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46.脅迫(グレイク視点)

「はあ? 3年契約を結んだだろうが!」


 俺はジレフに契約書を見せる。


 すると、ジレフは呆れて言った。


「先日からポーションの広告塔をグレイク様からとある方に変更したところ、多額の収益を得ることができましてね。また、グレイク様は国内でも人気がないどころか嫌われているようで、あなたをポーションの表紙に使ったところ、1000件以上のクレームが来ましたよ……」


「⁉︎」


 俺は思わず驚いてしまった。


 勇者の俺が国民から嫌われているだと?


 確かに、最近は魔王領の討伐に失敗し、連敗続きだがこれも味方が役立たずの無能なせいだ。


 俺は悪くねえ!


「それに、あなたがぶっかけてきた多額の広告料はすでに一括でお支払いしました。グレイク様にもう頼る必要はありません」


「2000万Gを一括で支払えるほどの収益をもう手に入れただと? おい、ジレフ、ポーションの新たな広告塔は一体誰なんだ!」


「パーティ『永久の輝石』のセリン様です」


「ま、また、あのクソ雑魚セリンだと⁉︎」


 俺は頭を抱えてしまった。


 あのイカサマで成り上がっているクソ雑魚セリンが大人気だと⁉︎


 おおかた、あのクソ雑魚野郎は国民に金でもばら撒いて人気を集めているのだろう。


 そうでもしないとあの無能が成り上がれるわけがねえからな。


 とことんクズな奴だな!


「おい、ジレフ。いいから金を払え! たかが医療ギルド会長の分際で俺の気分を害した慰謝料代だ! 払わねえとお前のギルドは勇者パーティに反旗を翻したギルドとして噂を広めるぞ! ブハハ! その時は、お前のギルドメンバーや家族の全員が路頭に迷うだろうな!」


「それは本気でおっしゃっているのですか?」


「ああ? お前はぶっ殺されてえのか?」

 

 ジレフははあ、とため息をつくと、魔道具を取り出した。


「これは音声を録音することができる録音機です。残念ですがグレイク、部屋に入ってからのあなたの発言は全てこの録音機に入っております。そして、現在録音されている内容は第一王女のモルカ様に送信されていますので、国王様の耳に入るのも時間の問題でしょう」


「そ、そんな……」

 

 俺は膝から崩れ落ちた。


 国王のエルクセルクは不正に対して厳しい男だ。


 前に、宦官の数人が民から不正に税金を徴収していたとバレた時には、エルクセルクの手によって凶悪犯罪者の多い辺境に送られたと聞いたことがある……。


 医療ギルドの会長を脅した俺は、間違いなくエルクセルクに裁かれるだろう……。


 なんとしても、それだけは避けなくては!


「なあジレフ、落ちつけ! お前が今起きたことをなかったことにしてくれたら、エルクセルクから貰った出資金をお前にやろう! あの国王は馬鹿だからな! 魔王討伐なんてしてなくても、毎月金をくれるんだ! どうだ? お前もあの馬鹿国王を騙して出資金をいただかないか? 勇者パーティ用の新型ポーションを作るとでも言っておけば、アイツは騙されるはずだ!」


「黙れクズ野郎が!」


「ひいいいいいいいいいっ⁉」


 ジレフは吐き捨てるように言うと、部屋から去っていった。


「クソがあああああああああああ!」


 俺は怒りから、椅子を叩き割るのだった。

「面白い!」


「続きが早く読みたい!」


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