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06.その頃勇者パーティは(グレイク視点)

 俺はグレイク。

 

 祝福の儀でスキル『勇者』与えられて以来、パーティを率いて魔王軍を倒し続けている最強の男だ。


 今は王国内の居酒屋で飲んでいるが、気分は最高潮だった。


「おい、エナ! 追放を言い渡されたセリンの顔は哀れすぎて傑作だったな!」


「ははっ、確かにそうねえ。雑魚の癖にいつも真面目でイライラしてたのよね。はぁ〜 雑魚セリンが消えて気持ちがいいわ」


 こいつは女魔術師のエナ。


 何もスキルを使えない無能なセリンとは違い、レアスキル『紅蓮魔術』の持ち主で、俺の右腕として働いている。


「俺もだ。まったく、祝福の儀であいつをスカウトしてしまったことは俺の人生で一番の恥だぜ」


「仕方ないわよ。敵の所持しているアイテムを盗むなんてスキル、本当にあるなら喉から手が出るほどパーティに入れたいわよ。悪いのは全部雑魚セリン。グレイクに気に入られたいから嘘をつくなんて本当に見苦しいクズだったわ」


「ああ、クズには魔物の餌がお似合いだな!」


 俺たちは高笑いすると、テーブルに置かれた酒を飲み干す。


 そして、居酒屋にいる女に声をかけた。


 俺は誇り高き勇者だ。


 国王から魔王軍を倒し、人類を守る大義名分を得た最強の男。


 俺に声をかけられて、なびかない女はいねえ。


 すると、早速、近くの席にいた冒険者たちが大きな声で騒いでいた。


 きっと、俺を見かけて感動のあまり興奮しているのだろう。


 やれやれ人気者って奴は辛いものだな!


「いやあ! 俺たちのセリンさんはすげえな! 新米冒険者なのに、魔石を200個以上納品して200万Gもの大金を獲得したらしいぜ!」


「ああ。かっこいい男だよな! 俺、セリンさんに早速サイン貰っちゃったぜ! セリンさんが王国を代表する冒険者になった時、これを女に見せびらかしてモテまくるんだ!」


 は? 嘘だろ?


 あのゴミクズセリンが魔石を200個も獲得しただ⁉︎


 俺は半信半疑で男の持っていたサインを見ると、それは明らかにセリンの筆跡だった。


 おかしいな。


 あの無能雑魚野郎が魔物を200匹も狩れるわけがねえ。


「うるせえよお前らクソ冒険者が!」


「グ、グレイク様⁉ す、すみません……」


 俺は冒険者たちを怒鳴って黙らせた。


 俺たちパーティの足を散々引っ張った奴が冒険者になってチヤホヤされているだと? 


 イライラするぜ。


 きっと、セリンが納品した魔石はどこかの行商人から大量に仕入れたものだろう。


 あの無能は国王から貰った金をずっと使わずに貯金していたからな。


 冒険者試験を不当なやり方で突破して皆の信頼を集めるなんて、本当に救いようのないクズ野郎だぜ!


「おい! セリンさんの話なんだが……」


 すると、遠くの席でもセリンの話が聞こえてきた。


 不快だな。


 そうして、俺が再び雑魚冒険者たちを怒鳴ろうとしたところだった。


「どうやら、セリンさんは超絶美少女のエルフとパーティを組んでいるらしいぞ! いいなあ、俺たちもセリンさんぐらい強かったら美少女エルフとパーティを組めるのかなあ!」


 美少女エルフだと?


 セリンめ、なんて下劣な奴なんだ。


 あんな無能雑魚のモテない男に、人間離れした美貌とレアスキルを持つエルフが惹かれるわけがねえ。


 なるほど。


 おそらく、セリンは金で奴隷として美少女エルフを買ったのだろう。


 近年、魔王軍の侵攻で親を亡くしたエルフが奴隷として市場に出回っている話を聞いたことがある。


 本当に救いようのねえクズ野郎だな。


 よし、セリンに買われたエルフは勇者である俺が解放してやろう!

 

 そして、俺に感謝した美少女エルフを勇者パーティに入れて、毎日俺の夜の世話をさせてやるか!


 ブハハ!


 やる気が湧いてきたぞ!


 俺は残った酒を飲み干すと、エナの豊満な胸を揉みしだく。


 待っていろよセリン! 


 今すぐお前の美少女エルフを寝取ってやるからな!

「面白い!」


「続きが早く読みたい!」


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― 新着の感想 ―
[良い点] 周囲の人たちの主人公の賞賛のセリフが面白く感じて良いですね
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