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39.デートの誘い

「セリンさん……勘弁してくださいよ……」


 ギルドにて。


 僕はルシナとティナとカウンターの前で、受付嬢さんの鑑定を待っていた。


 だけど……。


「受付嬢さん、いつ頃鑑定が終わるかわかりますか?」


「終わりませんよ! 金の毛皮なんて超激レアアイテム、今までに鑑定した事例がありませんから! ただいま、急いで専門家の方を呼んでいますし、はあ……金の毛皮が100個以上もあるなんてセリンさんの規格外さを呪いたくなりましたよ……」


「はは……ごめんなさい」


 受付嬢さんは目をうるうるさせて言うと、僕の両手をとる。


「セリンさん。私、セリンさんとデートできるなら、今すぐに鑑定が終わるくらいやる気が出そうなんですが、どうですか? 今夜にでもご飯を食べに行きませんか?」


「は、はい。早く鑑定が終わるなら大歓迎だけど……」


「駄目よ」


「浮気は許しません!」


 ティナとルシナは僕の両腕に抱きつきながらそう言った。


 うう……いい加減に離してくれ……!


 森でクエストを終えてからギルドにいる今まで、僕は2人に抱きつかれていた。


 おかげで、今もギルドメンバーから「セリンさんとはいえ、美少女2人とイチャイチャするなんて許せねえ……」といった怒りの視線を感じる。


 その後、受付嬢さんの鑑定が終わると、僕は驚愕した。


 なぜなら、金の毛皮の合計鑑定額は1億Gと目にすることのできない大金だったからだ。


 そして、ギルドメンバーの歓声が上がる。


 中には僕の伝記を掲げて踊っているギルドメンバーもいた。


 童話の次は伝記なんて、どんどん商業化の規模が大きくなっているな……。


「皆さん、ありがとうございます! 今日の皆さんのお酒代は全て僕が払いますので、たくさん飲んでください!」


「「うおおおおおおおおっ!」」


「流石はセリンさんだぜ! もう王国内でセリンさんより稼げる冒険者は誰もいないな!」


「セリンさんが来てからこのギルドも大人気だぜ! セリンさんがギルドに所属してくれるから俺たち低ランク冒険者にも多くの依頼が来るようになったし、もう、セリンさんには頭が上がらねえな!」


 笑顔で僕に感謝するギルドメンバーたち。


 本当に、僕みたいな新人に優しくしてくれる素敵な人たちだ。


 さて、僕も皆さんに混ざって飲もうかな!


 すると、ティナが不安そうな顔で聞いてきた。


「ちょっとセリン、大丈夫なの? 酒場にいるギルドメンバーたちはおそらく100人以上いるわよ? 命を懸けて稼いだお金を簡単に浪費しなくても……」


「いいんだ。僕は皆を笑顔にするために、勇者パーティ時代から魔物と戦ってきたんだ。稼いだお金で皆が喜んでくれるなら、それは本望だよ」


「セリン……」


 ティナはそう言うと、顔を赤くしてぷいっ、と顔を背けた。


 しまったな。


 ティナは浪費癖のある冒険者は嫌いなのかもしれない。


 僕自身、勇者パーティ時代に経費をキャバクラや高級品の購入で使うグレイクたちに散々苦労したというのに、僕は何をやってるんだ……。


「ティナ、ごめんな。パーティメンバーの意見も聞かずに奢るだなんて、僕は最低だ」


「そ、その……奢るとかは関係ないわ……」


「じゃあ、僕から顔を背けるのはどうしてだ? もしかして、パーティに加入したことを後悔しているとか⁉︎ そうだよな……僕なんて、所詮勇者パーティを追放された男だ。剣姫のティナの隣にはふさわしくないよな……」


「だから、そうじゃないわよ! セリンって、少し鈍感なのかしら……。そうね。でも、私のお願いを聞いてくれたら許してあげる」


「お願い?」


「今日の夜、2人きりでデートするわよ!」


「⁉」


 ティナは耳打ちで僕にそう言った。


「おい、今の聞こえたか? セリンさんとあの剣姫ティナが2人きりでデートだとよ! くっ、嫉妬しすぎて涙が出るくらいお似合いな2人だぜ……」


「やべえ、これは王国中に知らせるべきニュースだぞ! 王国一最強カップルの誕生だ!」


 ギルドメンバーたちはそう言うと、僕たちの噂をし始める。


 いや、お願いだからこれ以上騒ぎにしないでくれえええええええ!

「面白い!」


「続きが早く読みたい!」


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