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1話 ダーク高田健志
悪事をはたらくものがいた。
その者は突然やってきて、地球で破壊の限りを尽くした。
現在、アメリカ大陸全土、ユーラシア大陸東部にまともな建物は残っておらず、壊滅し、砂漠化が進み、人類の約五割が死に絶えた。
当初はメディアも混乱し、嘘やでまかせが横行して、正しい情報がほとんど伝わらなかった。それゆえに、この悪しき者に対抗することすらできなかった。
だが。
一つだけ、正しく伝わった情報があった。
全人類は思い知る。
こんなことをしたのは『誰か』ということを。
それは彼自身が名乗ったのだ。彼は全世界を嘲笑い、闇の中に消えるさいに、高らかに自分の名を叫んだ。
「我は高田健志、世界の神なり。」
といって、消えた。