第4話 トロヤ群
機人は、宇宙人だった。本拠地は木星の軌道上の小惑星の集まりトロヤ群と呼ばれる中に存在する。地球に1000年前から侵略を開始した。そうあのスコーピオンを始めとした機人だ。それを駆逐されたためトロヤ群から乗り出したのだ。
そこでアステロイドベルトでの戦闘になったということらしい。
宇宙人はアルファ・ケンタウリ恒星系からやってきた。故郷の惑星がすでに住めなくなっていたのだ。魔力の強い惑星だったがやがてそれが濃くなっていったのだ。魔力はやがて魔障となり、魔障に侵された宇宙人は魔物になってしまった。それで惑星を捨てたらしい。近くの居住可能な惑星を探した。それが地球だ。その侵略のためにトロヤ群にコロニーという擬似惑星を造り住んでいるらしい。
俺は捕まえたドミニオンから宇宙人を引っ張り出しケレスにワープした。
「俺はセージだ。宇宙人のパイロットを捕獲した」
「本当なの?着陸を許可する」
俺のスレイプニルはケレスに着陸した。
「宇宙人を捕獲したと聞いたが、本当なのか?」
ヴァルガルが待っていた。
「こいつが宇宙人だ」
「機人に宇宙人がいるというのは始めて聞いたが、実物が目の前にいるのでは信用するしかないな」
「まず、機人はいくら倒しても減らない、生産拠点があるんだ」
「それも新しい情報だ!、その拠点はどこにあるんだ!?」
「エウノミアだ、そこにある」
「だが、そこは最も防御が厚い戦線だ、制圧するには戦力が足らない。他の戦線も維持しなければならないのだ。戦線を突破されれば火星が危ない。火星は既に人類の居住地となっているんだよ」
「どのくらいで戦力が揃うんだ?」
「半年は待ってくれ、兵とバトルシップを準備する必要がある」
「それと宇宙人の本拠地が分かった」
「それはどこにあるんだ!?」
「木星の衛星軌道上にあるトロヤ群の中だ、そこに宇宙人が造った人工惑星がある」
「だが、まだそこまでは行けない。先にアステロイドベルトを全て制圧する必要がある。攻勢に出るにはそれが必要なんだ。まずはエウノミアの制圧だ。次に8つの拠点から全ての機人を排除しなければならない。アステロイドベルトの安全の確保が先だ」
「分かった、まずは戦力を揃えるところからだな」
バトルシップのワープを発動させるにはある一定以上の魔力が必要だ。それを満たすものを掻き集めるのだ。幸い、機人との長い戦いで人類の魔力は高まっていた。それ程難しい話ではない。
「君にはエウノミアに行ってもらう。戦力が揃うまでそこを抑えていてくれ」
俺は激戦地帯のエウノミアで戦うことになった。ここの戦線を半年間維持する必要があるのだ。
俺の戦いは始まった。この巨大な戦闘機は補給を気にする必要は当分ない。重水素の燃料は4年は持つのだ。
空気は魔導機関によって生成される。食料はエアチューブから補給する。味気ない液体食料だ。
俺はシールドを展開しながらスーパーバレットを撃ちこみ続ける。敵を次々と沈めていく。俺は3機のドミニオンの意識を奪ってそれを盾にしながら戦いを続ける。盾を失うと次のドミニオンを捕まえる。ドミニオンの火力でエクスシア、デュナメスを沈めていく。ドミニオン相手でも4対1だ。そうそう負けることはない。
ひたすら戦い続けた。さすがに睡眠を取るときだけケレスに戻る。激戦地帯のエウノミアで睡眠を取れる場所はないのだ。空域全部が戦線だからだ。
そんな戦いを半年続け、やっとバトルシップが集まった。スレイプニルの他にも重武装バトルシップもいる。主砲を2門と長距離砲を16門を積んだレーヴァテインだ。大きさは500mと変わらないが幅が400m近くある。砲門のハリネズミのようなバトルシップだ。シールドも展開可能だ。武装獣で言えばヴァラーハみたいなもんだろう。




