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神崎涼花の逆襲 〜えれくとろんあーく2〜  作者: てんまる99


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9/15

そんなのイタイって

用語解説:電脳天使えれくとろんあーく

グローバルAi上でのVAの大規模トラブルを起こしたAi財団が、イメージ回復のため作成したプロモーション映像。TV及びネットで特番として公開され、高評を博した。

レギュラー放送ではなく、いつ放送されるか分からない‥と言うスリルがウケた、とも言われている。

勿論、採算度外視ゆえの高い映像クオリティがそのバックボーンに成ったのも間違い無いだろう。

主人公はVAユニットの“えれくとろんあーく”が務める。

続編の特番も制作されている。

涼花は正面広場目指し、公園内を走った。

中央のステージに多くの人が集まっているとは言え、人混みの中で、重い着ぐるみを着て走るので、速度は出ない。


「熊2号、熊4号、正面広場に向かって!」

近くの熊人形2体にも指示を飛ばす。

本来、Ai人形の操作に音声は必要ない。

だが、声を出すことで明日香達にも状況が伝わる。


ピンクのリボンの熊2号、水色のリボンの熊4号は、トタトタとそこそこの早歩きで歩き出す。

まだ、気付かれる訳にはいかないので、速度は控え目だ。


一方、中央のステージでは、明日香が観客に呼びかけていた。

「この後、奥の広場で握手&サイン会をします〜」

おおっ、と色めき立つ観客。

正面入り口と反対の方向に観客を誘導して、万が一の被害を防ぐ作戦だ。

ただ、そうする事で明日香達はすぐには現場に向かえない。


“涼花、お願いっ!”

インカムに明日香からの返信が届いた。

「簡単に言ってくれるわね‥」

着ぐるみの中で汗だくになりながら、涼花は1人ごちた。


ようやく正面広場に涼花が到着した時、ターゲットの二人は出口を出ようとしていた。

外に出してしまったら、人混みに紛れて見失う。


「熊2号、入り口を塞いで!」

指示を受けた熊2号が出入ゲートの前に立ちはだかり、出入口りを封鎖する。

「おい、通れないぞ、どうした?」

「熊さんだーーっ!」

その姿に大人は文句言い、子供達は熊に触ろうと集まる。


その、混乱し戸惑う人達の間を掻い潜り、涼花は被害者に接近した。

正面に立ち、両耳のインナーイヤーヘッドフォンを奪おうとする。


“ザクッ”


「‥いっっっ!」

鈍い、布地を切り裂く音と共に、涼花は腹に激痛を受け、転倒した。

‥刺された。

理解出来るのに1秒掛かったろうか。

反射的に押さえた手の間からじわじわと血が滲む。

激しい痛みに身体が勝手に硬直して、立ち上がることも出来ない。


見ると、隣にヘッドフォンをつけ、刃物を持った女性が居た。

ブレインハッキングされたのは1人では無かった。


『キャーー』

近くの女性が悲鳴を上げた。

「おい、刃物持ってるぞ」

「あ、危ないっ」

周りの人は刃物を持った女性から一斉に逃げ出そうとする。


被害者はふらふらともう一人を連れ、正門を出ようとしていた。


「く、熊2号、その人を取り押さえて。熊4号はそっちの人をっ!」

涼花は必死に叫びながら激痛に耐え、意識を保とうとする。

気を失えば、熊たちは動作停止する。

「明日香、早く来てよ‥」

朦朧とする意識を繋ぎ止めながら、涼花は明日香が来るのを待った。

周囲の人は何が起こったのか理解できず、立ち尽くしていた。

遠くで救急車のサイレンが聞こえて来た。

通報した人が居たようだ。



「す、涼花っ!」

数分後、明日香が倒れた涼花の元に駆けつけた。

素早く着ぐるみから涼花を抱き上げ、上着で応急止血をする。

「も、もう、明日香‥遅いよ‥」

涼花の顔は血の気が無く、握った手も冷たい。失血性ショックを起こしかけていた。

「ごめんっ‥ 涼花っ!」

明日香はそのまま涼花を抱き上げると、通用口に止まった救急車まで凄まじい速度で走り出す。


明日香の胸元に抱き抱えられ、涼花は心地よい温かさを感じて‥それっきり、何も分からなくなった。

物語が大幅に動き出します。

涼花はどうなるのでしょうか。(作者にも分からない)

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