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42.商談(グレイク視点)

「すまないわグレイク……ルシナのパーティ勧誘に失敗したわ……」


 パーティメンバーのカミナが謝ってくる。


 俺は舌打ちすると、宿屋のテーブルを叩き斬った。


 まったく、俺の足を引っ張る無能が多すぎる!


 それに、勇者パーティの勧誘を断るなんて、こいつの伝え方が悪かったに違いねえんだ。


 俺はカミナをビンタすると、胸ぐらを掴んだ。


「おいカミナ! お前がしっかり説明しねえから女エルフに断られたんだろ? 使えねえ無能女だな!」


「違うわグレイク……最近、私たち勇者パーティは王国内での評判が下がっているらしいの。どうやら、セリンを追放したことでモルカ様が私たちに出資を打ち切ったことが広まってるみたいで……」


「俺のせいだと言いたいのか? ああ?」


「ごめんなさい……」


 呆れた奴だ。


 自分の無能っぷりを俺のせいにするなんて、セリン並みのクズだな。


 イライラが止まらねえぜ!


 そして、俺は再びカミナをぶん殴ろうとしたところ、魔術師のエナが言う。


「グレイク、カミナも反省してるみたいだし、やめてあげたら? それより、今日はいい話を持ってきたわよ♪」


「聞かせろ」


 すると、老齢の男が部屋に入ってきた。


「この人、大手医療ギルドの会長でね、新型ポーションを作ったらしいのよ。それで、これから王国中に売り出したいみたいで、グレイクを広告塔としてポーションの表紙に使いたいそうよ」


「その通りでございます。勇者グレイク様を広告塔として起用すれば、我がギルドのポーションも爆発的に売れると考えております」


「ブハハ! よくわかっているおっさんじゃねえか! それで、依頼料はいくらなんだ?」


「3年契約の1000万Gになります」


「はあ? 安すぎるだろうが!」


 俺が怒鳴ると、会長は驚く。


 別に悪くない金額だが、こういう気の弱そうな奴には、悪態をつけばとことん金をぶん取れるからな!


 そして、医療ギルドの会長は俺に頭を下げて言った。


「近頃、魔王軍の活性化によって冒険者が減少し、ポーションの売れ行きが不調でして……私たち医療ギルドとしても、グレイク様に出せる最大限の金額なんです! 何卒、ご契約をよろしくお願いいたします!」


「お前らの業績がどうなろうがどうでもいいわ! ブハハ! 従わねえなら仕方ねえなあ。お前の医療ギルドは、勇者パーティへのポーション提供を断り、王国へ反旗を翻した悪徳ギルドとして国王様に伝えてやろう!」


「そ、そんな……」


「民衆の支持を集めている勇者のグレイクと、落ち目の医療ギルドのあなたの発言、どっちが世間に信頼されるかしらね? あ、あたしとカミナも証言するから、もっと厳しくなるわね♪」


 エナはニヤリ、と笑って言う。


「ブハハ! 今なら依頼料を倍額で払うだけで許してやるよ。それとも、お前のせいでギルドメンバーたちが全員路頭に迷うことになるがいいのか?」


「払わせていただきます……よろしくお願いいたします……」


 医療ギルドの会長は、土下座してそう言った。


 こうして、俺たちは巧みな交渉術で、2000万Gを獲得したのだった。


 ブハハ! 俺って奴は天才だぜ!


 だが、この時の俺は知らなかった!


 また、アイツのせいで地獄を見ることに!


 そして、俺たち勇者パーティがさらに破滅の道を進んでいることに!

「面白い!」


「続きが早く読みたい!」


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