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43.投資

「はい! 私たちに武器を無償提供したいんですか? ありがとうございます!」


 ある日のこと。


 ギルドの客間にて。


 僕とルシナとティナは、訪れてくる貴族や商人たちの対応をしていた。


 なんでも、剣姫のティナが加入してから、僕たちパーティの人気は急上昇。


 おかげで、僕たちに出資したい方やクエストを依頼してくれる方たちが毎日訪れていた。


 最近はその対応で忙しいけど、僕たちパーティを心から応援したいと思ってくれる人たちが増えるのは嬉しいね!


「次の方、お入りください!」


 すると、見るからに倒れそうなお爺さんが入ってきた。


「ど、どうしたんですか?」


「私は医療ギルドの会長をしているジレフと申します……。実は……大量に開発したポーションを売るために、先日、勇者グレイク様に商品の表紙に使いたいと依頼したところ、膨大な依頼料をぶっかけられまして……。それだけならまだ良かったのですが、いざ商品を発売したところ、グレイク様は最近、魔王領の攻略に失敗していることから人気が急落しており、全然売れず……お客様からは、グレイクが表紙ならどんなに安くなっても買わないなど、クレームを入れられて困っているんです……」


「そうですか……」


 僕はため息をついていた。


 こんな優しそうなお爺さんに膨大な依頼料をふっかけるなんて、グレイクは相変わらず酷い奴だ……。


 すると、ジレフさんは土下座して言った。


「セリンさんお願いします! どうか、私の医療ギルドに投資していただけないでしょうか! 稼げた売上高の3割はセリン様にお渡ししますので、お願いいたします……!」


「駄目よセリン。ジレフさんには悪いけど、正直ポーションが爆発的に売れるなんて考えられないわ……」


「私もティナさんに同意します……回復系スキルの所持者が多い今、どのパーティも僧侶や治療師がいるので、ポーションの需要はあまりないかと……」


 悲しげに言うティナとルシナ。


 確かに2人の言う通り、ポーションを取り寄せるパーティが減少しているのは事実だ。


 近年は、回復系スキルの所持者が増えたことで、医療ギルドの業績が悪化し、ポーション師が減少していると聞いたことがある。


 だけど、僕は……。


「いいですよジレフさん。ぜひ、医療ギルドに投資させてください」


「「え?」」


 目を丸くして驚くティナとルシナ。


 すると、ジレフさんは口をぽかん、と開けて言った。


「ど、どうして初対面の私なんかに……」


「今のジレフさんには支えが必要だと思ったんです。僕も、勇者パーティを追放されてから路頭に迷っていました。でも、その中でルシナやティナに出会い、2人が支えてくれたおかげで、今の自分があるんです」


「セリン……」


「セリンさん……」


「だから、僕もジレフさんを支えさせてください。見返りなんて考えずに、まずは自分を大切にしてください」


 すると、ティナが笑って言う。


「セリンが決めたなら仕方ないわね! 私も賛成よ!」


「私たちだって、セリンさんがいてくれるから毎日楽しい冒険者生活を送れてるんですよ? セリンさん、大好きです!」


 はは……大好きだなんて大げさだな……。


 すると、ジレフさんは号泣して言った。


「セリンさんの思いに触れて、私……ジレフは感動しました……! セリンさん、必ず私は投資していだいたお金をお返しし、さらに利益を上げてセリンさんの立派な金の像が王都に建てられるくらい還元いたします! こうしてはいけない! 急いでポーションを研究しませんと!」


 ジレフさんはそう言うと、急いで客間を出て行った。

「面白い!」


「続きが早く読みたい!」


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