第5話 エウノミアの戦い
いよいよ、エウノミアを攻略する時が来たのだ。他の7つの戦線はひたすら防御を敷くしかなくなるのが欠点だ。
ただ、エウノミアを落とせば他の戦線も落ちて行くのは時間の問題なのだ。
戦いの火蓋は切られた。スレイプニルが突撃していく。後衛のレーヴァテインがレーザーを撃ちまくる。俺もスレイプニルに乗って突撃していった。俺達は機人を倒していった。脱落するものもいるが構わず突き進むしかない。
やがて、ドミニオンよりも巨大な機人がいた。スローネと名付けられた。10キロにも及ぶ機人だ。
俺はスローネにスーパーバレットを撃ちまくった。手数で勝負するしかない。レーヴァテインも攻撃している。やがて沈むスローネが出てきた。このまま押し込むしかない。逆に圧されれば戦線は崩壊するだろう。
このままスローネの壁を突き破るしかないのだ。スローネの攻撃に脱落していくバトルシップが出てきたが、それでも攻撃を続けた。次第に壁が崩れてきた。希望が見えてきたのだ。スローネに攻撃を集中していく。壁を剥がしていくのだ。
やがて壁に穴が空いた。だが、そこに突き進む訳にはいかない。四方から集中砲火を浴びるだろう。
スローネを駆逐するしかないのだ。やがてスローネは全滅したが、こちらもかなりの被害を出している。3割のバトルシップは失っただろう。だが、エウノミアはもう目の前なのだ。
俺達の目的はエウノミアの生産拠点の殲滅だ。俺はエウノミアに飛び込んだ。拠点が見えた!重力系超々上級攻撃魔法ブラックホールを撃ちまくった。拠点が破壊されていく。機人達は最後の抵抗を見せているが他のバトルシップに任せて俺はシールドを張りながらブラックホールを撃ちまくる。やがて生産拠点はすべてブラックホールで破壊した。これでアステロイドベルトでの勝利は掴んだ。これで他の7つの戦線もやがて終息していくだろう。機人はもう増えないのだ。
戦いが終わると損害の数が分かった。最終的に6割のバトルシップが破壊された。スローネがいなくてもここは最大の激戦地帯だったのだ。補充をしながら残り7つの戦線を制圧しなければならなくなった。
俺はケレスに戻った。
「おめでとう、エウノミアは制圧できた。だが、損害が大きすぎる。これでは残りの戦線を制圧する戦力が足りないのだ」
ヴァルガルは困った顔をしていた。
「どのくらいで戦力は回復するんだ?」
「また半年はかかる…。それまでは今の戦力で戦うしかない」
「時間が経てば、機人は新しい生産拠点を作ってしまうぞ」
「防御力の弱いところから制圧していくしかないだろう、まずはフローネだ」
「まあ、そうするしかないだろうな」
俺達の次の目標はフローネの制圧になった。ここにはスローネがいない。そして機人は補充されないのだ。
ひたすら、機人を沈めていく戦いが始まった。なにしろ戦力が揃っていない。戦線を少しずつ押し上げていくしかないのだ。フローネの機人を全て沈めるのに2ヶ月がかかった。その間にもバトルシップは補充されている。
いつ機人に生産拠点を作られるか分からない。すぐに次の攻略目標ベスタに移った。ここも2ヶ月で制圧した。そしてバトルシップもまた補充された。そして全てのアステロイドベルトの拠点を落とすのに1年かかった。結局、新しい生産拠点は作られなかったのだ。
俺は戦闘も終わったので小惑星ケレスに戻った。
「君の情報のおかげでアステロイドベルトは制圧できた、やはり伝説の英雄に来て貰ったかいがあったよ」
「戦力はどのくらい戻ったんだ?俺の感じでは減ってはいないが増えたとも思えない」
「アステロイドベルトを制圧するので消耗したのだよ、補充はしたが今の戦力はエウノミア攻略直後くらいでしかない」
「次の宇宙人の本拠地はもっと防御が堅いぞ、エウノミアの防御力をさらに上回っているんだ」
「どのくらいの戦力がいるんだね?」
「捕獲した宇宙人の情報から言えば、エウノミアに投入した戦力の3倍は必要だ、あそこにはスローネもいるんだ」
「そこまで戦力をあげるには1年は必要になるな」
「あまり時間をかけると敵も戦力を増やすかもしれないぞ」
「偵察隊を出す必要があるな、正確な場所は君しか知らない。参加してくれ」
「分かったよ、いくよ」
俺は500のバトルシップと共に木星の軌道上にあるトロヤ群に中にある宇宙人の本拠地に向かうことになった。