07.初クエスト
冒険者試験を受けた翌日。
僕とルシナはクエストボードの前で悩んでいた。
なんでも、僕とルシナは冒険者試験で認められる中でも最高ランクとなる、Aランク冒険者として認定されたことから、受けられるクエストの数が多かったのだ。
どのクエストを受けるか迷うな……。
もちろん、高難易度のクエストを受けた方が報酬はいいだろう。
だが、僕とルシナはクエストを受けたことがないし、ルシナは魔物との実戦経験が少ない。
そう考えると、Dランク冒険者向けのクエストが安定かな。
僕が選んだクエストは、魔物に襲われている村を助けにいくものだった。
「このクエスト、どうかな? 僕たちの初クエストにはちょうどいい難易度だと思うんだ」
「は……はい! セリンさんにお任せします!」
どうしたんだろう?
このクエストを見た途端、ルシナの元気がなくなったような……。
「ルシナ、嫌だったか?」
「いえいえ、大丈夫ですよ! 最強冒険者のセリンさんがいれば、恐れるクエストなんてありませんから! さあ行きましょう!」
そう笑って言ったルシナの顔は、少し頼りなかった。
★
僕とルシナはギルドから南にあるジミ村に着くと、応接室に通された。
そこで、テーブルを挟んで村長と話している。
「セリン殿、ルシナ殿……このような辺境の村に足を運んでいただきありがとうございます……。現在、私たちのジミ村は、魔王軍の侵攻を受けており、村の若い衆が次々と死んでおります」
「王国騎士団には助けを求めなかったんですか?」
僕が尋ねると、村長はため息をついて話す。
「王国騎士団はこんな田舎の村なんて、守ってくれませんよ……若い衆が奮戦している間、何度も救助を要請しました。ですが、助けは誰一人として来なかったのです……」
「そんな……」
王国騎士団は、国王と国民を守るためにある王家直属の軍隊だ。
それが、いくら辺境とはいえ、1人も兵士を派遣しないなんて非情すぎる。
この村を早く魔王軍の脅威から救ってあげないとね!
それに、今の僕には魔物の所持スキルを奪えるスキル『窃盗』がある。
大丈夫だ。
絶対に救ってみせる。
「ルシナ、僕たちでジミ村を救おう……」
「セリンさん! 絶対に勝ちましょうね!」
「う……うん」
ルシナは拳を強く握ってそう言った。
「面白い!」
「続きが早く読みたい!」
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