轟け愛の音〜白百合の罠(後編)
また更新予告で詐欺しちゃつたよ
ごめんなさい
ここはどこだろう…
気がついたら椅子に縛り付けられていた
…どうせ白百合先輩あたりがやったんだろうけど
「また手を話しちゃったなぁ」
以前、自分からもう手を離さないと言ったのにこの始末
轟も呆れちゃってるだろうなぁ
「はぁ…」
「あ!お兄ちゃんおはよー!」
「え、理奈ちゃん?なんで理奈ちゃんが」
唯一の出入り口から入ってきたのは一麦理奈ちゃんだった
あれ、僕の予想では黒幕は白百合先輩なんだけど
一番関係なさそうな理奈ちゃんがなんでいるんだろう
「あ、柳くんおきたんですね」
「優美もいるんだ…ってことは」
「柳くんこんにちは。今日も柳くんと一緒にいれて幸せだわ」
「…こんにちは、先輩」
あー今回も白百合先輩が黒幕だった
しかも三人で組んでるらしいし
いいかげんにやめて欲しいよ
「で、先輩は何が目的ですか?」
「目的ね、ただ柳くんと一緒にいたいだけよ?」
「またご冗談を…」
「むっ」
なんか先輩がむすっとした
「…さて、一麦さん準備はできてるかしら?」
「できてるよー今画面に映すね」
ポチっ
壁に映し出された映像
その中には轟がいた
「轟!…あれ、てかあそこってここと同じ内装。…まさか!」
「あなたを助けようと追いかけてきたのよ。残念ながら無理みたいだけれどね」
…くそっ
情けない
自分がとても情けない
「一麦さん、白水さん。作戦を始めるわよ」
先輩はニヤリと口を歪ませ言った
「轟さんは耐えられるかしら?」
ごめん…轟
「柳くん!」
いた
柳くんがいた
けどその場所は急に壁に映された映像の中
どの部屋かもわからない
それに落とし穴のせいで自分がどこにいるのかもわからない
それに…
「…開かないっ!」
扉が開かないせいで狭い部屋に閉じ込められてしまった
物が適当に積まれてるのを見る限り物置として利用されてる部屋みたいだが
そんなことよりも今は柳くんだ
映像を再び観る
「!!!!」
な、なんてこと…
柳くんが
柳くんが服を脱がされパンツだけで椅子に縛り付けられ泥棒猫×2に弄ばれている!
くらっ
眩暈がした
私の柳くんがあんなことに
…許せない
許さない
絶対に許さない
まずはこの部屋からでないと何もできない
けれど壊すことはできなかった
鍵も開かない
いきなり手詰まり
「轟さん、聞こえますか?」
扉の向こうから声が聞こえた
この声は
「白水さんですか…あなたも私の邪魔をしにきたんですか?」
「…鍵は開けました、2-2016に行ってください」
鍵は開けた?
2-2016は部屋番号?
つまり柳くんのもとへ行けと言いたいのか
開いた扉で部屋から出て聞いた
「何を考えているんですか?」
「今は早く柳くんを助けてください…今度またちゃんと話しますから」
私をみつめるその目を見る限り嘘はついていない
「わかりました、ありがとうございます」
白水さんの目は嘘をついていなかったが戸惑いや不安、怯えの様子なんかが見えた
…とりあえずそれは後回し
今は柳くんのことだけを考えるんだ
「ちょっ、先輩もうやめっあはは!くすぐったいって…言ってるあはは!」
作戦どおり柳くんといちゃつく
まだまだ本の序の口だけど私だって無理矢理最後までする気はない
「あれ?先輩、ゆーみお姉ちゃんがいないよ?」
「あら、本当ね」
お手洗いにでも行ってるのだろう
「…うへぇ」
柳くんがだらんとしてきた
くすぐりが結構効いたみたいだ
「柳くん、これからがお楽しみよ?」
柳くんの顔は青ざめていた
「またトラップ!…つまりそろそろ目的地というわけですね」
白水さんに教えてもらった部屋を目指していたらかなりの数のトラップが私を襲ってきた
落とし穴にはもうひっかかりはしない
厄介なのは謎の液体
物体ならよけやすいが液体はよけにくい
それに目に入ったら厄介だ
さすがに体に少し触れたくらいでは何も起きなかったが
「はっ!……ここだ」
やっと着いた
ここに柳くんがいる
『うわぁぁぁぁぁぁぁあ!!!』
!
この声は柳くんのもの
この部屋の中から聞こえた
柳くんが危ない
私が守らなければ
私が助けなければ
「柳くん!!」
扉を開けながら愛しい彼の名を呼んだ
「柳くん!!」
「轟さん?!」
いきなり扉が開いたと思ったらなぜか轟さんが入ってきた
なぜ?轟さんは閉じ込めてあるはず
「モニターは?あの部屋の映像が映ってたでしょう?」
「ありゃ、何時の間にか消されちゃってる」
「くっ…」
なぜだかわからないが一つ言えることがある
轟さんが抜け出したということ
それにはここにいない人が関わっているはず
「裏切ったわね…白水さん」
「柳くんを返してください。拒否するなら無理矢理にでも返させてもらいます」
轟さんが近づいてくる
…仕方ない
ここまでのようだ
「まだ終わりにはさせないよー?」
柳くんの方を見ると一麦さんが笑っていた
「どういうこと?もう終わりよ、一麦さん」
「ふふふ、やるなら最後までやんないと…」
そう言って一麦さんは気絶中の柳くんの顔に自分の顔を近づけて
「!それはダメよ!」
「させません!」
止めようと轟さんと私は一麦柳くんき駆け寄る
が、間に合わない
「柳くん!目を冷ましてください!」
轟さんが叫ぶ
「あなたは私の彼氏なんです!浮気なんて許しませんよ!」
轟さんの瞳からは涙がでていた
「柳くん!」
でもその声は届かなくて
一麦さんと柳くんの唇が重なった
「あれ?うきゃああぁぁぁぁ……!」
「「え?」」
重なったと思ったら重なる前に一麦さんが消えた
「これは…落とし穴?」
誰が…と辺りを見回す
「白水さん…」
轟さんは犯人であろうこの場にいない人の名前をつぶやいていた
もう何も言いません
すみません
次回、この話のエピローグ的な話をあげます
いわゆる補完です
感想お待ちしてます…それだけで更新スピードがあがる!はず!
10/11誤字直しました
最近見直しがちゃんとできてないので誤字があったら指摘してもらえると助かります
感想もついでにお願いしますw




