45.グレイクの慢心(グレイク視点)
王国の高級宿屋で。
俺は医療ギルド会長のジレフを呼びつけていた。
「ブハハ! 今日はなぜジレフを呼んだかわかるかカミナ?」
「ええ。あの老人から広告料をぶん取ろうとしているんですよね」
僧侶のカミナは笑って言う。
「流石は勇者パーティの僧侶だ。前に俺をポーションの表紙に使う代わりに2000万Gを貰う契約をしたが、国を代表する勇者が2000万しか貰えないなんてアホらしいと感じてな。それで、今日は追加の広告料としてさらに金をぶん取ってやろうというわけだ!」
「ですが、王国内でグレイクの噂を最近耳にしてないので……契約を打ち切られてしまう可能性もあるのでは……」
「おい、カミナ。それは俺に魅力がねえと言いてえのか?」
「ごめんなさいグレイク……」
俺がテーブルをドン! と叩くと、カミナは怯えて謝る。
まったく、雑魚のくせに無礼な奴だ。
そもそも、パーティに僧侶や治療師を入れるのが主流な今、ポーションなんて不人気アイテムが爆発的に売れるわけがねえんだ。
おおかた、ジレフは大赤字で契約を打ち切りに来るだろうが、適当に理由をつけて金をぶん取ってやればいい。
ブハハ! 俺は天才だな!
俺が高笑いしていると、ジレフが訪ねてきた。
「グレイク様、先日は我がギルドポーションの広告頭としてご契約していただき、ありがとうございました」
「おう。今日はある理由でお前を呼び出させてもらった」
「ある理由とは……?」
「広告料をさらに支払って貰いてえんだ。国を代表する勇者の俺がたったの2000万Gしか貰えねえなんてありえねえからな!」
「そ……そんな……」
ジレフは驚くと、頭を抱える。
ブハハ! 絶望した顔がたまらねえぜ!
たかが医療ギルドの分際で、安値で俺を利用しようとするからこうなるんだ!
「早く広告料を払って貰おうか? それと、俺は最近、ギャラが上がってな! お前ら医療ギルドの有り金を全て出しても払えないくらいだ。だからジレフ、お前のギルドのポーションの商標権を俺に渡せ」
すると、ジレフは首を傾げて言う。
「グレイク様、失礼ですが現在、我がギルドの商品の広告にグレイク様は使われておりませんよ……?」
「面白い!」
「続きが早く読みたい!」
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