に引き込まれそう。
「何するんですか!!」
そう怒ると、女の子は大抵コロッといくであろう可愛い整った顔で、
「俺は、君を落とすよ」
そう言われて、ときめくどころか、サァッと顔の血の気が引く。
狙われてしまった。
それだけが言いたいと言いたかったのか、彼はやれやれと言う顔をして、綺麗な白いハンカチを唖然とする私の手のひらに乗せて去る。
何なの??何があったの???
玲君、キャラ設定が大分変わりました。もっと強引で優衣大好き路線な子がいつの間にやら大人キャラになってました(@@)時は恐ろしい。




