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26話「平和」

 お久しぶりです。りょうやんです。

 本当に遅くなって申し訳ない。今回はキャラを思い出せるようにしたつもりです。

 どうぞ。


~~あらすじ~~


 猫を庇って死んだ勇太。

 気付いたら猫耳美女と一緒に異世界に?!

 なんやかんやで黒豹のヒアを仲間にする。

 王国言ったら嫌われた。ついでに子猫を助けた。ほら、商人殺したやつ。

 しょうがなく森に家を建てることにした勇太は大工を求めてドワーフの国へ。

 結構好意的で嬉しかった模様。

 そこで天真爛漫な元気っ子ラルルに出会う。

 なんやかんやで実力者らしいので作ってもらうことに。

 森でいろいろバタバタしているうちに国がウォーミングアップをはじめたらしい。←今ここ

「あはははは~」


 あれから五日。

 未だに俺は脳内お花畑から脱出できていない。

 いやだってあれだよ! 大小様々なもふりがいのある動物が百を越えたんだよ?! これは朝昼晩かけてもふり続けるしかないでしょ!

 そんな感じで若干、いや大部分を現実逃避の時間に費やし、とうとう全てをもふり終えた時には俺も少し正気を取り戻していた。


「魔王様ぁ。もっと私を撫でてくださいぃ」

「おう! ほれ、うりうり~!」

「きゅ~ん……」

「ちょっと!貴方だけずるいわよ!」

「もう、しょうがないなぁ。ほれほれ〜」

「ゴロゴロ〜」


 とはいえ、この五日で撫でられることの悦び(・・)を知ってしまったサキュバスことリリスと大精霊ことマリアは常に俺のそばにいて隙あらばこのように俺にナデナデを懇願する。可愛いからいいけどね!

 ちなみにリリスは中型犬ほどの大きさの犬っぽい魔物で、可愛い見た目に反して大分強いらしい。マリアは鳴き声で分かるように猫だ。どちらもヒアとミリーとキャラが被り気味だが、まあ大丈夫だろう。俺がしっかりさばけば。


「お兄ちゃんこれからどうするのです?」

「おう、そうだなぁ……目的なんかないし、強いていえばここで平和に暮らすことなんだがなぁ」


 二匹の犬猫に挟まれている俺の元に来たのはピンク色の髪を肩の線でバッサリ切ったドワーフのラルル。言わずと知れた元気っ子で尚且つ妹萌えの子だ。小さい体に反してものすごく力が強いんだよ。俺の腰のHPがなくなるくらいだったからな……物理的に。

 俺がそう答えると、そうですか〜、と言ってあぐらをかく俺の中にすっぽりと収まった。足を投げ出し全体重を俺に預ける姿はなんとも保護欲を刺激される。


「にへへ〜」


 思わずラルルのサラサラとした髪を撫でると顔だけ振り返り、俺を見上げて笑いかけた。ぬおう!この破壊力、俺のマイサンが暴発…………自重。そしてこの子にそんな感情を抱くな馬鹿野郎。

 ちょっと真面目に自分を叱りつけた俺はラルルの頭をこれ以上ないくらいに優しく撫でた。


 しばらく犬猫とラルルを撫でて穏やかな日差しの中森の中の切り株でのんびりとしていると、


「あ!みんなずるい!ミリーも〜!」

「げふっ!おいおい、もうちょい優しくな」


 食料を調達しに行っていたミリーがその長いブラウン色の髪を振り乱し、そう叫びながら俺の背後から激突してきた。思わず呻き声が漏れたけど仕方ないよね?

 同じく食料調達に出掛けていたヒアは獣化した状態でしばらくこちらを不機嫌そうな雰囲気で眺めていた後、人化してこちらへ歩いてくる。

 ヒアはいつも通りの無表情を少しだけ不機嫌そうに歪め、具体的に言うとアヒル口のようにして、着ている俺のTシャツを揺らしながらポツリと漏らした。


「……ずるい。……ヒアは働いてたのに」

「ご、ごめんって。ほらこっち来いよ、一緒に日向ぼっこしようぜ」

「……うん」


 まだ機嫌がなおりそうにないヒアを呼んでお疲れの意味も込めて優しく頭を撫でる。後頭部からうなじにかけて何度も。ヒアはこれが大好きなんだよな〜。

 いつの間にハーレム主人公のような状態になったんだ、と自分でも思いながら、しかし無表情をわずかに崩し微笑むヒアを見ていたらそんなことどうでもよくなってくる。

 俺の膝の上にはすっぽり収まるようにラルルが。背中に抱きつくようにしているのはミリー。左側で俺に寄り添うのは漆黒の長髪に大和撫子のような美人のヒア。右側には俺の隣を確保するため犬猫がけん制しあっている。

 うららかな空の下、俺はまさに幸せを噛み締めていた。







 それから二日。

 それは唐突に訪れた。


 いつものように老後のジジイのような生活を送っていた俺の元に一体のウサギが駆けつけた。ちなみにこのウサギは精霊の方だな。

 精霊はそばにいたマリアに何事か伝え終えると森の中へと消えて行った。


「どうかしたか? マリア」


 どことなく不安気な表情をしだしたマリアに俺はそう聞いた。

 マリアは気難しい顔をしながら(猫なのに器用なやつだ)答えた。


「どうやら人間の軍隊がこちらへ向かって来ているようです。ドワーフの王国にも使者が行っており、軍を編成しているとか。ユウタ様が命令をくれれば今すぐにでも殲滅してふみゃあ〜……」

「長いし堅いわ! ようするにこの森に敵が攻めてこようとしてるんだろ? それが人間ってことで」


 マリアは撫でられて目を細めながらコクっと頷いた。

 それにしても、何しに来たんだろうな〜。とりあえず敵って言っといたけど、違うだろうなぁ。別に攻められるいわれはないし。

 …………うん、ない、はず。俺嫌われてるけど流石にそれで軍が動くなんて…………ねぇ?

 なんだか絶対といえないことに不安を感じながら俺はウサギのきた方を眺めていた。





「うわぁ……マジかよ……」


 俺は新たな情報を今度はリリスから受け取り、思わずそう呟いた。


「ユウタ様ぁ。どうしますかぁ?」


 甘ったるい媚びるような声色で話しかけてくるリリスは俺に頭を撫でられ、クゥーン、と鳴いている。やばい、可愛い。

 俺がそう思ってデヘデヘしていると、なにやら後ろから殺気が……


「ねぇ、ユウタ? 最近私たちの扱い酷くない?」


 は、般若が……般若がいる!

 俺は首を傾け、ユラユラとこちらへ歩み寄るミリーの背後に般若を見た。

 俺は焦って叫ぶ。死にたくない。


「待て! 違うんだ! これには深い事情があってだな?!」

「へぇ、一日中動きもせず獣を撫で続けることにどんな事情があるのかなぁ? 教えてほしいな〜」

「ちょ! ミリー! お前なんかキャラ変わってね?!」


 俺の言い訳にニタリと嗤うミリー。怖い、怖すぎる。俺の知ってるお前はもっと朗らかでアホな子だったぞ!

 俺が内心恐怖していると女神が現れた。


「あれ? どうしたのです? お兄ちゃん!」

「おお! ラルル! ミリーがおかしいんだ! 助けてくれ!」


 女神というか幼女神、って感じだが助けには変わりない。

 俺はみっともなく助けを請うことにした。ん? 男の尊厳? 知るか、そんなもん女の怒りの前ではゴキブリ以下の価値しかないわ。

 ラルルは犬猫と戯れる俺と背後に般若を背負うミリーを見てどういう状況か察するとパアッと顔を綻ばせた。……綻ばせた?


「やっちゃえです、ミリーちゃん!」

「ラルルぅ! お前裏切ったなぁ!」


 俺の悲痛の叫びもツンっとそっぽを向くラルルには届かない。くっ、最近構ってなかったから怒ってるのか! そうなのか!

 他には? 他には?! と周りを見渡すとちょうど狩りから帰ってきたヒアの姿が!


「ヒア! ちょっとたすけ……」


 ヒアはこの状況を見てすぐさま理解するとなにも言わずに消えた。くそぅ! そんなにか! お前もそんなに構って欲しかったのか!

 俺は、今度からは三日に一回は構おう、と心に決めるのだった。

 半ば諦めながら残り三メートルほどまで近づいた般若、じゃなくてミリーを見ていると視界の端に動く黒い物体が!


「子猫たち!」


 そう、それは前に助けた五匹の子猫ちゃんたちだ。ちなみにこれは気障なセリフの子猫ちゃんじゃなく、普通に動物の猫の子供だ。いや、あれは猫と言っても良いのか分からぬが……

 子猫たちはニャーと鳴きながらこちらへ寄ってくる。

 まさか……まさか、俺を助けてくれるのか!?

 思えばここ最近、ていうか精霊の泉に行く前に置いてけぼりにしてからすっかり忘れてた俺だ。そんな酷いやつにあの子たちは救いの手を差し伸べてくれるというのか!

 俺は感動で目をウルウルさせながら子猫たちを待つ。

 そして子猫たちが目の前まで来たので抱っこしようと前かがみになったときだ。


「ニャ!」

「へぶっ!」


 強烈な猫パンチをくらった。

 一応爪がしまわれており肉球で殴ってくれたことが幸いか……

 助けてもらえると思ったときに落とす行為。まさに上げて落とす、だな。

 その後、猫パンチを計五発もらって頬を赤くし、ミリーに今まででは考えられないようなことをされた。

 あんなに懐いてたのになぁ……嫉妬が可愛いなんてありえない……








 キャラとか思い出せたでしょうか? 

 もう最終話まで書き終ってるので安心してください。というか後二話です。


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