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YUI~優衣~  作者: 丹
3角関係
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口づけ

優衣と叶のデート編です!蜜柑の出番が少ないのですが…タイトルに優衣ってあるぐらいだしね(^^;)

着てしまった。とうとうこの日が。


今日は優衣との初デート。

優衣はあの後、蜜柑を慰めるどころか、浮かれてそのまま飛び跳ねて消えた。

多分、優衣は馬鹿なので、メールなんて打てやしないだろうとたかをくくっていたら、

メールの機能を覚えて居たらしく、一応同居人なのでメルアドは交換していた。


蜜柑は俺から見ても、明らかには分からなかったが、優衣に嫌がらせしていたのは何となく分かっていた。

でも、俺は最低なヤツかも知れない。


蜜柑が独占欲を見せるうちにそれはそれで可愛い、

焼きもちを妬いてると思うと、優衣には悪いが、何か優越感があった。

俺は俺で優衣の味方を一度もしたことがない。


この間の朝なんかは…。


「昨日は香川さん、ごめんなさいね、彼、うちに泊まったのよ。朝まで寝られなかったわ」

とにっこり大人の微笑みで躱す蜜柑に、


「ん??何が??」ととぼけた。


多分、優衣意味分かってねーな。


優衣は優衣で「昨日は、叶の作ったご飯美味しかった!!ありがとうっ」

と無邪気な笑みで、2人は対極な魅力があるんだなぁと思った。


バチバチっと飛ぶ火花に、おいおいおい…と思いつつ、暫くして不安そうな蜜柑を見て思わず手を繋いで、通っていた。

と言うか、ご飯ってカップラーメンだぞ、おい。


優衣に負けた蜜柑は大泣きしてしまい、「香川さんなんて嫌い!!」と滅茶苦茶怒っていた。

どれほど俺が慰めるのが大変だったか…優衣は天然小悪魔かもしれないなぁと苦笑…。


そして、彼女はデートを許すのに条件をつけてきた。


「香川さんに…って言う事」


-それは分かっているさ。

俺自身それはきちんと男として言わねばならないと思っている。

優衣ももう俺に二度と近寄れないよう、今夜両親に電話して報告したいと思っている。


蜜柑と俺は…。


「お待たせ!!」

弾んだ声から予想できた優衣の洋服は、こってこての少女漫画みたいなリズリサの洋服だった。

フリルの着いた透けた服、これはほおっておいたら男がナンパしかねないほどの可愛さだった。

優衣には悪いが、俺は蜜柑のセクシーな下着を見ているので、別に普通の反応しかできない。

と言うか、これ以上期待させてはいけない。


「…ぉお、今日は俺はデートプランなんて考えてねーから、お前と適当に遊ぶだけだぞ?」

照れたのが声に出てしまった。


「うんっ!!でも、それでも嬉しいから!!」

と笑顔になって、純粋無垢な目で見てくる。

優衣は…男から見ても可愛い。正直蜜柑と比べてはないけど、また優衣は優衣で可愛げがあるのだ。

最初と印象が違いすぎて、蜜柑への罪悪感が生まれた。


「!」とびくっと反応してしまった。優衣が手を握って「えへへ」と笑いかけてくる。



「…」と思い、手を逃れようと逃げるとまた掴まれた。


てか、ていうか、男の俺より力あるんですけど…。


おいおい、この馬鹿力、どっから出てるんだよ。

ほそっこい首に、けして子供っぽくはない体つき、そしてルックス。


「いてぇ、痛いから!今日は、逃げないから!!てきとーに好きなところ行けばいいだろ」

「えへへ」


そう言うと、ようやく手の力が抜けた。

力ありすぎだろう、この大馬鹿、逃げないのが分かるとにっこり笑った。


とりあえず、俺たちはプラネタリウムで2人で星座を見る事にした。


「混んでるな…」と家族、夫婦、カップルの勢揃いのメンツのプラネタリウムに入ってく。

すると。優衣は「プラネタリウムなんて入るの久々だよ~」と嬉しそうに言った。


「ん?そうなのか??馬鹿で狼女でもこんなところ来るんだな…」と一瞬動揺したら、

「お父さんとね、よくカップルと間違われたかなぁ?お仕事が忙しくて中々来られないんだけど…」

と言って、寂しそうな横顔を見せてくる。そういえばこいつ、お嬢様だった。

全然らしくないギャップが少し可愛いと思えてしまったのは気のせいだろうか?


ああ、いかん、肝心のプラネタリウムなのに、寝そう…。


---やばい、完全寝ていた。

昨日蜜柑が俺を離さなかったのもある。

珍しく俺たちは行為に溺れることもなく、2人で蜜柑の寝室で抱き合って寝たのだ。

でも、蜜柑は寝ながら本気で泣いて居たので、こんな側に居たのに俺は何にも分かってなかったんだ。


優衣の存在が蜜柑を傷つけていることに。


俺は馬鹿だから、本当は優衣の気持ちも悪い気はしなかった。

それに甘えて、蜜柑を傷つけてるなら尚更。


俺たちは一緒に住むなんてすべきじゃなかったし、デートなんて約束すべきじゃなかった。


それは俺の甘えで。



何だか寝ぼけて蜜柑が側に居たような気がして、ぎゅっと抱き寄せてしまう。


蜜柑が笑って微笑んでくれた気がして、ちゅっといつもより軽いキスまでしてしまう。


夢だよな、これ、いつもより優しく笑ってくれてる気がする。

ていうか、その笑顔を守りたいと思った。


彼女ならそう思うのは当然で、俺はいないはずの蜜柑に何度も口づけしたんだ。



温かな夢、初めての「居場所」。

だから、聞こえてきた声に驚いた。


「かの…う??」


はっと気付く。蜜柑じゃなく、優衣に…


キスして抱きしめて居た事に…。


「優衣、話がある…」


「ちょっと2人で休めるところに行かないか??」

これ、HPに載せていたときに「叶~!!!!(><)」とツッコミの声多かったです(笑)私もそう思う。

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