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15話「定番」

 前話の最後にあったラルルの年齢を消しました。

 いやぁ、いくらドワーフでも幼女は幼女じゃないとなんか俺がゆるsゲフン。

 

「お兄ちゃん、どこに行くのですか?」

「…………なんでついて来たんだよ……」


 現在俺たちはヒアの背中に乗って大通りを闊歩している。まるでターザンだぜ! アーアアー!

 そんな中ラルルが変なことを聞いて来た。…………これでますますラルルが俺たちについて来た理由が分からなくなった。


 俺は嘆息しながらも答えた。


「ちょっと家を作って欲しいから作ってくれそうな人物を探し…………」

「それならあちしにお任せなのです!」


 俺の言葉を遮ってラルルが叫んだ。元気いっぱいなのはいいけど、場所を考えような。みんなびっくりしてこっち見てるよ。

 ラルルは両手を胸の前で握り、むふーとやる気もいっぱいのようだ。


「いや、ラルル一人で出来るのか?」

「お兄ちゃんとの愛の巣…………へ? あ、一人でも大丈夫なのです! ……(いと)しのお兄ちゃんのためなら」


 言葉の前と後に変なのが聞こえたが、気にしない。いや、その前に俺は何も聞いていない。うんそうだ。

 それにしても、この小さな体で家なんて大きなものを作れるのか? 正直かなりの不安がある。

 そんな俺の心が表情に出ていたのか隣にペタンと女の子座りをしているラルルがぷくーっとむくれていた。


「むー、お兄ちゃんはあちしを信じていないな!」


 俺と目が合うとそう言って更に頬を膨らませた。リスみたいだな。

 俺はそれを見て苦笑しながらラルルの頭をポンポンと叩いて撫でた。

 にへへ~、と頬を緩め一瞬で機嫌がよくなるラルル。扱いやすくて嬉しい限りだ。……まさかこれを狙ってたんじゃないだろうな?


 ま、別段急いでるわけじゃないしな。家なんてかなり時間かかりそうだし。あ、でもこの世界には魔法があったな。それならかなりの時間短縮にも?!

 とりあえずラルルに任せてみてもいいかな。ドワーフって言ってたし。てか任せないと本当に機嫌悪くしそうだし。あちしを信用してないな! とか。……見てみたい気もするけどあんまいじめたらダメだな。


「それじゃあラルルに任せてみようかな」


 俺がそう言うとラルルは満面の笑みを浮かべながら小さな胸をトンっと叩いた。


「了解なのです!」


 そして俺たちは服を買って余ったお金で必要になりそうなものを購入しに行こうとして、あることに気がついた。


 …………これって誘拐っぽくね?

 純真無垢なラルルを見てると、俺が言葉巧みに騙して連れ去ろうししているみたいに思えてくる。もちろん現実は違うのだが。むしろ逆だ。


 そういうことで、俺はラルルに親の場所を聞くことにした。遊んでと言われたので遊びに行って来ますって言えばいいかな? ………………もし俺の娘が見ず知らずの男と遊びに行くと言ったらまずは拒否るな。

 ま、それはなんとかなるでしょ。これぞ後先考えない行動!よく言えば猪突猛進! ……よく言えてる?


 っとかなり話が逸れた。

 とりあえずラルルに親の居場所を教えてもらう。


「そういえばラルルのお母さんとお父さんはどこ?」


 俺がラルルにそう問うと、一瞬ラルルの顔に影がさした。が、すぐに先ほどの笑顔へと戻り、答える。


「お父さんもお母さんももういないのです。あちしは今一人暮らしなのです! だからあちしの家に来てもいいですよ?」

「あー、その…………すまんな」


 突然のカミングアウトに俺は気まずそうな顔で答えるしか出来なかった。とうのラルルは気丈にも笑っているというのに。

 数秒の空白。俺は無意識のうちかラルルの頭を撫でていた。気丈に振る舞うラルルを憐れんだのか自然に手が動いていたのだ。

 それに対しラルルは嫌がるどころか、目を瞑りその感覚をしっかりと味わっているようだ。

 俺はそんなラルルへと優しく話しかける。


「まあ、そのなんだ。ちょっと一緒に飯でも食うか」

「はいです!」


 前世で軽くコミュ症になりかけてた俺は気の利いた言葉をかけることも出来なかった。

 ラルルは俺の心情を見透かしたかのように、心配しなくていいよ、と言うような笑みを浮かべて答えた。


「強い子だなぁ」


 俺はそんなラルルを見てそう呟いた。


「? なんですか?」

「なんでもないよ」


 ラルルがわずかに俺の呟きを聞いたのか小首をかしげる。その仕草に悩殺されるかもと思いながら答えた。









 さて、ラルルの親に会いに行かなくていいんなら、このまま森に行こうかな。

 そう思った俺はこの国の中央へ向かっていたヒアに言ってまた森へ行く。ちゃんと、ごめんな、と謝罪も忘れない。


 そして、今俺はヒアの背中で揺られながら突き刺すような視線を集めていた。


「お兄ちゃ~ん」

「ちょ! くっつきすぎじゃない?! う~、そこは私の場所なのに~」


 俺は胡座をかいて座っているわけだが、その上に小柄なラルルがすっぽりとおさまっている。そして、後ろからはミリーが俺の腰に手を回し、俺の肩に顎を乗せている。

 ……………………なんだこのリア充的状況は……?

 いや、こんなの本物のリア充に比べればと言われそうだが、実質こいつらはかなりの美少女&美幼女だ。俺は贅沢は言わないのだ。………………これでまだだとか言うやつがいたらぶん殴ってこの世の俺みたいなやつ全員に土下座させたい。あ、今の世はあっちと違うのか。

 まあ、そんな度胸は微塵もないので考えるだけ無駄だ。てか話逸れすぎ。


 んでだ。俺に対する視線は羨ましそうを超えて恨めしい……もさらに超えて後ろから刺されるんじゃないか、というほどになっている。

 森に出たら関係なくなるのだが、なんかこう、今まで話しかけなければ見向きもされなかったから嬉しいような、悲しいような感情が渦巻いている。

 …………やっべ、哀しくなってきた。


 と、悲観しているとヒアがぶるんと体を震わせた。


「ん? どした?」


 そう聞いて前を向いて分かった。


「おいおいおいおい! お前らなんでこんな街中で魔物、しかもAランクの猛獣の黒豹なんかを歩かせてんだよ」

「いや、そのこれは…………」


 そう言って俺たちの前に立ちはだかったのは世紀末の雑魚のようなチンピラ共だ。服装はこの世界のものだけど、デザイン的なものが完全にあれだ。袖がノースリーブで切り口がギザギザとかなんだよ。嘲笑の象徴だよ。あれ? 今俺上手いこといった?


 と、そんなお笑い要素が詰まっている輩だが、実際に対峙すると怯んでしまう。実際返事の声は震えていた。

 ああいう輩って前世のDQNよりよっぽどたちが悪いっていうし。死が間近にあるこの世界、こいつらは()るとなったら本当に殺るだろう。それが俺を震えさせる。む、武者震いだもん!


 俺の返事が震えていることで、自分たちが優勢だと思っているのかDQN共は嫌らしい笑みを張り付ける。

 そして、その視線の先はラルルとミリーに向いている。


「こりゃあ良くできたもんだなぁ。本当に本物みたいだ」


 DQNその二が顎に手を当ててヒアを爪先から頭まで舐め回すように見る。細めの体に鋭い目つきは多少知的な雰囲気をただよわせている。結局は馬鹿だと思うけど。

 てかこいつらヒアのことを作りものだと思ってんの? え? マジで?

 さすがの馬鹿でもこの技術力が低い世界でこんな高性能なもの作れるわけないって気づくよね? ね?

 俺は確認のため質問をする。


「あのー、ちょっと聞きたいんですが」

「んあ? なんだ? 命乞いの仕方でも教えてくれってか? ギャハハハハ!」


 そもそもこんな大通りで立ち塞がるとか頭イカれてんだろ。国なんだから警備員的なのもいるはずだし、俺から物を恐喝しようものなら捕まるはずだ。この世界の常識が分からないから断言は出来ないが。

 それにしても笑い方からして噛ませっぽいな。

 うん、噛ませだな。馬鹿だし、笑い方も。

 俺は上を向いていろいろ考えた後、よし、と呟いてDQNたちを見据えた。


「あのさぁ、それ以上そこにいたら無理矢理通るからね」

「はぁ? なにいってんのお前。自分の立場分かってますかぁ!? ここ入ってるんですか?! ギャハハハハ!」


 俺が最後の(一回目だろとか言わない!)忠告をすると、DQNはこめかみを叩きながらなにか言っていた。正直耳触りなんでもう聞く気なし。

 ということで、どく気がないようだしヒアに声をかける。


「そんじゃヒア、行きますか」


 それにヒアは首をコクリと小さく縦に動かし了解する。

 そしてヒアはその大きな足を一歩踏み出す。

 すると、DQN共が慌てた様子でなにか喋り出した。


「お、おい! 勝手に動かすな! あと一歩動いたら壊すからな! ついでにお前もたっぷり可愛がってやるよ。もちろんそこの二人もな。グへへへへへ」


 ああ、なんて噛ませ臭を出すやつなんだ。こんな全面に出されたら華々しく散らせないといけない気がするじゃないか。

 とりあえず俺はDQN共の警告を無視してヒアを歩かせる。

 それに対し、DQN共はニヤリと笑い、武器を抜いた。

 え? 武器も抜いちゃうの? こいつらどんだけ馬鹿なの? もしかして薬物でもやってる?


「動くなっつったのに動いたお前が悪いんだからなぁ。文句言うなよ。みんな! かかれ!」

「「「おおおぉぉぉぉぉおおおお」」」


 リーダーっぽいDQN(さっきから話してる馬鹿)が華々しく散ってこいと命令を下すと雄叫びが上がる。

 こいつらどんだけ………………これは薬物やってるとみていいな。馬鹿通り越して脳ヤられちゃってるよ。


 とりあえず向かってるやつらは全員ギラリと鈍く光る剣などでくるため、油断せずに早々にヒアに任せた。だってあれ本物じゃん。怖いよ。俺弱いし。


 そしてヒア圧勝。

 え? 途中? そんなのなかったよ。マジで一瞬。

 ヒアが腕を一振りしたら風圧とかでめっちゃ吹き飛ばされてた。あー、骨折れたなってやつらが多数。

 ヒアさん、強すぎやしやせんか?

 あ、確かあの薬物乱用者たちがランクAとか言ってたな。関係あったりして。


 ま、ヒアの実力は改めて知れたのでそこらへんはどうでもいいや。

 ちなみにミリーとラルルはというと、DQN共なんて眼中に無いかのように俺の体に顔を押し付けスーハースーハーしてた。変態共め…………


 …………そろそろ周りの視線も痛くなってきたことだし、


「とんずらしますか」


 俺はヒアに声をかけて進み始めた。別に悪いことしてないけど、なんかこういうのって居心地悪いじゃん?




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