目覚めし力
~宮殿~
「対象者を連れて来たよ」
リストランが言った。
「お疲れ様!!」
小学5年生くらいの女の子2人が口を揃えて言った。
「紹介しよう。
こっちはアーチ
こっちはチェリー」
「よろしくー!」
また口を揃えて言ってきた。
「よ、よろしく。
王様には挨拶しなくて良いのか?」
「王様?
ああ、パパのことか
パパなら、、、連れ去られたよ
そのことも含めて話をしよう」
そうして4人は談話室へ着いた。
「まず、君についての詳しい話をしよう。
君には最高ランクの素質があると言ったね。
でも、才能は開花しないと意味がない。
だから、まず魔法使いになるための条件を満たしてもらう。
そうしたら君も両方の世界を行き来できる。
もちろん、それは君の義務ではない。
時間はまだあるんだ。
しっかり考えた上で結論をだして欲しい。」
「時間がある、ねぇ
あ!!忘れてた!!
学校行く時間が!!」
「安心してよ。
君がこの世界にいる間は向こうの世界では時間が流れないようにセットしてある。」
「そうか、安心した。
でもどうして俺が魔法使いにならなくちゃいけないんだ?
この世界の崩壊だっけ?
そんなの俺が何とか出きるのか?」
「何とか出来なければ君をわざわざここまで連れてこないよ。
何度も言うが君には素質があるんだ
あ、忘れてた。この世界が崩壊したら両世界のバランスが崩れてそっちの世界も崩壊するからね。」
「、、、」
尚輝は思いっきり息を吸い込んだ。
大声を出すために。
「忘れてたじゃねー!!!
なんでそんな大切な事忘れてんだ!!!
それじゃ断るにも断れねーじゃねーか!!」
アーチとチェリーは何故か大爆笑していた。
「悪い悪い
でも、断れないということは協力してくれると思っても良いね?」
「、、、分かったよ。
具体的に魔法使いになるための条件って何なんだ?」
「とても簡単な事だよ」
少し溜めてリストランは言う。
「この世界の住人になれば魔法は使えるようになるんだ」
「住人ってのは、俺達の世界と掛け持ちできるのか?」
「ああ、出来るよ。」
「じゃあ、俺はこの世界の住人になる!!」
その瞬間、尚輝は体の中にすさまじいエネルギーが入ってくるのを感じた。
「この世界が君を受け入れたようだ。
それにしても凄い力だ。
その分制御には時間がかかるだろうが崩壊までには確実に間に合うよ。」
「制御ってのは何をすれ、、、」
尚輝は突然意識が遠退いていくのを感じた。
「あれだけ凄い力を覚醒さしたんだ。
そりゃあ、疲れるよな。
続きは起きてから話すとするか。」
こうして尚輝は魔法使いになったのだった。
~???~
「フフフ
あれほどの力を覚醒させるとは面白い
まぁ、でも私には到底敵わんだろうがな」
薄く薄くそれは、笑う。
暗い笑みを浮かべ。
はいっ
ということで尚輝がついに魔法使いになりました。
小5くらいの少女の名前にも注目していただければ幸いです。
~今回の登場人物~
主人公…神崎 尚輝
黒い修道服の少女…リストラン
小5くらいの少女…アーチ、チェリー
???…???