セールスポイント
――男は興奮すれば女が世間的に美女かなんて
気にしない生き物なのだ。私はそれを知った。
『セールスポイント』
アキちゃんとは違い、私は客を掴む気もしないまま
仕事をしていた。
半月で8万程度金が入ってくる。
今までマジメに仕事してこなかった私からしたら
かなりの大金だった。
のこり半月もこの程度もらえるなら満足だった。
ミミさんに呼び出された。
「ミドリちゃん、もうちょっとガンバル気はない?」
「がんばってるんですけど、私は容姿がよくないので、
がんばってもこの程度なんです」
プライドの高い女しかいない夜の世界でここまで
遜る女は私ぐらいだろう。
楽に金さえ手に入ればなんでもいいのだ。
無駄に男にメールや電話などしたくない。
営業なんて嘘でもしたくない。
「そうかな?
私はアキちゃんよりミドリちゃんの方が
向いてると思うの、あの子短気だし」
ミミさんにとってみれば気の強いヤリマンより
自分の客に手を出さない私の方が扱いやすいらしく
よく褒められた。
自分の売り上げが一番なのだろう。
そんな日、私にも指名客ができた。
かなりの太い客だった。
その客は「夜っぽくないところがいい。
純粋そう、可愛い」
いつも褒められ慣れていない私は驚いた。
クラブみらいに来るなんて相当物好きなうえに
私を指名するなんてなんて変わった男だろうと思った。
それでアキちゃんとの関係が少し険悪になったことに
女のプライドは恐ろしいと再確認した。
その月の売り上げ表はアキちゃんと私の差がほとんどなかった。
私の客は太いため、一か月に一人で6万から7万使っていった。
褒められたも私は運が良かったっと強調した。
それがこのクラブみらいでうまくやっていく方法だと
分かっていたからだ。




