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西暦266年

ここは西暦266年の日本。


今から413年まで、中国側の記録が白紙になってるみたいなこと子供の時に習った気がする。


確か……"空白の150年"とか、"空白の4世紀"とか言ったっけ?


ここに来てからもう半年、未だに何言ってるか分かんねえ。身ぶり手ぶりも限界がある、筆談も当然できない。


「#%*&⁉℉℃※」


何言ってんだよ。取り敢えず、頷いとこう……


はあ……これからどうなるんだろうな

───────────────────────


まずこうなった経緯を話そう。俺は西暦2026年の普通の大学生だった───


名前は間 時宗(はざま ときむね)。21歳、男。


「家帰ったら課題終わらせなきゃな……面倒くさい」


そんなことを考えて、電車に揺られ、狭いアパートに帰る。はずだった───


ドンドンドンドン!ガヤガヤガヤ……


太鼓の音?神社の方にめっちゃ人いんじゃん、祭りか。


人の集まる方へ行く


「うわ、久々だな……懐かしい、子供の時にも来たっけ。」


俺は久々に楽しんだ。くじ引き、鈴カステラ、りんご飴、射的。一人でも楽しいものだな。


そうして、神社を一通り回ったところで境内にひっそりと佇む祠を見つける。石造りの小さな祠だった。


周りの木々に隠れるように建っていて、祭りの明かりもほとんど届いていない。賑やかな境内の中で、そこだけ妙に静かだった。


祠の正面には、見慣れない文字のようなものが刻まれていた。


「なんだこれ。古文? 読めねえな……」


スマホを取り出して写真を撮ろうとした、そのとき。


ふと、祠の脇に小さな石板が立てかけられているのが目に入った。


表面には、かすれた文字がいくつか残っている。その中に、一つだけ読める文字があった。


───「倭」。


「……倭?」


歴史の授業で聞いたことがある。


古代、中国から日本列島を指して呼ばれていた名前だ。


関係してるのか?これ、結構すごいやつだったりしてな。


そう思って石板に手を伸ばした瞬間。背後から、太鼓の音が響いた。


ドン。


さっきまで聞こえていた人々の声が、ぴたりと止まる。


視界が白く染まった。


最後に聞こえたのは、太鼓の音だった。


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