蜜柑の憂い
蜜柑目線で。優衣とはどうなったの??と思われるでしょうが、それはまた今度書きますね!!
あれから、数ヶ月。
叶は約束を守ってくれたようで…。
きちんとお互いの親に挨拶を済ましたし、何より私の前で「俺」と素直に表現してくれるようになった。
チリチリとしたものを香川さんに感じつつあったが、香川さんは叶の家から出て行ってくれた。
脳裏に焼き付くようなあの順位表。そして、二人のデート。
私は香川さんと何があったか聞けずじまいだ。聞いたらお終いな気もするし、敢えて聞かなかった。
ただ私は思ったより大人の女なんかじゃなく、こういった彼の男らしさに守られたい気持ちになった。
浮気をしようがしてまいが、あまり私にとっては変わらないような気持ちになった。
私は、彼が好きだし、彼も応えてくれている。
何を不信に感じることがあるのだろう。
人生で一番の幸せは今なような気がする。
彼の一番は私よ。と自信を持って言える。
彼はどうかしら??香川さんが転校して以来、やけに明るい。
そんな不安な顔をしていたのか、横にいた叶がぎゅっと手を握りかえしてくれた。
きゅっと包む大きな手に、私は安堵する。
やっぱり考え過ぎよ。
香川さんと…なんかあったなんて。
でも、疑ってしまう。
私といて、2人の時には必ず「僕」と格好付けていた彼を何が変えさせたんだろうって…。
私たちは叶の18歳の誕生日を待って、結婚する。
ドレスは母が選び、父は嫁に行かないでくれと泣いた。
彼は綺麗だね、蜜柑は素敵だねとほめてくれる。
なんだか私の中の女が、叶には何かあったのではないかという不安だけはぬぐうことが出来ずにいた。
でも、あんな女、叶から去ったんだし、私の「アドバイス」を根に持って、一生後悔すればいいわ。
私は絶対に渡さないと誓ったのだから。
「俺…蜜柑の指輪、受け取ってばっかりだったから…
今度は俺がプレゼントしたい。明日、休みだよな??」
そんな言葉を言われたら、女としての幸福度は上がるばかり。私ってこんなに単純だったのね。
だから、彼の家でうっかり隠してた物を見つけて唖然とした…。
彼の部屋を掃除してるときだった。
蜜柑、何を見つけたのでしょうか??お話はまだ続きますよ~。




