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占い師様の婚約者 ~嫁取りの占いは、幸せのはじまりでした~  作者: 朝姫 夢


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72.嫁取りの占いは……

 スコターディ男爵家からソフォクレス伯爵家へと向かい、正式に婚約するまでの一年と少しの時間は、あっという間でしたけれど。

 それ以上に、婚約してから結婚の日までは、もっと短かったような気がします。

 ドレスの新調だったり、日程の調整だったり、式の練習だったりと。たった一年の間に、やることがぎっしりと詰まっていたからかもしれません。

 実は以前受けた最高級エステも、社交シーズン以外の予約が空いているところで式の準備のためにと、何度か堪能させていただいたりもしました。


 忙しく日々を過ごしながら、時折マニエス様とお出かけしたり、お屋敷の中でゆっくりしたり。

 そんな風に楽しくも幸せな毎日は、本当にあっという間に過ぎ去ってしまって。


「ミルティア……」

「マニエス様、その……。どう、でしょうか……?」


 気が付けば、結婚式当日。

 この日まで徹底的に磨かれた私は、二年前まではあれほどまでに痩せ細っていたなどとは思えないほどで。

 傷んでいた髪は、この一年間で伸びた分全て切りそろえた時に、ほとんどなくなっていて。今は毛先がほんの少しだけ、その名残があるかもしれない、程度になりました。

 花嫁用の化粧を(ほどこ)してもらい、ベールを被る前の姿でマニエス様と対面して。実はこのドレス姿をお見せするのも、今日が初めてなのです。


「……すごく、綺麗だよ。とっても似合ってる」

「本当、ですか?」

「もちろん」


 マニエス様のその言葉だけで、嬉しくなってしまうのは。この一年ずっと愛を(ささや)かれてきても、変わることはありませんでした。

 むしろ素直に言葉を受け入れられるようになった分、余計に嬉しさが(つの)るのです。


「でも、ちょっと残念だな」

「え?」


 だからこそ、その一言にも不安になってしまって。

 けれど困ったように笑うマニエス様は、続けてこんな風におっしゃったのです。


「だって、こんなに綺麗なミルティアを抱きしめられないんだから。式なんてやめて、今から屋敷に帰る?」


 前半だけならば、恥ずかしさに顔を赤くするだけで済みましたが。後半の言葉を聞いて、そういうわけにはいかなくなりました。


「い、いけませんっ……! 式はちゃんと挙げないと、そのっ……!」

「うん、大丈夫。冗談だから。気持ちとしては本音だけど、行動には移さないから」

「それならいいのですけれ……。……本音、なのですか?」

「うん、もちろん」


 安心しかけた私は、聞き流せない言葉を拾ってしまって。思わず問いかけてしまいました。

 返ってきたのは、それはそれは素敵な笑顔でしたけれど。


「でもほら、ちゃんと今日式を挙げないと、結婚できないからね。僕は早く、ミルティアと夫婦になりたいし」

「っ!!」


 困ったことに、この一年でマニエス様は、それはもう真っ直ぐに正直な言葉を向けてくださるようになりまして。

 嬉しいのですよ? 嬉しいのは、嬉しいのですけれど……。


(わ、私の心臓が持たないかもしれません……!)


 日に日にスキンシップも激しくなっていっているような気がしますし。これで本当に夫婦になったら、一体どうなってしまうのか。

 正直なところ、私には想像がつかないのですが。


「さて、と。それじゃあ、行こうか」

「……はい」


 私が返事をするのと同時に、ベールが被せられました。そのままマニエス様の手を取って、ゆっくりと立ち上がります。

 ソフォクレス伯爵家の式である以上、その家格に対して参列者はそう多くはないのだそうです。

 王家や宰相家の皆様ように、ある程度以上の地位をお持ちの、お義父様やマニエス様の素顔をご存じの方々と。数少ない、ソフォクレス伯爵家の親類の方々のみ。

 けれど使われるのは、大聖堂。それはソフォクレス伯爵家が、この国において重要な家柄だからこそ、です。


(あぁ、私は……)


 なんて、幸せ者なのでしょうか。

 二年前、マニエス様は『嫁取りの占い』をあまり肯定していらっしゃらなかったのですが。最近では「きっかけにすぎないんだろうね」とおっしゃっていたので。

 きっと、私とマニエス様は同じ結論に辿(たど)り着いたのだと思います。


 そう。『嫁取りの占い』は……。

 幸せのはじまり、なのでしょう。


 今までもずっと、ソフォクレス伯爵家に嫁ぐ女性は『嫁取りの占い』によって幸せになってきたのです。お義母様を見れば、分かるように。

 だからきっと、私もこれからもっと幸せになるはずです。

 これ以上の幸せを、まだまだ想像はできませんが。


「ミルティア。……愛してる」

「……私もです、マニエス様」


 誓いの口づけを交わす直前、囁き合った私たちは。お互いだけを見つめ合って、幸せな気持ちの中。

 大聖堂のほんの前方だけを埋めている、けれど私からすれば大勢の方々に見守られながら。

 そっと、唇を重ね合わせたのでした。



 これにて完結です!

 最後まで二人の恋模様にお付き合いいただき、ありがとうございました!


 この次は「あとがき」となりますので、興味のある方だけ、どうぞお進みください(笑)

 ここまでの方は、またどこか別の作品でお会いできたら嬉しいです!


 それでは。

 最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!m(>_<*m))ペコペコッ



―――↓以下、宣伝です―――


~他作品情報~


 明日4/13は、コミカライズ版『幽霊令嬢』の更新日!

 そして同時に、久々の短編を一本更新予定です!


 さらにさらに!

 日曜日からは、新作をスタートさせますので!

 ぜひそちらも一度のぞいていただけたら嬉しいです!


 よろしくお願いします!!(>ω<*)



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