3年P組
一郎は3年A組の教室で居残り勉強をしていた。宿題が提出できなかったからだ。一郎はとても反省している。そして、次は絶対に提出できるようにしなければと思っている。もう居残り勉強なんてこりごりだ。一生懸命勉強をしないと。テレビゲームばっかりやっていてはいけない。心からそう思っていた。
「はぁ・・・」
一郎はため息をついた。何としても早く提出しなければ。そして、早く帰らないと、母が心配する。そして、先生に怒られるだろう。
「頑張らなくっちゃ」
だが、一郎は悩んでいた。ここがよくわからない。どう解けばいいんだろう。一郎は頭を抱えてしまった。これがわからないと、先生にも、両親にも怒られる。どうしよう。
「うーん・・・。どうしよう・・・」
と、隣の3年B組から声が聞こえてくる。もうどこも帰りの会が終わって、居残り勉強の子供しかいないはずなのに、どうしたんだろう。こんな時間に何の授業がやっているんだろう。全く想像できないな。
「あれっ!?」
一郎は首をかしげた。とても気になるな。何がやってるのか、その教室に行ってみたいな。
「どうして騒がしいんだろう」
一郎は立ち上がり、隣の教室に行こうとした。果たして、そこでは何がやっているんだろう。ちょっと覗いてみようかな?
「何だろう」
一郎は3年B組を廊下からチラッと見た。そこには、生徒がいる。みんな、座っている。どうやら、ここで授業がやっているようだ。でも、何の授業だろう。見た事もない生徒に、見た事もない先生がいる。ここで、何か特別な授業が行われているんだろうか?
「あれっ!? この授業、何だろう」
と、先生が一郎に気が付いた。先生に見られて、一郎は緊張した。まさか、話しかけられるとは。
「あら、どうしたの?」
「な、何でもないんです・・・」
一郎は焦っている。廊下で見るだけにしようと思ったのに、まさか見つかるとは。どうしよう。早く教室に戻りたいのに。
「来なさいよ!」
まさか、誘われるとは。どんな授業なんだろう。全くわからないな。
「は、はい・・・」
教室には、1か所だけ机が空いていた。一郎のために空けているように見える。
「ここに座って!」
「はい・・・」
一郎はそわそわしながら、その席に座った。周りの生徒はみんな可愛い。でも、この子たちは誰だろう。どこから来たんだろう。
と、先生が1枚の絵を出した。それは、赤いだるまの絵だ。それがどうしたんだろう。一郎は首をかしげた。
「まず、これに化けてみましょう!」
化ける? えっ、まさかこの子たち、キツネなの? タヌキなの? 一郎はびっくりした。
「はーい!」
すると、生徒たちは木の葉を取り出した。えっ、この子たち、本当に化けられるの? 一郎は呆然となった。
「ポン!」
掛け声とともに、彼らは煙に包まれた。そして、煙が収まると、そこには赤いだるまがいる。本当に化けたんだろうか?
「えっ!? どういう事?」
まさか、これはキツネかタヌキの授業なの? とんでもない授業に遭遇してしまったな。
「みなさん、よくできました!」
ふと、お尻に違和感を感じ、一郎は後ろを見た。すると、一郎のお尻から尻尾が出ている。タヌキの尻尾だ。まさか、タヌキにされた?
「えっ、えっ・・・」
と、それに気づいた生徒が一斉にタヌキになった。ここの生徒は、みんな化けタヌキだったのか?
「うわっ!」
驚いて、一郎は椅子から転げ落ちてしまった。
「どうしたの?」
3年A組の担任の中村先生の声がした。一郎は目を開けた。そこには中村がいる。一体何だったんだろう。全く状況が理解できない。
「いや、何でもない・・・」
中村は思った。どうして3年B組にいるんだろう。一郎は3年A組で居残り勉強をしているはずなのに。
「どうしてこんな教室にいるの?」
「・・・、わからない・・・。隣で授業がやってて・・・」
もう下校していて、誰もいないはずなのに、どうして3年B組で授業がやっていたんだろう。まさか、一郎は夢を見ていたのか?
「何もやってないよ」
と、中村は一郎のお尻を見て驚いた。なんと、タヌキの尻尾が生えているのだ。
「あれ? 一郎くん、何その尻尾!」
「えっ!?」
それを聞いて、一郎は驚いた。まさかと思って、一郎は自分のお尻を見た。すると、お尻からタヌキの尻尾が生えている。あれは夢だったのか?
「うわっ!」
一郎は思った。この教室には、何かがある。放課後、化けタヌキが授業をやっているのでは?
教室を出て、一郎は教室の入り口の看板を見た。そこには3年B組と書かれている。だが、一郎には一瞬、『3年P組』に見えた。一郎はまた驚いた。