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あなたに送る

作者: 樹鈴



あなたは気づいていますか?

これが、あなたに向けて書いた手紙だということを


今日、ここに書いたのは、あなたへの想いを終わりにするからです。


初めて会ったのは、小学校。

そのころから私は惹かれていたんだと思うよ。

声が独特で背は真ん中と後ろの中間らへんだったね。


知ってた?高学年のころ一回ラブレターを書いたんだよ。

結局、恥ずかしくて渡すことができなかったけど、一生懸命言葉を考えたことはよく覚えているよ。


中学校、あなたと私は通学路が途中から同じだったから入学してから少しの間は、私の友達とあなたの友達、けっこうたくさんの人で登校したね。


少ししたらみんな部活の朝練とかで時間が合わなくなってバラバラで登校するようになったよね。

あの時は、けっこう寂しかったんだよ?


中学校1年はもっといろんな変化が生まれたよね。

私の変化といえば、初めてちゃんとしたイジメをうけたのが中1だったんだ。

ちゃんとしたって言い方は変かもしれないけど、本当に心が傷ついて、男の子と話すのがつらくなってしまったんだよ。


そしてあなたの変化は、私の幼馴染と恋人になったこと。

そのことを知ったときは、本当に辛かったな。幸せそうな・・・一緒に帰っている姿を見かけると胸が、苦しくなった。


それから2年たった中学3年生。

背はどんどん伸びていつのまにか私と大きな差が開いていてびっくりしたんだよ。

そしてあなたはいつの間にか、私の幼馴染と別れてしまっていた。

ごめんね。あなたは本当に悲しんでいたのに、私は心の底で喜んでしまったんだ。


3年生といえば、中学になってから初めてクラスが同じになって、席も隣になったね。

もしかしたら、1年生のときイジメられてたのを知ってしたかもしれないのに、話かけてくれるあなたのおかげで、また人を好きになる気持ちを思い出させてくれた。ありがとう。


そして高校入学。

私とあなたは学力が同じぐらいだから同じ高校、同じクラスになることができたね。

クラス名簿を見たとき、あなたの名前があって嬉しかったのを覚えているよ。


そしてプールが始まる前の頃、私は勇気を出して告白したの。覚えてるかな?

私はちゃんと返事を覚えているよ。

   

            ゛もうちょっと仲良くなってからのほうがいいと思う゛


この返事の意味が分からないほど、子供じゃないよ。

あなたは私を傷つけないように、優しい言葉を送ってくれた。


でもね。この返答じゃ、期待している私がいるの。

もうちょっと仲良くなったら・・・って思ってしまう私がいるの


変な期待をあなたにのせてしまって、意識して・・・

向こうが気にかけてくれるのにわざと冷たい態度をとってしまって、最低なことをしているのは分かっている。


でも、どうすることもできなくて

このままじゃ私は、もっとあなたを傷つけてしまうから


今日でこの気持ちを壊すね。

ありがとう。再び人を好きになさせてくれて。

ありがとう。告白する勇気をくれて。

ありがとう。優しい返事をくれて。


あなたにもらったものすべてがいい思い出です。


さようなら。私の大好きだった人

月曜日からは、友達としてよろしくね。

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