貴方には敵わない。
YUI~優衣~のその後です。アクセス沢山ありがとうございますv第2章といった感じです。+少し加筆しました。
好きだよ、叶。
だぁいすき、好き。愛してる。
なのに、何で他の人と結婚しちゃうの?
私、あれで本当は納得出来ないよ。
そう思って、招待状を受付で出して名前を書く。
引き出物を受け取って、結婚式に参列するべく、椅子に座る。
綺麗な本当に綺麗な広い教会。
叶に振られて数年。
私はいい人と会うこともなく、この日が着てしまったの。
執行猶予の犯罪者ってこんな気持ちなのかもね。
蜜柑は美人。純白の白いドレスを拝める前に、沢山の人がお喋りしてる。
優衣、ここ嫌。早く帰りたい。
自分の気持ちに区切りがつかないから、着たけれど、この人達は心から叶と蜜柑の結婚を待って居る。
それが重苦しくて、私は待つ間渡されたホットの珈琲を一気に飲み干す。
「あつっ」
当たり前である。その珈琲が冷めていたら5杯は飲んでいたかもね。
お腹を下して帰れればいいのに、気付いたらまだ寒いからか温かい飲み物ばかり。
この2人の結婚は祝福すべき物で、邪魔なんか入らないとか言いたいのかな?
何となく、蜜柑の性格にそれは表れてる気がする。
優衣はいい加減叶を諦めなくちゃ行けない。
叶が先に蜜柑を待って居る。
白いタキシードに髪をビシッと決めて、格好いい。
叶、格好いいよ。格好良すぎて、惚れ直しちゃうよ。
気付けばみんなチャペルの方に移動していて、みんな座っていて、キィと言うドアの音で蜜柑が入ってくる。
紫の長いストレート髪な美女は、より純白のマーメイドレスで包まれてスタイルが余計綺麗に見えた。今日はいいお天気。光のシャワーが逆行で純白さを華麗に演出。
ものすごい綺麗。可愛い。こんな綺麗な人見たことない…。目が眩む。心も光に霞んで消えてしまいそう。ベールにつけられたパールが眩しい。
蜜柑が父親の腕を組みながら段々近づく。ドクンと胸が高鳴った。
蜜柑はこちらを振り向きニコッと笑った。
蜜柑の女友達がみんな「憧れちゃう~」と写メールを撮り始めた。
そりゃそうだよね、こんな綺麗な花嫁さん。私も憧れていたよ。
ドクン。小骨が胸に突き刺さる。
賛美歌を歌いながら、ジワジワ私の胸が焦燥感で厭な気持ちになるの。
この後、
この後、キス…。
そう思ったときにはもう賛美歌は終わっていて、目の前の2人は指輪の交換をしていた。
厭。厭。いやっ!!!
そう思うと、2人の唇が触れ合う。
私は密かに零れた涙を、みんなと一緒の「感動の涙」と言って誤魔化した。
最低の結婚式。
最低な花嫁。
最低なのは私だよ。
優衣が心から祝福しないのに出ても、他のみんなは祝福してるんだから、大人ならば応援すべきだ。
でも、優衣はね、優衣はね、こんなにも叶が好きだから辛いの。
不器用で口が悪くて、照れちゃう可愛い所も、ぶっきらぼうな態度も、人を見透かして馬鹿にするところも。
優衣には…優衣にはもう無理なんだね…。叶を手に入れるのは、一般庶民が王子様に恋するぐらい無理なんだね。
優衣はそう思うと幸せそうにお姫様だっこされている蜜柑を憎く思う。
嫉妬って言うのかな。こんな単語の言葉大嫌い。
私はいつも通り「お馬鹿」で明るくいれば誰もが私に安心するんだから。
私の生きてきた人生で、そうやってくぐり抜けてきたよ。
パパは私のそういうところを見抜いて、「優衣は優衣で居ればいいよ」と教えてくれた。
-思考の私なんてらしくない。
「優衣、分からないもん…」
会場から出て、ぐすっと涙を拭こうとパーティバッグを探す。
ない、ない、ない!!後でハンカチ入れようと思って忘れた??
こんなメイクぐちゃぐちゃな顔で帰りたくないよぅ。
「優衣?」
ビクッとした。その呼び方は叶の呼び方じゃないかな?と、おそるおそる振り返ると懐かしい顔の少年が立っていた。
「優衣だろ?」
「玲…」
玲君…上手く書けるといいなぁ~。付いてきてくれるか心配ですが頑張ります。




