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5話「え? 人化? その2」

 四話を大幅に改稿しました。

 五話を書いて六話目に入った時に「あ、これ続き書けねぇ」と直感的に悟ったので大急ぎで変えました。

 ですので、前投稿した五話を見た人は気をつけてください

 俺はあまり期待していないが一応聞いてみた。


「どこでもいいから国の名前知らないか?」


 黒豹は少し考えた後答えた、と思う。

 ミリーはうんうんと頷きながら聞いている。

 そして俺に向き直って話す。ちなみに『ニャ』口調は直した。


「『マスルル王国というのを聞いたことがある』だって~」


 なんで知ってんだよ。

 お前黒豹だろ?

 そう言いたかったが情報を知っていて損なことはないのでつっこまなかった。

 それにしてもマスルル王国か。

 なんか地球にもありそうな気が……いやないな。

 あったとしても‘無の森’って言うので有名になってるはずだ。

 こんな森絶対科学者とかが調べに来るよ。

 ということでここは異世界ということにする。

 うん、考えるのが面倒になったからそれで納得したわけじゃないよ?

 どうせ分からないことを考えるならポジティブに考えないとね。

 異世界、チート、ハーレム。男の夢。

 その中の異世界が達成されたわけだ。やったね勇太。

 なんて考えているとミリーに、大丈夫? と言われた。

 俺は慌てて顔を上げて手を振る。


「大丈夫大丈夫。えっと、次の質問ね。黒豹はこの無の森でどうやって過ごしているんだ?」


 また黒豹はミリーを向いて答えた、と思う。

 いや、こっちを向いてくれなくて寂しいとか全く思ってないから!

 ミリーが聞き終わると俺に向き直り通訳する。


「『この無の森は広いけどあくまで一部分だけ。だから普通の森まで走って食料はとって来てる』だって~。あ、ここは無の森の端っこらしいよ~」

 

 なるほど、なら食料の心配はいいか。

 寝床はここにすればいいし。

 てかあの村はなんでこんな森の近くにあるんだろう。あまりメリットはないだろ。 

 ってあんな村の心配なんかする必要ねぇな。あんな扱い受けたんだし。

 なんなんだよ初対面の相手向かってあの罵倒は。

 俺はあれを思いだして憤怒していた。

 そんな様子を見てミリーが笑う。


「勇太は面白いね~。真剣になったと思ったら怒ったり、急に泣いたり笑い出したり」


 ニマニマしながらミリーは言う。

 そんなに変わってたか? 俺。

 俺は先ほどまでの怒りを忘れて一緒に笑った。

 やっぱりミリーには癒されるな~。前もそうだった。俺が罵倒だけじゃなくて暴力まで振るわれたときミリーが俺の傷をペロペロと舐めてくれた。痛かったけどなんだか心が軽くなった。

 ……ん? そういえば‘前は’って言ったけど、結局俺は死んだのか?

 記憶が正しければ俺はトラックに轢かれて死んだよな。それでミリーも巻き込まれて……やっぱりここ異世界なんじゃね?

 っていつまでもこんなこと考えててもしょうがない。ここは異世界。そう思って行動しよう。

 

 さて、異世界と言ったらまずは人に会うことなんだけど……


「人にはあれだけ嫌われてるからな~……」


 いや、諦めるな俺。たまたまあの村が余所者に厳しかっただけかもしれん。よくあるじゃん、余所者を受け入れていた村がある日その余所者に裏切られたとか言う話。

 よし、決めた。俺はそのマスルル王国とやらに行く。

 俺はこのことをミリーに言うためにミリーを見る。

 急に見られたミリーは、ん? と首を斜め十五度くらいに傾けた。

 可愛い……はおいといて! 俺は説明する。


「俺はこれからそのマスルル王国に行こうと思うんだけど。どうかな?」


 ミリーは、うん、と頷いて答えた。


「私はどうでもいいよ~。勇太についていくだけだもん」


 そう言って俺に抱きついて来る。

 座っている状態で倒れるように抱きついてきたため俺の腰に抱きつく形だ。

 そんなことを言いながら抱きつくとか……危うくガバッといっちゃう所だった。

 俺はなんとか理性を保ち、よし、と言うとミリーを撫でた。いや、さすがにこの状態でなにもしないわけにはいかないでしょ。ついでに猫耳も揉ませてもらった。なんだか気持ちよさそうにしていた。性的に。

 とにかくこれからの方針が決まった俺は立ち上がる。ミリーも一緒に立たせる。もちろん抱きつきは解かせて。ざんね……オホン。

 そして俺は黒豹にお礼を言う。


「お前ありがとな。なかなか優しいやつなんだな。本当に助かったよ。俺らはもう行くな」


 俺がそう言うと黒豹は一瞬悲しそうな顔をしたが、なにかを思いついたようにハッとすると鳴いた。


「ん?どうした?」


 俺が聞くとミリーが答えた。


「えっとね、『私も連れてって』だって」

「え?なんで?」


 いや、理由を聞く前に黒豹は一緒に行けないだろ。

 と、思ったら黒豹が立ち上がり近寄って俺の前に来る。高さが二mはあるので見下ろされる形になる。

 俺が頭に疑問符を浮かべていると、黒豹が鳴いた。

 ミリーが通訳する。


「『私はあなたを主と認めこの命尽きるまで主のために尽くし、忠誠を誓います』ってなにこれ?」


 ミリーの通訳を聞いて俺は黒豹に向き直る。

 黒豹はまっすぐとした目で俺を見ている。これは真剣な話のようだ。

 といってもいきなりそんなことを言われても困る。

 でも、助けてくれたお礼にそれくらい許してあげようかな。もっとも助けた方が助けられた方に忠誠を誓うって逆な気がするけど。


「うん、よくわからないけどいいよ。でも、そうなるとやっぱり黒豹ってのは……ぅわ!」


 俺が、いいよ、と言って数秒後、黒豹が光り輝きだした。

 俺は驚き目を腕で覆う。

 数秒後、光がおさまった頃を見計らいゆっくりと腕を降ろす。

 

「え……? また?」


 目の前には‘全裸の女性’が立っていた。

 身長およそ百八十cmと俺よりも高い。

 体型はボンッキュッボンッのモデル体型だ。服がないからめっちゃ分かる。

 そしてその子は鮮やかな黒い髪を腰あたりまで伸ばしていた。この色、さっきの黒豹と同じだな……やっぱりあれか? 

 顔は凛々しいが、どこか抜けているような感じがする。

 薄い唇、綺麗でキリッとした黒い目、。だが、どことなくポーっとしている気がする。

 年は俺と同じだろうか。とても美人さんだった。 

 そして特徴としてやはり獣耳と尻尾がついていた。

 耳は豹のようにまん丸で黒い耳、尻尾は猫と同じ感じのものでこちらも真っ黒だった。

 俺が見惚れているとその子はその小さな口を開いた。


「……ありがと。これで私もついていける」


 鈴の音色のように美しい声が鼓膜に響く。

 うん、これはあれだ。深く考えちゃダメなやつだ。

 俺は考えるのを放棄して女性を受け入れる。

 あ、服……

 じっくり観察しておいて今頃服を着せることを思いついた。

 俺は上着を脱ぎ、女性に着させる。下は俺も一枚しかないから上手いこと隠してくれ。


「おう、これからよろしく。え~っと、名前は?」

「……名前ない」

「そうか、元黒豹だったもんな。俺が名前つけていいか?」


 そう言うと女性は黒い豹耳(ひょうみみ)? をピクッと反応させてせわしなく動かす。どことなく嬉しそうだ。

 女性はコクリと頷くと俺を期待のこもった目で見つめてくる。

 俺は少し思案する。

 そして考え付いた名前を告げる。


「ヒア、ってのはどうだ?」

「……ヒア、ヒア、うんいい名前」


 気に入ってくれたようでよかった。

 俺は改めてあいさつをする。


「改めて、これからよろしくなヒア」

「……うん、よろしくユウタ」


 そう言って右手を出すと女性は頭にクエスチョンマークを浮かべた。

 俺が、俺の手を握って、というと俺と同じように右手で俺の右手を握った。

 女性特有の手の柔らかさを感じる。


「……よろしく」


 少し頬を染めて女性は言う。

 俺らと一緒に行けることがそんなに嬉しかったのか。

 俺は手を離し、洞窟の出入り口を向く。


「そんじゃ、マスルル王国目指して旅といきますか」


 そう言う俺の声にミリーは、おー、と元気良く右手を上げて返事をし、ヒアは、……うん、とコクリと頷き短く返事をした。





 今回は本当に申し訳ありませんでした。

 ガッ! と書いてたら思いっきり詰まってしまい、思い切って大幅に変えて見ました。

 そしたら俺的にいい感じになったのでOKだと思います。

 これからは出来る限り(ていうか二度と)そういうのは止めて行きますので。

 これからもよろしくお願いします。


 最後に感想・アドバイスお待ちしておりますm(_ _)m

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