轟け愛の音〜白百合の罠(前編)
遅くなりました更新です
みんな集まってくれたのね
ありがとう
今日みんなを集めたのは柳くんのことよ
最近、学校では轟さんがいつも一緒にいるから2人っきりになれないのはわかってるわよね?
なおかつ休みの日も近づけない…あの子かなり強いわね
私1人では轟さんの邪魔くらいしかできない
けど、私たちで轟さんを柳くんから離して私たちが柳くんとあんなことやこんなことをするってのはどうかしら?
轟け愛の音〜白百合の罠
作戦その1
轟の隙をついて柳をさらう
『こ、こちら002、柳くんを見つけました』
スピーカーから白水さんの声が聞こえてきた
私は画面に映る柳くんを見つつ優美さん、002に指示を出す
「周囲に轟さんは見当たりませんが、油断しないでください」
『わかりました。さ、作戦を実行します』
画面には柳くんに近づく優美さんが映った
「あれ、優美?どうしたの、こんなところで」
「え、えと…柳くん今お暇ですよね?良かったら一緒にお散歩しませんか?」
「うん、暇だよ。…散歩ね、いいよ」
「本当ですか!ありがとう!」
「ダメです」
「え!轟いつからそこにっ!?」
「私はいつでも柳くんのそばにいます。柳くん、私の家に行きましょう」
「いや、けど優美と…」
「彼女の言うことが聞けないと…浮気ですか?」
「決してそういうわけじゃないよ!!」
「ということなので白水さん、散歩はまた今度…いえ、二人きりでは永遠にできませんので。では失礼します」
「ちょっ!轟引っ張らないでって痛い!関節がちょっ!!ごめん!許して!」
「…ぅう、さ、作戦失敗ですぅ」
『…作戦失敗ですぅ』
案の定轟さんに邪魔をされた
想定内だけど流石、と言って置きましょう
「003そちらに柳くんと轟さんが向かいました。準備をお願いします」
『準備完了!任せてちょーだい!』
スピーカーから聞こえた声は大きすぎて割れていた
「…大丈夫かしら」
今頃になって不安になってしまった
「お兄ちゃんとお姉ちゃん!一緒に遊ぼー!」
「わっ、理奈ちゃんか。驚かさないでよ…」
「ごめんごめん。で、いいでしょ?遊ぼう?」
「うーん暇だし別に…」
「よくありません」
「お姉ちゃんどおして?」
「私たちは今から柳くんの家で遊ぶんです」
「え、聞いてなぐはっ…」
「だからあなたは1人で遊んでください」
「あー!とある市の非公式キャラふなっ○ーが跳ねてる!」
「どこですかっ?!…はっ!しまった!」
『成功したよー!』
「よ、よくやったわ…」
轟さんてゆるキャラが好きなのか
よくその弱点を知っていたな、と関心しつつちょっと怖いななんて
とりあえず柳くんはこちらのもの
後は轟さんを追い返すだけ
「今から作戦2を行います。準備をしてください」
作戦その2
轟さんを追い返す
「002も、戻りました」
「003もどったよー」
2人が戻ってきた
私たちが集まっている場所はとあるお屋敷
白水さんのお父様が所有している使われていない廃墟
廃墟と言っても綺麗なんだけれどね
「さて、柳くんも部屋に閉じ込めたわけだし、轟さんもそろそろ来ると思うわ」
「あ、そういえばお兄ちゃんの携帯にGPS昨日が付いてたよ」
あーなるほど
前の遊園地で離れ離れになったからってことか
「動作しないように切っておいて」
「はーい」
まあ、GPSがあっても轟さんは柳くんの元へは行けないだろう
この屋敷を舐めちゃいけない
「それでは、作戦2開始です」
ーギギッギギッー
歩くたびに音がする
柳くんの携帯のGPSを追ってこの屋敷に着いたのはいいけれど、どこにいるかがわからない
「一室ずつ調べて行くしかないみたいですね」
ガチャ…違うガチャ…違う
それにしても部屋の数が多すぎる
元は宿泊施設だったのか
ともかく探すしかない
「柳くん、どこにいますか?柳くん」
呼びかけても返事は聞こえない
奥へ進むしかないみたいだ
「薄暗くて気味が悪いですね…」
私は遊園地では絶叫系のジェットコースターなどが大好きだけどお化け屋敷は大の苦手
そう
「お化けなんてでないですよね…」
お化けとか幽霊とか大嫌い
柳くんを助けるためにってきてしまったけど…正直怖い
「柳くんいませんか?柳くん?」
自然と歩みも早くなる
だから気づかなかった
ーガチャッー
「え?!」
落とし穴なんて古典的なものに引っかかるなんて
「きゃぁぁぁぁぁーーーーー!!!!」
「…あれ、一麦さんあの落とし穴はなにかしら?」
作戦通りに奥の部屋へと向かっていた轟さんが急に消えた
というか落とし穴に落ちた
「あったら面白いかなーって思ったからつけちゃいました!」
てへぺろって感じで舌をだす一麦さん
ちょっとイラっときた
「作戦2は追い返すことが目的でしょう?なのに捕まえても意味がないわよ?」
追い返してから柳くんとイチャラブするという作戦だったのに
「白百合先輩…お姉ちゃんに私たちがお兄ちゃんとイチャイチャしているのを見せつけよう、なんて考えはどうかな?」
「え…それは」
いつも私たちは柳くんと轟さんのイチャイチャしてるところを見ている
決してイラっとしていないことはない
「いつもの恨み、晴らして進ぜよう!!」
…それもありか
「一麦さんの意見を採用します。早速実行しましょう」
いつも読んでくださっている皆様、大変申し訳ありませんでした
予定よりかなり遅い更新です…忙しいってのもありますが…
後編は明日辺りにあげます
楽しみにしてもらえると嬉しいです




