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21.傲慢(グレイク視点)

 魔王領から無様に退却した数日後。


 俺は冒険者ギルドに向かっていた。


 今日は、魔物の所持スキルを奪えるという最強冒険者をパーティに勧誘した結果が出る日だ。


 受付嬢がギルドの受付で結果を教えると言っていたが、恐れることはねえ。


 勇者パーティへ誘われるなんて、庶民育ちの冒険者とっては、感動のあまり俺に土下座したくなるほど光栄なことだからな!


 ブハハ! 


 英雄とやらが号泣して、俺に頭を下げると思うと、笑いが止まらねえぜ!


 俺は冒険者ギルドに入ると、早速受付嬢に挨拶する。


 さて、英雄はどこだ?


 まったく、見渡す限り冒険者って奴は脳筋の馬鹿そうな奴しかいないな。


 すると、受付嬢は苦笑いしながら言った。


「グレイクさんには残念なご報告ですが、勇者パーティ勧誘の件について、昨日に相手側からお断りの連絡が入りました。ですが、迅速に冒険者を勧誘したいのであれば、私たちのギルドの優秀なBランク冒険者を紹介できますがどういたしますか?」


「おい女、断りの連絡って冗談だよな……? てめえの伝え方が悪いから断られたんじゃねえのか⁉  ああ⁉」


「ご、ごめんなさい……!」


 どうしてだ!


 勇者パーティに引き入れる待遇として、破格の月給50万Gを用意してやったし、住宅手当として王都で1番立地のいい一級建築士が建てた一軒家も準備してやった。


 それに、なによりも勇者パーティに入れることに1番の価値があるじゃねえか!


 断られるなんて、この女の伝え方が悪かったに違いねえ。


 俺は怒りから受付のトレイを壁に投げつけると、受付嬢の悲鳴が上がった。


「す、すみませんグレイクさん……ですが、私はグレイクさんから頼まれた内容を、一言一句丁寧に伝えました」


「ああ? じゃあ、てめえはこの勇者様に魅力がなかったから断られたとでも言うのか? ありえねえだろゴミが! とっとと英雄とやらに会わせろ! 俺が直接誘ってやる!」


 まったく、自分の失敗を押し付けてくるなんてどこまで無能なんだ!


 すると、むさ苦しい見た目の冒険者たちが一斉に俺へ視線を向けてきた。


「お前が勇者グレイクか……ははっ、セリンさんはこんな奴の勧誘を断って正解だな!」


「ああ! ただ事実を伝えただけの受付嬢さんを理不尽に怒鳴るなんて、本当にこいつは勇者なのか? おいおい、誰よりも人を思いやれるセリンさんのほうがよっぽど勇者って感じがするぜ!」


 何? 


 セリンだと?


 俺は一瞬、パーティから追放した無能野郎の顔が頭をよぎった。


 だが、それは気のせいだ。


 なぜなら、勇者パーティにいたセリンは、無能の分際でレアスキルを与えられたと嘘をつくようなクズだからな。

 

 そんな奴が、あのコボルト領を降伏させたり、英雄などと皆の人気を集めて、王国中を賑わすなんてできるはずがねえ。


 きっと、その最強冒険者はたまたまセリンと同じ名前なのだろう。


 そう考えていると、ギルドの入口がバタン、と開いた。

「面白い!」


「続きが早く読みたい!」


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