27話 高田玉、炸裂ッッ!!!
高田健志の手の上で煌々と輝く高田玉が、急に一回り大きくなった。
「な、なんだ!? 急に力が集まった。」
高田健志は突然のことに困惑する。だが、同時にすぐその意味に気がついた。
「こんなに大量の気を送れるようなやつは、一人しかいない。駆動丸っ……!」
おまおじとの戦いの最中に、こんなに大量の気を送れるわけがない。
駆動丸は、おまおじに敗れて、……最後の力を高田健志に託したんだ。
「……っ!」
信じたくない。だって駆動丸は、自分の命が惜しいと言っていた。なのに、あいつは、自分の命を賭しておまおじを足止めした。
建志は、ただ前を向く。
駆動丸を偲ぶ暇は、今の高田健志にはないのだ。
今やるべきことを、高田健志は理解していた。それは、駆動丸が命懸けで継いだ意志を、決して無駄にしないことだ。
「……待ってろ、駆動丸。今終わらせてやるからなっ……!」
高田玉はより一層輝きを放った。
一方おまおじは、駆動丸の死に疑問を抱いている。
「……ユニコーンが当たる前にはもう死んでいた。一体どういうことだ?」
駆動丸の死に方は異質だった。駆動丸は、ユニコーンが当たる前に全エネルギーを高田健志に送ったのだ。おまおじは思索する。一体何が起きたのか。
その答えは、すぐに現れた。
「ッ! なんだアレは!?」
ついに、現れた。
おまおじの前に高田健志が再び姿を表した。前と違うのは、その手の上に莫大なエネルギーの球体を乗せていること。
「おまおじぃいいいイイイイイイィィィイイイ!!」
その圧倒的なエネルギーに、ここに来ておまおじは初めて動揺した。
「バカな……どうやってそんな気を!?」
「くらえ! これが『俺たち』の……高田玉だぁああぁああッッ!!」
高田健志の手から、高田玉が離れる。
そのとき、おまおじは動揺しながらも、高揚していた。
「良いだろう、それでこそ高田健志、それでこそ俺の神やッ! お前など、こんな玉諸共消し飛ばしてやるわぁあ!!」
おまおじも、究極の技を放つ。今までで一番気を高め、それを両手に込める。
おまおじの必殺技。
「御魔緒慈潤砕ッッッッ!!!」
間違いなく最強の気功波。太すぎる光線が、高田玉とぶつかりあった。
その衝撃で、地球全体が揺れ動く。
バチバチと音が鳴り、互いに力を打ち消しあっている。
「く、く、クソったれぇえぇええエエエエっっ!! ユニコォオオオォオォオオオン!!」
おまおじは重ねてユニコーンも放った。必殺技はもっと太く、強くなった。最初は高田玉が優勢だったが、徐々に、おまおじの必殺技に押し返されつつある。
「ぐ……ははははぁッ……どうだ……! 俺は勝った! 勝ったぞッ!!」
おまおじは自分の優勢を悟って、自分の勝利を確信し、勝ち名乗った。
それを見て、高田健志は高田玉の真後ろまで飛ぶ。高田健志は、輝く高田玉とともに地平線を見渡した。
高田健志は右手を突き出す。そして、言った。
「ありがとうな、おまおじ。一時でも、俺の友達でいてくれて。」
高田健志は神の気を集中させ、そしてスーパー高田健志になる。その心はとても穏やかだ。まるで悟ったようなその御姿には、後光が差し込んでいる。
「じゃあな。お前の罪は地獄でしっかり償えっ」
高田健志は、高田玉に向けて最後の技を放った。
「『ドンモー』!」
押し返されつつあった高田玉に、後ろからドンモーが後押しする。
すると、高田玉は再びおまおじの方向に進み出した。
「バ、バカなッッ!! そんなことが! そんなことがあるかっ!」
おまおじは限界を超えて邪悪な神の気を放った。全力中の全力だ。それでも、高田玉を押し返せない。
「いっ、嫌だ! 俺は! 神を……高田健志を超えるんだっ!!」
とうとう、高田玉はおまおじの邪悪な神の気を全て消し去った。高田玉がおまおじの手に触れる。
「そ、そんなッ……そんなことがぁああああぁぁああアァアァあああああぁあアアアァアァアアアアアァアァアアアアアァアァアアッッッッッッ!!!!!」
おまおじの身体は全て、高田玉に包まれた。おまおじの身体がボロボロと崩れていく。
おまおじを取り込んだ高田玉は空高く舞い上がり、そして、はるか上空で大爆発を起こした。




