表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

33/48

33.納得

「フル村やタケ村の皆さんには申し訳ないですが、今回の戦いで村は魔王軍に制圧されたとして、今から外壁に魔王軍の軍旗を立てます……。もちろん、旗を立てるだけで魔王軍によって直接支配されるわけではないので、今まで通り普通に暮らしていただいて構いません! 僕のわがままでこんなことになってしまい、本当に申し訳ございませんでした!」


「すまないのじゃ!」


「「……」」


 フル村の役場にて。


 僕とダクドラは、ダークドラゴン領近隣にある村の村長たちの前で、頭を下げていた。


 殴られる覚悟はできていた。


 自分たちが生まれ育った村に魔王軍の旗が立つなんて、許しがたいほど屈辱的なものだろう。


 ましてや、ダクドラたちは魔王軍として村人たちに長年恐怖を与えていたんだ。


 そんな魔物の一族を守りたいから、魔王軍の支配下に入って欲しいだなんて、納得できるはずがない。


 もっと、誠意を見せないと納得してくれないだろう。


 僕は頭を床につけて土下座する。


 すると、村人たちから驚きの声が上がった。


「セリン殿、顔を上げてください! 私たちは、村がダークドラゴンの支配下になることに大賛成ですぞ!」


「え……?」


 僕は思わず首をかしげた。


 すると、村長たちはうるうると、涙を流し始める。


「もちろん、ダークドラゴンは私たちの村を何百年にも渡って苦しめました。親族を殺された村人もいます。しかし、私たちはセリン殿に感謝しているのです! 先ほど、セリン殿とダークドラゴンが仲良く話されている姿を見て、こう思いました! 人間と魔物は手を取り合って生きていくことができると! 全ての魔物が決して心の底から悪い魔物ではないのだと!」


「皆さん……」


「それに、セリン殿は最強冒険者として名高い英雄です! そんなセリン殿の頼みであれば、断ることなんてできませんし、喜んで引き受けますよ! なあ、皆!」


「「うおおおおおおおお!」」


 役場の前には、大勢の村人たちが集まっていた。


 鳴り止まない、僕たちに対する大きな歓声。


 そして、中には僕を見て、感動しているのか尻もちをついて号泣している人もいた。


「そんな……大げさですよ……」


 なんて心優しい人たちなんだ……。


 僕は思わず涙を流すと、感謝を込めて再び頭を下げるのだった。


 ああ……僕は本当に優しい人たちに恵まれているなあ!

「面白い!」


「続きが早く読みたい!」


と思いましたら


下記の☆☆☆☆☆から作品の応援をよろしくお願いいたします!


面白かったら☆5つ、つまらなければ☆1つなど、正直な感想で大丈夫です!


また、ブックマークもいただけると嬉しいです。


よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ