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少年の生き様
零話
男... 紫苑は身体を襲う風と衝撃と寒さで目覚める
「な.....!?」
男の顔が驚愕の表情に染まる
それもそのはず、紫苑は確かにベットで眠りについた筈なのに視界に映るのは見慣れた天井ではなく見渡す限りの青空である
雲一つのないいっそ憎々しいまでの青空である
紫苑はその光景を見て思わず
「なんだ夢か」
そう呟き再び眠りに着くため寝が入りをうとうとする
だがそれは叶わない
なぜなら当の本人もその青空の中にいたからであるつまるところ遥か上空にいるという事になる訳で
――今現在も地上に向けて落下し続けているのだ
「え?」
そう落ちている
高速で
地上へ
「いや、え?!は?
何がどうなってやがる畜生!!!!」
そう叫び少しでも減速をと両手をばたつかせてみるが勿論意味はない
そうこうしてるうちに地上が近づいてる
どうやら下は木々の生い茂る森の様だ
それを見て紫苑は
(あそこなら....運が良ければなんとか生き残れるか...?)
そう心で呟き
衝撃に備えるために足を下に身を屈め
――森に墜落した