13話 決意を胸に。
目を覚ますと、そこは地獄の風景だった。
インドがあった場所にはもう何もない。何千年とかけて築き上げた文明も、人も、動物も、全て消えた。
高田健志はふらふらと、平らな地面を歩き続けた。
高田健志は何を求めて歩くのか。
友達だったおまおじか。
違う。
神である高田健志には分かる。この場に、命は一つも残っていないと。
ではなぜ歩き続けるのか?
それは明快。
高田健志は今、傷を修復しているのだ。
駆動丸とダーク高田健志から受けた傷を治すのに少しばかり時間がかかるため、歩きながら時間を潰している最中なのだ。
高田健志は分かっている。怒りのままにダーク高田健志に挑んでも、勝ち目はないと。
万全の状態で挑んでも勝てるかどうか。
そういう相手なのだ、ダーク高田健志は。
「これは……」
消し炭がそこらに転がる中、食べ物の残骸のようなものを見つけた。
高田健志が手に取ろうとした瞬間、それは崩れて砂のように細かくなる。
おまおじの食いっぷりを思い出した。
飢餓に耐え、久々にまともな食料を見つけて顔に嬉しさが満ち溢れる、あの表情が脳裏に浮かぶ。
「っ、おまおじ……」
高田健志の心臓に空いた穴が、急速的に再生していく。
胸の穴が再生し終わった頃、高田健志は真っ直ぐに西を見ていた。
「行かなきゃ。」
高田健志は飛翔した。
目指すはロンドン。ダーク高田健志の魔の手から、地球を守ってみせる。決意を胸に、高田健志は向かった。




