44.思わぬ賞賛
ジレフさんがギルドを訪ねてきてから数日後。
僕はギルドの受付で受付嬢さんと駄弁っていると、ルシナが駆け込んできた。
「セリンさん、大変です!」
「どうした?」
「先日、私たちが投資したジレフさんの医療ギルドが開発したポーションが、体力を回復するだけでなく、疲労も回復する効果があるそうで、王国の学会から表彰されたそうです! 学会から定期的に奨励金をいただけるようになったみたいなので、配当金が早くも届きましたよ!」
「そうか。良かったな」
「それだけじゃありませんよ! ジレフさんがギルドのポーション師さんたちにセリンさんへの恩義を熱く語ったみたいで、感動したポーション師さんたちが24時間ポーションを開発したところ、覚醒して今回のポーションができたそうです! あ、ちょっと待ってくださいね!」
ルシナが手招きすると、若いポーション師たちが入ってくる。
そして、頭を下げると僕に挨拶する。
「セリン様、僕たちは低迷していた医療ギルドを救ったセリン様の優しさに感動し、ジレフさんに頼み込んで医療ギルドから派遣されてきました! セリン様を癒す高品質のポーションを無償で提供しますので、安心してクエストに挑んでください!」
「あ、ありがとう……でも、ここは冒険者ギルドだよ? 医療ギルドにいたほうが勉強になると思うけど……」
「セリンさんの下で働けるなら冒険者ギルドや地の果であろうが構いません! 私たちは英雄セリン様のもとでセリン様を癒すポーションを作りたいのです!」
「そうですよ! 英雄セリン様のポーションを作れるなんて感動しすぎて涙が止まりません! よし! 今日もセリンさんの冒険者伝説を肴に酒でも飲むか!」
そうして、僕のギルドには毎年ポーション師が派遣されてくることになり、僕は神様のように慕われるのだった……。
セリン様呼びは恥ずかしいからやめてくれええええ!
「面白い!」
「続きが早く読みたい!」
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