最後の思い出が欲しい。
優衣のとった行動とは?かなりお待たせして申し訳ないです。優衣目線です。
叶にキスされた。
熱を帯びた唇が私に触れて…
初めての感覚に戸惑う。
でも、好きな人とのキスはこんなに嬉しいんだね。
-これが最後だとしても…。
噂で聞いた、蜜柑と叶が結婚間近だと言う事。
本人から聴かなくても、噂を耳にした瞬間、泣きそうになった。
大好きな人が、他の女と結婚なんて嫌だよ。
嫌だ嫌だ嫌だよ。
あの広い部屋に、蜜柑が住むんだよね?私は恐らく蜜柑に負けてしまう。
叶が私を庇った事なんて一度もなかった…。
多分、新婚な二人を観て暮らせるほど、大人じゃないの。
私は幼稚で、焼きもちばかり妬いてしまうから。
だから、彼との夢のような生活が、崩れていくのが怖い。
思い出が欲しいと昨日パパに電話した。
すると、パパは一言言った。
「ママとパパはね、結ばれたから結婚してお前が生まれたんだよ。
その意味を知る日が来たんじゃないの?」
何のことか全く分からなかったけど、
起きて動揺してる叶を観て、やっぱり蜜柑と重ねてたんだと気づき、
「わわ、わりぃ…」とだけ謝って離れて、私たちはプラネタリウムを出た。
叶は「休める場所」と言った。噂で聞いたマックか、はたまたレストランか想像は全くつかない。
ただ単に、叶を独り占めできる場所に行きたいと思った。
ぎこちないまま、どっちも喋らない。
恐らく最後のデート。最初で最後の。
私はもう蜜柑に完璧に勝てなくなる。
それなら…と決意を固めた。
「叶、あの…」
「何だよ」
ぶっきらぼうに叶が言うと、私は最初で最後のお願いをした。
「今日だけは…一日中、叶の物にして。」
そう言って、指さした先には綺麗な証明が光る宿泊施設があった。
驚き、叶が「はぁ??」と言ったとき、私は思わず手を握って走り出した。
叶の休める場所が合ってるかは分からなかったけど、最後のチャンスを僅かに希望で照らしたいの。
優衣が暴走するのか?叶が誘惑に負けるのか…??
次回かなり話が進むかも??




